3年4カ月ほど前に今の家に引っ越してすぐに、自治会長(以下、区長)からの勧誘と、新しい土地になじむためという思いもあり、すぐに自治会に加入することにしました。
自治会の年会費は、なんと15,600円! この金額は、自治会費としてはかなり高い部類に入るでしょうが、地域に溶け込むための投資として渋々払うことにしました。
ただ、新しい地域に溶け込むのにさほど時間はかからず、引っ越してから約半年後には、僕は地域の会計兼区長代理を任されることになりました。
会計兼区長代理をやることによって、地域の方々との親睦がより深まったのは確かなのですが、一方で会計の「闇」に気づかされることにもなったのでした。
それまでは、自治会で集めたお金は、当然ながら地域住民の親睦や営繕のためにのみ用いられると思っていたのですが、会計就任早々に区長から手渡された「各種募金・会費の年間予定額」という一枚のA4用紙には、以下の募金項目が並んでいました。
○○市姉妹都市友好協会 各区当たり 2,000円
緑の募金 1世帯当たり 50円
日赤社資募金 1世帯当たり 500円
社協一般会費 1世帯当たり 400円
赤い羽根共同募金 1世帯当たり 400円
歳末助け合い募金 1世帯当たり 100円
え? 何これ?!
(・o・)
個々任意であるはずの募金を、自治会費から取ってんの?!
その他にも、
自治会連合会費 各区当たり 2,400円
自治会連合会総会負担金 各区当たり 3,000円
○○地区公民館連合会負担金 100戸未満 3,000円
100戸以上 5,000円
○○○まつり募金 1世帯当たり 100円
各地区青少年育成協議会 4,000円
○○まつり募金 1世帯当たり 100円
○○(野球チーム名)協力会費 1世帯当たり100円
海上自衛隊協力会費 各区当たり 1,000円
○○まちづくりフェスタ 1世帯当たり 200円
慰霊祭募金 2,000円
などなどの会費や募金要請の項目がずら~り!
( ゚д゚) ハヒョー!
これって各自治会に対する強制なの?
特に赤い羽根募金なんて、全国数多の自治会から徴収したらどんだけになんねん?!
そもそも、ちゃんと使われてんの?
天下り先ちゃうの?(後で調べたら、ちゃんと天下り先でした…)
まあ、自治会関連の会費や地域おけるお祭に対する出費は良しとしようではないか!
が、しか~し、
緑の募金 1世帯当たり 50円
日赤社資募金 1世帯当たり 500円
社協一般会費 1世帯当たり 400円
赤い羽根共同募金 1世帯当たり 400円
歳末助け合い募金 1世帯当たり 100円
↑これって、どう考えてもおかしくない?
募金って、国民一人一人の主体的善意によるものでしょ?
ちゃう? (←ちゃわない!)
しかも、わが自治会では、これまで自治会費から募金が供出されていたこと、僕が全体総会で暴露するまで、だ~れも知りませんでしたから。
(・o・) 二重の驚き!
これらの自治会負担金や、なんたら協力会費や、なんたら募金やらを「お上」からの求められるままに出したら、わが地区では自治会費全体の18%を占めることになります。
これ、搾取やねんで!
僕の前の会計さんまでは、これらの要請にまじめに従い続けてきたお陰で、毎年7~8万円の赤字を出し続けていました。しかも、前の会計さんは7年の長きにわたって会計担当をしていたので、それまで積み立てていた自治会費を、その間だけで少なくとも50万円は削ってしまったことになります。
この事実、今のところわが自治会では僕と少数の人間しか知りません。区長も知らなかったという現実には驚きましたが…
そんな訳で、僕は赤い羽根などの募金類は独断ですべて停止しました。出すべきところには躊躇なく出し、締めるところは締める!という方針でやったら、初年度はそれだけで6万円弱の自治会費の黒字化を達成できました。
今年度は地区全体の防犯灯のLED化やゴミステーションの営繕などにかなりのお金を使ったので、黒字化の達成はほぼ不可能なのですが、それはそれで構わないと思っています。
地元住民から集めた自治会費は、地元住民に還元するのが当然です。それで赤字になったとしても、それはそれでぜんぜん構わないと思っています。
ただね、こうした改革路線には当然ながら役員の間から反対意見も出てきます。
役員A 「これまでずっと募金をやってきたのに、あなたの代から突然やめるなんて、それはいけないことでしょ!」
kuma-p 「でも、このまま毎年7~8万円の赤字を出し続けたら、10年も経たずに積立金が底をつくんですよ? それで構わないと思ってるんですか?」
役員A 「それは困るけど、他に方法があるんじゃない?」
kuma-p 「どんな方法があると?」
役員A 「私は会計じゃないから、それは分からないけど…」
kuma-p ( ゚д゚) ドヒャー!
役員総会でも、僕はいろんな改革案を出してきたのですが、「前例がない」との言説を振り回す旧守派に、改革案を受け入れてもらうことはついぞできませんでした。
そんなこんながありまして、僕は「お上」への上納金にも使われる自治会費を払い続けることに疑問と怒りを感じ始め、ついには会計兼区長代理を辞めるとともに、自治会を脱退することに決めたのです。
そういえば、自治会を脱退したらゴミステーションにごみを捨てられなくなると多くの人が考えているみたいだけど、それ間違ってますから!
自治会費を払っていなくてもゴミは捨てられます。
それから、自治会という組織は任意団体ですので、いつでも自由に辞められます。憲法で保障されています。
もちろん、自治会を辞めたら辞めたで何らかのデメリットがあるかもしれませんが、他に有意義にお金を使ったほうがマシと考える僕には、
メリット > デメリット
なのであります。