6月8日(火)に、現在非常勤で勤務している小学校で、水生昆虫タガメの展示をしました。

今日、家から持ってきた2匹のタガメは、卵巣の発達したメスと昨日バナナ臭を放出していたオスをペアに選びました。

帰りに水槽の仕切りを外しオスとメスを一緒にして、明日産卵した卵が見られるかもしれないと言って帰りました。

 

 

 6月10日(木)に出勤すると、昨日タガメが卵を産んでいたという話を聞きました。たくさんの児童がタガメの水槽を見てくれていました。   虫が大嫌いな子もタガメの水槽の杭に産み付けられた卵塊(らんかい)を熱心に見ていたそうです。

 

 タガメのオスは、卵に水を掛けて育て、メスは次の産卵のために餌をたくさん食べ次の産卵に備えます。このまま水槽にメスとオスを一緒にしておくとメスがオスを餌として食べてしまうことがあります。そこで、食べられた餌用のドジョウは取り除き、水槽を掃除しオスとメスを仕切りました。そして、メスの方へ残ったドジョウを入れて帰りました。

 

 

 6月15日(火)に出勤すると、タガメの卵塊にオスが覆いかぶさっていました。そして、メスは水面に浮いて死んでいました。メスはドジョウを捕食しお腹が大きくなっていましたが、水面にはドジョウの油が浮いていました。メスが死んだ原因は、メスのお腹側の気門(呼吸をする器官)に死んだドジョウの油が張り付き窒息死したようです。幸い仕切りのお陰でオスの方には油は浮いていませんでした。

 

 子どもたちが、「先生、タガメの赤ちゃんが生まれそう」と言ってきます。水の掛かった卵の殻から中の幼虫の目が透けて見えます。子どもたちはタガメの実物を見てこんなことも観察しています。

 

 

 

 明日、タガメの幼虫が見られるかもしれないといって帰りました。6月9日(水)に産卵したので、1週間後の16日(水)が孵化予定日です。最近の温度なら約1週間で孵化します。2日後の出勤日には、タガメの幼虫がたくさん生まれているはずなので、餌のドジョウを持ってこないといけません。

 

たくさんの児童がタガメを興味をもって見てくれているのでうれしいです。でも、学校で展示するのは今年最後になります。

 

 

 

 

水生昆虫タガメのことが、もっと知りたい人は、小学生から読める

 

「タガメのすべて₋水生動物との共生を願って₋」 (トンボ出版)

 

を手に取ってご覧ください。