書く姿勢・持ち方チャンネルを開設しました。

 

 

 

「正しい鉛筆の持ち方ができるクジャク法」(アットワークス 2011)を出版し、朝日新聞に取り上げていただきました。

 

その後、テレビ局から、「正しい鉛筆の持ち方の人は字が上手という事例をお持ちですか」という電話が入りました。私は、「そのような事例は持ち合わせていません。」と答えました。その後、電話はかかってきませんでした。

 

正しい鉛筆の持ち方の人は、字が上手で(書写力にすぐれ)、正しく持っていない人は、字が下手(書写力が劣る)とは、簡単には言えません。正しい鉛筆の持ち方ではないけれど、字の上手な人を何人も知っています。

 

ある大学で、鉛筆の持ち方を写真に撮り、持ち方の診断法をレクチャーした後、1人1人持ち方の写真を見てみんなで持ち方を診断しました。講義の最後にアンケートを書いてもらいました。

 

Mさんは、数少ないA型:正しい持ち方でした。「A型:正しい持ち方だったのでうれしかったです。でも、私はあまり字が上手ではありません。どうしてでしょう。」という内容でした。

 

正しい姿勢・持ち方ができたら、読みやすく整った文字を書くスタート地点に立ったということです。筆使い、筆順、字形、配列、配置(字配り)を学習しましょう。鉛筆を思い通りに動かせ、リズムよく書けるので上達も早いでしょう。

 

 

私は書写の授業をしているとき、良くない姿勢で書いている児童が多いことに気づきました。そこで、姿勢の指導をしました。可動式の机・イスだったので、体にあった高さになるように調整しました。はじめは正しい姿勢をしているのですが、書き始めると直ぐに姿勢が悪くなりました。

 

鉛筆の先が見えない持ち方をしている児童が多く、鉛筆の先が見えるように横から覗くために姿勢がよくない児童が多かったのです。この場合、姿勢を直しても、持ち方を直さないと書く姿勢は良くなりません。

 

文字を書くとき、左右の目で鉛筆の先を見て文字を書きます。正しい姿勢だと鉛筆の先が見えない持ち方をしている場合、見る工夫をします。鉛筆の先が見える位置に顔を動かし横から覗くような姿勢になり、姿勢が崩れるのです。

 

 

B型:とんがり持ちは、人差し指より親指を前に突き出すので、鉛筆の先が見えにくいです。

 

C型:くしだんご持ちは、丸いだんごの持ち方の人は鉛筆の先が見えるのですが、だんごがつぶれた持ち方の人は、鉛筆の先が見えなくなります。

 

E型:にぎり持ちは、親指で鉛筆の先が見えにくいです。しかし、鉛筆の上の端を右側に倒して鉛筆の先が見える工夫をしている場合もあります。

 

F型:かくれんぼ持ちは、親指で鉛筆の先が見えない場合が多いです。

 

持ち方ではないのですが、D型:下すぎ持ちは、鉛筆の先が見えにくいです。

 

 

人間は困ったときはいろいろな工夫をします。鉛筆の先が見えないと、

 

〇 横から覗く

〇 鉛筆を右(左利きの場合は左)に倒す

〇 手首をL字に曲げる

〇 書く位置を離す(通常の書く位置より右にずらす)

 

この工夫により、姿勢が悪くなったり、さらに書きにくい状態になったりします。今回は、

正しい鉛筆の持ち方でないと、鉛筆の先が見えるようにするために横から覗いたり、目を近づけて書くので姿勢が崩れる という話をしました。

 

 

もっと詳しく知りたい人は、

鉛筆の持ち方指導のバイブル

「書く姿勢・持ち方を甘く見てはいけない 診断して直しませんか」(風詠社)