日本料理に限らず、ダシは料理の重要な要素です。

絵をかく時に、バックの色を薄く塗る様なものですかねぇ~

それだけでは絵(料理)に成らないですが、無いとまとまらない…

西洋料理や中華料理など、ダシ全般の話しに成ると、とても書ききれないので、今回は、日本料理の中の鰹と昆布の話しです。

鰹も昆布も、よく使うと思いますが、ダシのとり方は、全然違います。

鰹ダシは…
沸騰した湯の火を止めて、鰹節(削った物)を入れて、加熱して沸騰したら、すぐにこす…これが一番ダシです。

一番ダシは、濁ったらダメです。
決して絞らないのがポイントです。
絞ったらダシは濁ると覚えておいて下さい。

本来は、お吸い物や、醤油をあまり使わない(醤油色にしたくない)煮物等に使いますが、使ってもかまいません。

一番ダシをとった後の鰹節を湯に入れて、沸騰してから数分煮てからこす…これが二番ダシです。

どうしてもダシが濁ってしまったり、多少鰹のクセも出ますが、醤油や味噌など、味、色、香りの強い調味料で調理するなら問題ありません。

味噌汁や煮っころがし等につかいます。

三番ダシもありますが、あまりやらないですねぇ~

まぁ二番ダシをとった後の鰹節を、もっと煮て、ぎゅーぎゅー絞ったものです。
用途は、二番ダシと同じですが、濁りもクセもさらに強くなります。

さて、昆布ダシは…

基本的に、水でとります。
昆布を加熱すると、ヌメリがでてしまって、ダシが片栗粉でトロミをつけた様な状態に成ってしまいます。

そうなってしまうと、ダシの味が材料に染み込みにくく成ってしまうので、昆布をグツグツ煮るのは、ダシに限っては厳禁です。

土鍋の下に昆布をしいて、そのまま湯豆腐を作るのも、ホントはオススメしませんが、見た目の美味しさからすると、何とも難しい選択ですねぇ~

昆布ダシは、水だし麦茶の要領で、水に昆布を入れて、半日~一晩くらい置いておくだけです。

そのまま昆布を取り出して、一度沸騰させるか、昆布を入れたまま加熱して、煮立つ前に、昆布をとりだして、沸騰させて下さい。

何れにしても、一度沸騰させないと、クセが残ります。

ちなみに、日本料理では、昆布ダシを加熱して、そこに鰹節を入れてとった一番ダシを、合わせダシと言って、最高級のダシの一つです。

ところで…
ダシはインスタントしか使わない…と言う方…

インスタントのダシでも、沸騰した後、ペーパータオル等で一度漉すと、溶け切らなかった粒が漉されて、透き通ったダシに成ります。

インスタントの鰹ダシは、風味の強い二番ダシとして使えば大丈夫です。

熊八も、普段はインスタントを使います。

昆布ダシは、ある程度は昆布茶で代用できます。

鍋物の下地(鍋の煮汁)に昆布茶を使うのはオススメです。

インスタントのダシも、昆布茶も、塩味が付いているので、塩加減にご注意下さい。