火車 【宮部 みゆき】

<読んだきっかけ>
印象に残ってる本。として本書を挙げる人も多い。
以前から再読したいなぁと思ってたところ、
Halさんが感想を書いてたので、俄然読みたくなった。

<あらすじ>
休職中の刑事・本間俊介。
妻を事故で亡くし、10歳の息子と二人暮らし。
遠い親戚・栗坂和也。
和也の婚約者・関根彰子が、失踪したので、探して欲しいとのこと。

<ネタバレ&感想>
宮部さんの小説の中でも「傑作」だと言われている本書。
いや~~~凄かったです。
傑作と言われるのも納得です。

本書の初版は1992年。
昭和の終り~平成の最初の頃を描いた小説です。

ん・・・もう知ってる方も多いだろうから、内容に触れても良いですよね?
内容を知りたくない方は、↓は読まないでください。




クレジットカードのローン。
そのローン地獄から抜けるため、他人になりすまし生きようとした。
って内容です
ローンの金利やそーいった法律は今とは違うのだろうけど、
誰でも簡単に陥りそうだから怖い
今は、クレジットカードや電子マネーで支払う人も多い。
(私はクレジットカードを利用してます)
こーいった現金では無い支払いって「お金を使ってる感覚」が無いんですよね。
で、支払いもだけど、簡単にお金を借りることも出来てしまう。
で、それには金利というものが付いていて・・・
(本書と今は金利が違うと思うけど)

休職中の刑事が、失踪した女性を探す。
休職中なので、警察手帳は無く 自力で探す。
(時々、同僚の警察官・碇の手も借りてるが)
その執念が凄い^^;
そして、この時代にはケータイ電話も無かった。
(あったけど、使ってる人はごく一部)
インターネットも、さぼど普及してなかっただろう。
今だったら「ネットで検索」出来るのになぁ。と
時代が違うのよね・・・。

脳内を昭和に切り替えると読みやすい。

関根彰子になりすました新城喬子。
喬子の人生も壮絶だった。
きっとこの時代の、ヤ○ザ絡みの風俗って酷いのよね。

喬子が乗っ取った彰子。彰子の卒業アルバムなんて捨てちゃえば良いのに、捨てずに同級生に送ってて・・・。そーいう事を知ると喬子って悪い人じゃないよね。と思ってしまう。

幸せになりたかっただけなのに・・・って言葉が切ない。

宮部さん、凄いなぁ。
他の本も再読したくなった。「理由」も好きだったんだよなぁ
本書3日くらいかけて、じっくりと読みました。
こーいう再読、最近好きなのよね~~~。

今度は「理由」をじっくりと読もう。

 

再読の機会をくれたHalさんに感謝。

 

お気に入り度

★★★★☆