目が合ったモノたち
「来週、早めにカラー原稿だけ先にください!」
ひざ曲がらない芸人似、N編集者からの連絡。
いつもものすごく気を使って、申し訳なさそうに言うので、
毎回 『なにか悲しいお知らせかい?』って
ドキドキしますが、良かった・・・今回もただの業務連絡でした
今日はいつも使っているカラーインクを紹介します。
Dr.ph.Martins
ドクターマーチンといいます。
大好きなんです、このインク。
水性のカラーインクで発色がよく、
重ね塗りもきれいに出来るすぐれものです。
何度も何度もいろんなインクを試しましたが、
長年かけてこのインクにたどり着きました。
画材屋で1本づつ売っているので、好きな色を1本だけ
買ってみるのも楽しいですネ。
たくさんインクを買っても使う色っていつも同じでなので、
しっくりくる色って早めになくなります。
アイスピンク。
インディアンイエロー。
コーヒーブラウン。
名前に惹かれて買う色もあり。
カラー原稿の人物の線だけは、この耐水性で描きます。
その場合は、holbein(ホルベイン)
なぜ人物の線だけ耐水性かというと、
その線にそって髪の色、肌の色、服の色と塗っていくので、
水性のドクターマーチンだとにじんでくるんですね。
なのでこのホルベインで描くと、どんなに水分を含ませても
線はビクともしないできれいに残るので
線はすべてホルベインです。
今一番気に行って使っている筆です。
カラーは筆で塗りますヨ。
筆はどんどん摩耗していくので、よく買い換えます。
長い間信頼して使っていたのは、イタチの日本画用の筆。
洋画用の筆よりも日本画用の筆のほうが繊細で
細かい線も引けたり、塗れたりでずっと使っていました。
最近では、上のようにイラスト専用的な筆が誕生しています。
使ってみたら筆先の崩れが起こらず、快適でした。
日本画用の筆はさすがに気難しくて、
ちゃんと筆の手入れをしていないと
画伯に怒られる!・・・そんな感じも好きですが。
世の中にモノが溢れすぎているけど、
自分と呼吸があって、しっくりするものって
ちゃんと”目”が合うんですね。