下の写真が、「だんじりの音が聞こえてきた」の完成した切り絵です。
〔完成した切り絵〕(A3ノビ)
〔切り絵にしたい写真〕
家の近くの道を歩いていたら、だんじりの鳴り物と掛け声が聞こえてきた。音を頼りに近づいていくと少し広い道に出た。しばらく待っていると若者がだんじりを曳いて通り過ぎて行った。このときスマホで撮った写真です。
私は、2023年4月にから、月1回切り絵作家;酒井南斉先生の「楽しい切り絵教室」に通っています。酒井先生は、デッサンではなく写真を下絵にして切り絵を制作されます。お稽古のとき切り絵の画集や先生の写した写真を基に制作した切り絵の下絵をいただいていろいろな切り絵の技法を学習しています。
自分で撮った写真をもとに切り絵の下絵を描き作品を仕上げたいと考えています。そこで、自分が切り絵用に写した写真の中から先生に選んでもらったのがこの写真です。A3よりもう少し大きいA3ノビのサイズにプリントしていただきました。
今回は写真が大きいので、100円ショップで黒の画用紙を購入し、購入してあったチャコペーパー(白いカーボン紙のようなもの)で写真を黒い画用紙に写し取ります。黒い画用紙の上にチャコペーパーを置きその上にその上に写真を置き赤ボールペンで写真をなぞります。
【写真から線を見つけて赤ボールペンで書き込む】
写真と黒い画用紙の間にチャコペーパーを挟みます。そして、写真の上から赤ボールペンでなぞると黒い画用紙に白い線が写ります。写真の輪郭線、色の違い、濃淡など線を見つけてなぞります。3枚の紙はずれないようにホッチギスとマスキングテープで留めておきます。
書き忘れがないか丁寧に確認します。
酒井先生は、できるだけたくさん線を見つけて書き込むようにと話します。後から必要ない線は省けても、後から必要な線を書き足すのは難しいからです。ホッチギスを一部残して外し、書き忘れがないか確かめます。そしてホッチギスを全部外します。
前回の特等席のカフェ猫4態」は写真の裏にカーボンの黒い線が反転して写しました。今回は写真と黒い画用紙の間に白いチャコペーパーを置いているので下絵は写真と同じ向きに転写されます。
【チャコペーパーの線は薄く、触ると消えそう】
酒井先生から、真ん中のマンションと電線は省いた方がよい、後ろの家や左後方の家や木も省いてだんじりと人だけでもよいという話もありました。そこで、マンションと電線は省くことにしました。
写真の人物、建物、背景などの輪郭線を写真から探し、赤いボールペンで書き込みます。また、人物の髪の毛、はっぴ、タイツなどの色の違いや濃淡を見つけたら線を入れます。例えば頭の黒い髪や黒いはっぴも光の当たり方で黒、グレー、白というような変化が見られます。白いタイツも白、グレー、青っぽく見える部分もあります。
黒い画用紙のチャコペーパーの白い線は薄く、触ると消えそうな線でした。切り絵教室で先輩に聞くと、白いボールペンでチャコペーパーの線の上をなぞったらいいと教えていいただいたので、PILOT Juice 白を購入してなぞりました。下の写真を見ていただくとチャコペーパーの線と白いボールペンの線の違いがお分かりいただけると思います。
〔白いチャコペーパーの線を白のボールペンでなぞっている途中〕
〔黒い画用紙に転写された下絵の完成〕※一部金色のボールペンでなぞる
【白い線を残し周りを切り取り、切り絵の原画を完成させる】
酒井先生から、切り絵の展覧会に行ったとき、会のベテランの方に先生が「もう少し黒を残すように」とアドバイスを受けていたという話があった。 最近、私たちの教室でも例えば花の切り絵の場合、原画は輪郭線や色の濃淡の違いを線で表しているが、色紙を貼った後輪郭線は残すが、濃淡の境界線を後で切り取り剥がしてしまうことが多い。色の濃淡の違いの境界線は絵を暗くしてしまう。
版画では白黒を7対3、6対4など白黒のバランスを考えて彫る。中国の剪紙は白黒の2色(黒の部分は赤になることもある)だが、最近の切り絵は色をつけ多彩である。あまり色が多いと落ち着かない。黒を残すことで引き締めたり、落ち着かせる効果があるのだと思う。今回黒のはっぴや地面のアスファルト、だんじりの車輪の黒いところは残すようにして切り取っていった。人が重なっている部分は、顔や足などつながりを意識して再度チャコペーパーで絵を転写して線の付け加えもしながら切り抜いていった。(写真と黒い画用紙は原画が完成するまでホッチギスとマスキングテープで固定してあった。)

〔切り抜いている途中:黒のはっぴの残す部分、のぼりの文字、左奥の樹木〕
【切り取ったところに色紙を貼り、切り絵に色をつける】
色紙、広告紙、新聞紙、色の和紙を切り絵の裏側から貼ります。気に入った色がない場合は、和紙に絵の具や顔料を筆やブラシ等を使い自分で気に入った紙を作ります。今回は、新聞紙、広告の紙を取りため、あとは色紙を使いました。
貼りたい色紙を切り絵に重ね、下から光を当てて輪郭線を鉛筆で縁どりします。縁取りに沿ってカッターナイフで切り、ボンドで貼り付けます。木工用ボンドを爪楊枝の先につけ切り絵の裏側につけます。紙をピンセットで挟んで置き手で押さえて接着させます。
①切り絵は全体が黒っぽくなりがちなので、のぼりなどは実際より明るい色を使うようにした。
②のぼりの中の文字の部分は、別に制作し貼り付けた。
③頭の髪の毛、はっぴ、タイツなど色の変化をつけて立体感を出すのですが、3段階前後の色を決め白っぽく見えるところを先に貼り、後は色の変化をつけた紙を適当に貼りました。
④人のはっぴやタイツは色紙を貼った後、輪郭線は残し色の変化の境界線はカッターで取り除いた。
④だんじりは水平方向と垂直方向を意識し、同じ色やかたまりを意識して色紙を貼っていった。あまり細かい線や不要と思われる線は削除した。
⑤左奥の樹木の葉は細かいので色の塊りを意識して輪郭線に沿って切り、新聞や広告の樹木や芝生などからよく似た色を探し貼り付けた。
「だんじりの音が聞こえてきた」 約3か月で完成です。
【青い色について】
元の写真を見るとタイツの白が青くなっているところがあります。そこで、青っぽい色の紙を貼って濃淡を付けました。後日先生の個展を見に行ったとき青色の話をされました。その後、娘が青色の話をプレバトの水彩画でみたというのでネットで調べてみると、
≪プレバト水彩画 野村重存先生 青色の効果≫
〇画面に深みと奥行きをもたらす
〇清涼感や爽やかさの演出
〇青色を背景や周囲に配置することで、補色関係にある暖色の被写体(オレンジ、黄、茶)を際立たせる効果がある
〇光の当たらない部分や影の部分に青色系の色を薄く重ねると自然な陰影を表現
絵の世界って奥が深いなと思いました。











































