この間、ちょっと疲れた時に、「少し元気の出る動画ないかな?」
と思って、Youtubeを眺めていたら・・
結構昔のものですが・・「リーガル・ハイ」が見つかりました。
古美門先生のふざけた感じから、法廷でのキレキレの話から、
黛先生との笑えるやり取り(「少しはマシになるだろう」)
などを見て結構楽しめました。気分も良くなり元気になりました。
その中で、ガチで考えさせられた回がありました。
医療に関する訴訟の回がありました。リーガル・ハイをすべて見ている
わけではないので、あらすじを上手に書けるわけではないのですが・・
「医療過誤」の裁判に関してで、
・訴えられた医師は「人間的にはポンコツ」
・難病治療を専門とし、権力を集め、金を集める
・医は仁術というところから全く縁遠い人
患者の遺族から訴えられ、遺族側の弁護士は「医は仁術」という観点から
見て最低の医者という。
それに対して、古美門先生は
・医は仁術ではなく科学
・医学(科学)の進歩は死屍累々の屍の上に成り立つ、このことを皆わかっているが
自分の家族や、自分に起きてきたら、「話が違う」という
・患者の遺族には「訴えるのなら現代の科学を訴えろ」
・それができないのなら、患者が死んでもすぐ次の人の治療に携わらなければ
ならないような「狂気の世界で戦い続ける者たちの邪魔をするな!」
・科学にとっては「死は希望」である
今自分がCMLになってみて思うと、古美門先生の言葉に納得せざるを
得ません。
インターフェロンαとブスルファンという抗がん剤での治療成績が
5年生存率で言うと54%対32%、その後造血幹細胞移植で
非血縁者同士で79%、そして、イマチニブ(グリベック)400㎎飲んだ
人は7年生存率で96%とCMLの治療成績は進歩しました。
5年生存率が30%~50%の時代からグリベックでほぼ100%という間で
相当多くの方がCMLでお亡くなりになっています。まさに死屍累々の屍の
上に、グリベックをはじめとした「BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤」が
開発されたわけです。私は単に時代が遅くになってCMLになっただけ。
ツイていただけです。また血液内科の先生方が「狂気の世界で戦い続けて」
くださった結果になるわけです・・
もし仮に、遺伝子変異?わからないですが・・死屍累々の屍のほうに
まわるにしても、「話が違う」と言いたくなるが、言い切れるかと言えば
言い切る自信は正直無いです。「犠牲となった」方のおかげでもあり
今度は「医学の進歩の礎」になる可能性もあるからです。
医は科学、ということであれば、「数パーセント」のリスクはありますが、、
それは甘受しなければならない?のかもしれません(嫌ですが)。
私は「医は仁術」であってほしいとは思いますが、
「科学」的でない医療は嫌です。
今日この文章を書いていたら、「医療関係者の皆さんへの御礼」
をしたくなりました。本当にいつもありがとうございます。
私は皆様に心より感謝しております。