七つの会議 | バツイチアラカンオヤジの映画日記

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観た映画やドラマ、その他について、基本的にネタバレ無しで!無責任に感想を書き留めていきます。あらすじはコピペせず自分なりの文章でボケ防止を図りっているので当てにならないかも?!

初池井戸潤です♪「倍返しだー!」とか「下町ロケット」とかドラマにはまんまとハマっちゃった口ですが原作を読むのは初めてです。本作も野村萬斎主演の映画化作品が面白くって、この原作も是非読んでみたくなりました。他人の会社での出世争いや足の引っ張り合いを見せられてどこが面白いの?って「半沢直樹」がバズった時はスルーしていたんですが、サラリーマンや社会人ならば誰もが共感できるエピソードがツボにはまりました。本作もその辺りが満載で「パワハラ」「社内不倫」「経理VS営業」そして巨大企業のグループ会社や下請け会社の悲哀など身につまされるエピソードが盛り込まれていました♪

 

映画でも若干寄せてはいましたがこの原作では短編8作を読ませてその全貌を明らかにする。そのギミックが映画を見て結末を知った身でも面白過ぎて途中で読むのを止めるのがなかなか出来なかったです!

嘘をつかず、騙さず、思いやりを持つなどなど子供の頃は良い大人になりなさいと散々モラルを叩き込まれるのに、大人になり社会に出ると「商売はそんなに甘くはない」や「もう子供じゃないんだからと」と収益を上げる事のみに注視させられる。本作はその矛盾が浮き彫りになっているようで、ホントに何なのかな~ってなりましたね。

 

映画版では片岡愛之助の演じていた坂戸について、この原作では生い立ちや家庭環境など細かく明記されてて特に「坂戸の兄の決断」のくだりはウルッと涙目になりました。そういった事情があって坂戸がある行動を起こしてしまうのですがその辺りを読んでいて会社とは社員の人生までも人質に取って利益を追求するものなのだと、搾取するものなのだと感じました。企業にとって「信用」は「生命線」と云いつつもその「信用」を掛けてまでも利益を守ろうとする。「悪いことは悪いと」正論を言えないその土壌、サラリーマンとして八角と同じ様に見て見ぬふりでやり過ごしてきた自分が云うのもおかしな話ですがホントにどうにかならないの?って考えさせられました。勿論エンタメとしても読みごたえあり、「倍返しだ~!」程ではないけれど読後の爽快感もなかなかのモノでしたよ!♪

 

「七つの会議」 オススメ度 ★★★