不妊治療の助成金について、年齢制限が検討され始めているというニュースは見ていました。
治療から離れた今でも、そういうところにはまだ敏感です。
ついつい目がいってしまいます。
いろいろ考えることはあったけれど、治療をやめた自分が、そのことを話すなんていうのは何となく許されないような気がして、ブログには書かずにいました。
今朝、小倉智昭アナが司会を務めている 『 とくダネ! 』 を見ていたら、その話題が取り上げられたんです。
特集の中に、「へー、そうなんだ」と興味を惹かれたデータも出てきていたので、番組の簡単なレポを上げながら、番組を見て私が思ったことを少しだけお話ししてみたいと思います。
病院で高度な治療を受けておられる方はもうすでにご存知のこととは思いますが、ここで改めて。
現在、不妊治療に対しての助成金が受けられる条件として
○体外受精・顕微授精の治療の費用に限る
○1年に2回・1回で15万円までが上限 (ただし初年度は3回まで)
○通算5年、10回まで受けられる
○夫婦2人の所得金額が730万円までの場合 (所得とは額面の金額ではなくて、手取りの金額)
※市や区・町など、自治体独自で助成金制度を設けている場合もありますが、条件はそれぞれ違っており、それらについてはこの条件が当てはまりません
となっており、今のところは助成金を受ける側への年齢条件はありませんが、これからは39才までと制限しようかと検討され始めています。
番組のナレーションによると、その年齢制限を設ける根拠とされたのが、39才を境にして、妊娠率がぐんと低下し、反対に流産率が高くなっていくため。
40才 ・・・ 妊娠率 7.7% 流産率 35.1%
45才 ・・・ 妊娠率 0.6% 流産率 64.6%
助成金の制度が始まったのは2004年だそうですが、その頃と比べてみると、支給件数が10倍以上に増えており、金額も大きなものになっています。
支給件数 2004年 → 1万7千件ぐらい
2011年 → 11万2642件
2011年度の支給総額が、およそ170億円。
そのうちの30.1%が、40才以上の患者という統計が出ているそうです。
高齢で妊娠・出産となると、リスクが高くなるというのも制限を設ける理由の1つ。
ちなみに、他の国では不妊治療に対しての年齢制限がどうなっているのかと言いますと。
制限なし ・・・ ポルトガル ・ フィンランド
40才 ・・・ ベルギー ・イギリス ・ デンマーク ・ オーストラリア ・ ドイツ
42才 ・・・ フランス
45才 ・・・ オランダ
50才 ・・・ ギリシャ
テレビを見て、さっと走り書きのメモを取ったので、もし国名が違っていたらごめんなさい。
不妊治療の限界というものに対して、国によってこんなにも違うのかということに驚かされますよね。
それぞれの国で、何を根拠として、こういう年齢に設定してあるのかじっくり聞いてみたい気持ちにもなります。
先週の木曜日に、有識者が会議をしたらしいのですが、お医者さんの中には、高齢出産のリスクという点で39才までと年齢制限してしまうことに異論を唱える方もいるそうで、東京にある 『 はらメディカルクリニック 』 の先生が、このようなことを話していらっしゃいました。
「昔と違って、今は(高齢妊娠・出産の)リスクが少なくなってきている」
「42才ぐらいまでだったら大丈夫」
この42才という数字。
実は、私もベビ待ち中に似たような認識を持っていたんです。
私が拝見させて頂いてきたブログさんや、ネットの散歩の途中でお邪魔したベビ待ちブログさんなどを見ていると、42才までの方なら、治療や自然妊娠で赤ちゃんが授かって無事に出産されたという話しがちょくちょく聞こえてくるんだなという印象がありました。
41才や42才までならまだまだ産める可能性がある。
実は心の中で、ずっと私はそう思ってきましたし、42才のうちになんとかして授からなくてはという気持ちがあったんです。
なので、43才の誕生日を迎えた後からは、「もう厳しくなってしまったかもしれない」と、心のどこかでずっとそんな覚悟を持って、治療を続けていました。
もちろん、これはあくまでも私個人が勝手に感じていたことですよ。
43才以上の方でも、産める方は産めるのです。
世の中には、実際にそういうお話しがありますから、それこそ個人個人のお体の状態次第だというのも、重々承知しています。
番組の中では、野田聖子議員がインタビューに答えていました。
ご自身が、40才過ぎて不妊治療をしたご経験がある野田さんであっても、年齢制限は定めるべきとおしゃっていましたね。
「 (治療を)やめるきっかけとして、年齢制限は必要 」
「 いつまでも治療を続けて、身も心もくたくたに疲れ果てた(不妊治療経験者という意味での)仲間の姿を見るのは忍びない 」
「 自分自身も(やめ時がわからず)、それでズルズルと(治療を)続けてしまい苦しんだ 」
言葉は違いますが、こんなニュアンスのことを話されていました。
出産ジャーナリストという肩書きの方のご意見は
今、実際に助成金を受けながら治療を受けている方へのフォローが必要としながらも、39才という年齢制限が、これから出産をすることになる若い方々への啓蒙となるんだとおしゃっていました。
近年になってやっと、卵子も老化しますよとマスコミが取り上げてくれるようになっていますが、私が10代、20代の頃には、卵子の老化なんていう言葉はちっとも聞いたことがありませんでした。
私はたまたま、最初の結婚の時に不妊の検査を受けていたので、年齢が上になってくると妊娠しづらいとうことを、妊活雑誌などで知っていたのですが、そうでなかったら、今治療する段になって、40代の妊娠は厳しいという現実を初めて知ることになっていたでしょう。
それを思うと、若い方々が出産適齢期を意識して人生を過ごしていけるようにすることに関しては、大事なことだと思っています。
年齢制限があることがわかれば、今のうちに治療を受けて、子供を産んでみようと考えるキャリア女性なども増えてくるかもしれない。
ジャーナリストの方のご意見も、頷ける部分はあります。
番組の中では、実際に治療をしているご夫婦が実名でインタビューを受けていらっしゃいました。
夫 42才 妻 43才
東京の両角レディースクリニックに通院中
39才から治療を始める
これまで受けた体外受精の回数が17回
この2年間でかかった治療費が530万円
県と自治体から受けた助成金の合計が115万円
治療費、1回の採卵で必ず4万円
治療の過程が進めば30万円弱、30万円を超える請求書が来ることもあり
2年間でこの治療費の金額とは驚きますが、世の中にはこれぐらいのお金を出しているご夫婦は、他にももっといらっしゃるのでしょう。
月の収入のほとんどを治療費に充てていらっしゃるそうです。
助成金の部分がもし削られてしまえば、確かに厳しいことだろうと思います。
奥様は
「 (助成金が受け取れることは)ありがたいと思っている 」
「 もし国から打ち切られてしまうのであれば、それは仕方ない 」
と話されます。
旦那様は
「 自分は本当に子供が欲しいと思っている 」
「 治療をしているからこそ、より子供を育てたいと思うようになった 」
とおっしゃいます。
これも実際お話しされた言葉と違う点はご勘弁頂いて、こんなことをお2人が話されていました。
これはあくまで私個人の意見ですが。
有識者の方々が言うことはいちいちわかるのです。
確かなるデーターが存在していることも承知している。
若い人へ出産適齢期というものがあることを知らせていくこと、これも本当に大事なことでしょう。
膨らんだ助成金の財源を確保していくことの難しさ、そういう政治の上での事情だっておありでしょう。
治療のやめ時を示すこと、これだって時には必要になるのかもしれません。
けれどさ。
治療のやめ時って、自分が決めることなのよね。
決して他人に決めてもらうことじゃないの。
だから、助成金の年齢制限が、やめるきっかけを与えることになるっていう野田さんのご意見は、私とはちと違うかもなぁと思った。
まぁ、私は知識も思慮も浅く、物も知らず。
頭もいい訳じゃないので、きちんとした意見を述べることは出来ませんが。
ちなみに、野田聖子さんのことは嫌いじゃありませんよ(汗)
子供を持ちたいと思ったお気持ちに対して、共感する部分がたくさんあるので、テレビで特集が組まれれば必ず見ますし、野田さん親子を温かく見守っていきたいとも思っています。
もちろんお金あっての治療です。
はっきり言って、そこに回せるだけのお金がなくちゃ、体外受精は出来ません。
制限が39才と決まってしまったら、もう助成金が受け取れなくなるから治療をやめようというご家庭が、幾つも出てくるかもしれません。
でも、年齢制限が出来たおかげで、治療をやめるいいきっかけになったでしょうと思われてしまうのは、少し心外かも。
お金の都合で、治療を続けたくても続けられなくなったんです、やめざるをえないんですとなった時に、やめるのにちょうど良かったんだと思って納得出来る人って、あまりいないのではないかな。
私だったら、もっと続けたかったのにっていう気持ちが出てきて、未練を残してしまう気がする。
今、治療をしている40代以上の方に対して、可能性が低いから諦めなさいというシグナルを送ることも、制限を設ける理由の1つにこっそり忍ばせておこうっていうことなら、それはなんか違う気がするな。
40才になったら、とたんに妊娠出来る人が全くゼロになるっちゅうならわかります。
それなら、そこに大金と時間を掛けるのは違うでしょう。
でもね。
現実には40才過ぎてても、産める人はいます。
確率がえらく低かろうが、可能性はゼロじゃないし、現に産んで育てている方々がいるというのが事実なのだから。
自分達もゼロじゃないところに掛けてみたい。
ご夫婦でそう思ったって、全く不思議ではないのです。
そういう気持ちを、根っこから摘み取ってしまうとするかのように、全部を否定するのだけはこれからもやめて欲しい。
40過ぎての妊活経験者として、こんなことを考えています。
インタビューを受けたご夫婦、こんなこともおっしゃってました。
「 淡々と、最後のタマゴ1つになるまで、治療を続けていこうと夫婦で決めている。 」
すごいね。
未来のことはわからないけれど、これがこのご夫婦が決めたエンドライン。
大きな決意です。
聞いてて、胸を打たれました。
健気でありながら、とても強い思いだと思いました。
このご夫婦の気持ちの強さを、心から尊敬します。
治療からリタイヤした私だから思うことがあります。
治療を続けていくことも勇気。
治療をやめることも勇気。
やろうと思うことも、諦めようと思うことも、両方に勇気が要ります。
どちらに決めるとしても、強い気持ちが必要なのです。
そして、その決意を継続していく強さももちろん必要になります。
治療を続けていくためにモチベーションを保つこと。
きっぱりと子供のことを諦めて、いつまでもそこに囚われてしまわないこと。
私で言えば、夫と血の繋がった子供を産んでみたかったという未練を、きっぱりと断ち切ること。
どの道を選んだとしても、気持ちを維持していく強さも必要だということを、つくづく感じています。
やめるのも続けるのも、自分の気持ち次第。
あくまでも、自分が決断すること、自分がどうしたいかです。
ラインは自分が決めていいのです。
他人がそこに口を挟むべきではないとさえ思うのです。
あっ、ちと熱く書いてしまいました。
相変わらず、語り口調がうざいと自分でも思うわ~(爆)
結局、私は年齢制限に賛成なのか反対なのかというと、それはここに書くべきことじゃないかなと思っています。
治療をしていない私が、当事者のような感情で書くことはやっぱり許されないかな。
賛成か反対か、私はこのブログに書くことは出来ません。
中途半端ですみません。
ただ1つ。
40才以上は子供を持つことを諦めなさい、40才になったら治療はやめなさいという風潮になるよう、世間の常識をそちらの方向へ向けさせようという雰囲気になることだけは、避けて欲しいなと思うばかりです。
この記事を読んで、治療をやめたくせになんて偉そう、と不快に思われた方がいらしたらごめんなさい。
でも、リタイヤ組だからこその考えというものもあるような気がして、PCを取り出してきました。
けっきょく、浅いことしか書けないままで記事を終えることになってしまい、お恥ずかしくもあるのですが(苦笑)
また、それは違うんじゃないっていうご意見もおありでしょうが、あくまでも一個人、一国民の戯言です。
お叱り・ご意見はご無用に願います。
※治療を終わりにすると決めましたが、自分の妊活記録を全部書き終えたと納得出来るまで、もうしばらくこのカテゴリーに居させてください。
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