水の声を聞く | バツイチアラカンオヤジの映画日記

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観た映画やドラマ、その他について、基本的にネタバレ無しで!無責任に感想を書き留めていきます。あらすじはコピペせず自分なりの文章でボケ防止を図りっているので当てにならないかも?!

新興宗教を題材にした作品って事で興味の湧いた一本。監督の山本政志はジム・ジャームッシュらインディペンデント監督らから絶大な支持を集めているそうで注目の監督さんらしいです。主演の玄里は線は細いのに芯の強そうな綺麗な女優さんで主人公の教祖役がピッタリに感じました。共演の趣里は水谷豊と伊藤蘭の娘さんだそうで、彼女は知的美人って印象ですね。この二人、これまで端役で見掛けた事がある様な気もするんですが名前は知りませんでした。本作ではかなり強く印象に残ったので今後は注目することになりそうです。その他では村上純が面白い役どころで出演していました。

在日2世のミンジョン(玄里)はアルバイトで新興宗教の巫女をやっている。友人で教団の事務方である美奈(趣里)はミジョンのカリスマ性を見越しており教団をさらに大きくしようと考えていた。美奈の思惑通り広告代理店の赤尾(村上淳)の手を借りつつ、教団は着実に信者を増やしていくが・・・

面白い!新興宗教の内幕が凄く興味深いです!

何より驚いたのは村上淳の演じる広告代理店の存在。新興宗教って云う位ですからまだ宗教法人の認可も下りず、ぶっちゃけ書いちゃえばベンチャー企業の様なもので広告代理店が関わるってのはある意味的を得ているなと目から鱗でした。イベントのネット配信のバックアップやホームページの作成管理、劇中では巫女の口上すら原稿を用意しているんですねwww代理店側のイメージもあるだろうし、自ら実績としてアピールすることもないだろうけどリアルでも広告代理店って宗教関係の仕事に関わっているのかな?ってとても気になりました(≧∇≦)

アルバイトで始めた巫女とは言え多くの信者達の悩みを聴く内に精神的に追い込まれ辞めたいと口にする主人公ミンジョン。このシーンでの信者達の言い分もとっても興味深いものでした。

アルバイトだと言い張るミンジョンに「ニセモノでもいい」「自分達にはすがる存在が必要なんだ」と言い切る信者を見ていると「宗教」の本物とニセモノって何処が違うの?結局、信者達が信じている、救われたと思っている限りは、その宗教は本物なんだなと思えました。

サイドストーリーのミンジュンのダメな父親のくだりも、斬新さはないですがクライマックスにうまい具合に合流する展開になっていて観ていて飽きませんでした。新興宗教の内幕を描きつつも映画的に楽しめる様に構成されている作品だと思います。ラストも結構、好きなパターン!

「信じる」って事は良くも悪くも大きな力になり得るんだって事なんでしょうね(≧∇≦)

エンドロールに流れる美空ひばりの「愛燦燦」がなんだか妙にマッチしてました。

 

「水の声を聞く」 オススメ度  ★★★

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