そして誰もいなくなる
帰宅ラッシュのこと。
隣に座っていた女性がいきなり
ソワソワし始めました。
ドアのほうを何度も見ては・・・を繰り返していて
何だろうと思ったら急に電車から降りました。
間違った電車に乗ったのかなと思ったら
そのまた隣に座っていた男性もいきなり立ち上がり
車両の隅に行きました。
その二人が居なくなったあと
見えたのは3席先に座っているおじいさん。
今度はそのおじいさんの右隣に座っていた人が
立ち上がり席を離れました。
帰宅時で混んでいるのにおじいさんの両隣には
誰もいません。
でも次々と乗って来て
今度は女性二人組がわたしとおじいさんの間に座りました。
なんとなく
『良かった』と思ったら
ヒソヒソ話した後
急に立ち上がり隣の車両に
逃げるように行ってしまいました。
こりゃなにかあるな・・・。
と思うけど
おじいさんが座っているだけ。
よく見るとおじいさんマスクはしていませんでした。
う~ん
それでもあんなに次々と席を立ったり
車両まで移動するとは思えない。
それもみんな座ってしばらくすると
直ぐに立って離れて行くのです。
3席離れている自分にはなにもわからず。
チラ見をするとおじいさん
鼻をほじっていました。
う~ん・・・
それでも6人ほどの人達が
次々と座っては去る状態だったので
もしかして臭い?
なんとなく切なくなりました。
もしかしてこれから年老いて行った先に
こうして若い人達に嫌がられて
遠ざけられることも
あるかもしれないと思うと・・・
なんだかね
自分でも気が付かないなにかを
背負って生きて行くことの大変さを
垣間見たような気がして。
ヨチヨチ歩きのおじいさんは同じ駅で降りました。
すぐにトイレに入って行きました。
家に帰って
ゆっくりお風呂に入れる環境だったら
いいのだけれど