脳裏に焼き付いたネコの顔

「あっ！

今日は子ネコがいる！！」

時々通るあまり人気のない場所の道路には

いつも野良ニャンが何匹か道端にいます。

そこはお日様が当たる温かな所

車で通るたびに気になって見ていました。

この日

道端に２匹見えました。

以前一度猫用のおやつをあげに行った時

そこで見た初めての光景

『動物を捨てたり虐待することは違法です』

誰かが作った看板が３か所くらいに

貼られていました。

お水が置いてあったので

誰かがあげているのでしょうね。

この日

ニャンズ用に買ったにぼしがあったので

それを持って行きました。

３匹が近寄って来て

その中に先ほど見かけた「子猫」と思っていた

ネコがいて

その子はオトナのネコで事故に遭ったのか

怪我をしていて毛も抜けてやせ細っていました。

顔の大きさと身体のそれが合わないくらい

痩せて小さくなっていて

それで遠目から見て「子猫」と

思ったのだと側に行ってよくわかりました。

にぼしをあげると側に寄って来て

他の子はバクバクと食べるのですが

その怪我をした子は２匹ほど口にすると

ジっとわたしの顔を見ていました。

その顔が忘れられません。

なにかを言いたそうで

伝えているのか

わたしに何かを聞きたいのか

静かにわたしを見ていた顔は

とっても温かかったのです。

以前どこかで会ったことがあるような感情が

湧き上がってきました。

ほとんど食べることも無く

その子だけまた同じ日の当たる場所へ行って

座りました。

痩せすぎているから

本当はお腹が空いているのだと思うけど

あまり食べず

食べられないのかもしれません。

猫たちは人に慣れている様子なので

定期的にご飯をあげている方がいるようです。

怪我をした子は仲間たちと一緒に

暮らせているようでした。

多分

そこには１０匹以上の野良ニャン達がいるみたいです。

あの看板

きっと捨てて行く人がいるのでしょうね・・・。

野良ニャンにごはんをあげる時

近くに看板があるとドキっとしますが

「捨てないで」という看板に出会うのは初めてでした。

そう・・・

いつも野良ニャンにおやつなどをあげる時は

ドキドキしています。

誰かに怒鳴られやしないか

怒りに来る人がいるんじゃないか・・・と。

残りご飯がないように

容器なども必要ないようにしているけれど

いつもここの議論は絶えませんね。

どうしても隔たりはぬぐえない。

来週又あの場所を通ります。

その時にまた会えるかな。

仲間がきっと温めてあげていると思っていますが。

それでも

あの時ジっと私の顔を見ていたあの子の顔が

忘れられません。

それは不思議で

初めて味わう感情です