Sonny Rollins『A Night At 'Village Vanguard'』 | kumac's Jazz

Sonny Rollins『A Night At 'Village Vanguard'』

 数々の名盤を世に出して、今なお現役で来日を果たそうとしているソニー・ロリンズ。数少ない、今なお健在なジャズの奇人変人的な偉大なミュージシャンである。奇人変人とは、ちと、失礼であるが、2度の雲隠れ、演奏に熱が入ると、時間そっちのけ、我を忘れて、アドリブに入魂っていうミュージシャンは、もうお目にかかれない。

 ちなみに、最後の来日と銘打ったライブで最後になったことはないのではないだろうか、あのアール・ハインズも晩年に初来日を果たしたときに、最初で最後の来日と枕詞が並んだが、そのあと2回位は再来日している。

 ロリンズの一番の存在感は、湯水のごとき湧き出るフレーズが織りなすアドリブである。あの名盤『サクソフォン・コロッサス』でのアドリブのエッセンスのみを抽出したアドリブもいいが、ライブ演奏での自由奔放な演奏もまたすばらしい。自分が、少しでもアドリブをしたいからか(勝手にkumacが思っている)、ピアノレスのバンドを作ることが多い(そのかわりギターが入ったりしますが)ロリンズだが、この『ライブ・アット・ビレッジ・バンガード』は、初リーダー吹き込みかつ初ライブレコーディングという初物づくしで、ロリンズの格闘するアドリブが聴けるピアノレストリオである。挑戦者ロリンズを感じることのできるアルバムである。kumac的評価4.5(5点満点)



ソニー・ロリンズ, ウィルバー・ウェア, エルヴィン・ジョーンズ, ドナルド・ベイリー, ピート・ラロッカ

ヴィレッジ・ヴァンガードの夜