ナイフを胸に抱きしめて 【八重野 統摩】

<読んだきっかけ>
最近、気になる作家さん。
本書で3冊目。

<あらすじ>
姉・和奈が高校生、妹・莉緒が小学生の頃、
父は、外に女を作って家を出た。妻と二人の娘を捨てた。
母親は、二人の娘を育てるために必死だった。
その過労がたたって亡くなった。
10年後、姉・和奈は小学校の先生になっていた。
妹・莉緒は、高校生。
そして、父が家族を捨てる原因を作った、あの女に再会するのだった。

<感想>
ひぇ~~~最初っから修羅場~~~。
心がギャっと悲鳴をあげたが、ゾクゾクする~~~(笑)
最初っから、この展開は・・・読むのを止められなくなる。
最高♪
うん、こーいう展開の小説大好き~~~。

えっと、もう少し詳しい内容を・・・
姉・和奈が担任をするクラスの子供の親に、見覚えのある顔が・・・
それは、10年前に父を奪っていったあの女・西井千賀子だった。
千賀子の娘・こずえは、和奈のクラスの子。

メインの登場人物。
和奈・莉緒の姉妹。
和奈の恋人・恭平。
姉妹が恨んでいる西井千賀子と娘のこずえ。

千賀子を恨んでいる姉妹が千賀子に再会してしまい・・・。

復讐と許し。の内容かな
レ・ミゼラブルの「銀の燭台」が出てくる。
私は知らなかったのだが、ん~なかなか興味深い話だった。
(知らない方、ググってね~~~)
道徳の時間で「銀の燭台」をやった恭平(姉の恋人)
放課後に。小坂くんという少年がやってくる。
「許せない人がいる」という小坂くん。
その話と、和奈たちの話がリンクしてて・・・考えさせられた。
復讐を復讐で返したら、、、永遠に終らないよね
じゃあ「許す」ことが必要になってくるんだけど~~~
難しい話だね。相手を「許す」って難しいことだと思う。

この恭平。私は好きになれなかった。
あなたの言動のせいで、莉緒は苦しかったんじゃないの?
中途半端なこと、するなよーー#
&恭平がこずえに対し、最後にやったことは正しいのか?
幼い心を苦しめてないのか?
『許し』は、本人発信でないとダメじゃない?と思った。
他人からあれこれ言われて納得するもんでも無いし!
でも、今回の場合 最初は千賀子だからね^^;
こずえで止めるのもアリなのかな??

と、いろいろと考えさせられた。

八重野さん「同じ星の下」「ペンギンは空を見上げる」本書と3冊読んだけど、
本書が一番好きだった。ぶっちぎりの1番で好き。
他2冊は、同じくらいかな~~~。
「同じ星~」は、違う展開だったら?と考え出したら面白いし、
「ペンギン~」は、子供達の挑戦?ぽい感じだし、
テイストが違いすぎて、比べられない^^;

お気に入り度
★★★★☆