東京を去る日のこと | くじらいいく子 オフィシャルブログ 「クジラのキモチ」 Powered by Ameba

東京を去る日のこと

父は新宿生まれ

母は上野生まれ

 

それぞれの祖父母は新宿と柴又に居て

 

わたしは新宿で生まれて

新宿の学校に通って

ずっと東京で育ちました。

 

 

 

 

 

漫画の原稿を出版社に持ち込みに行った時に

「東京出身の人って少ないんだよね」

と言われました。

 

 

地方で漫画を描いて

東京に持ち込む人が多いのだそうです。

 

 

 

 

10代の頃原稿を持ち込んでいた

大手の出版社が夏休みに行った「まんが教室」への

参加は30人

 

他の人達は遠方から来て

宿泊費をもらって参加していました。

 

 

 

その中で宿泊費がなかったのは

わたしひとりでした。

 

 

 

 

 

東京にいても便利だとか

環境が良いと思ったことはなく

なんでもあるような街が

ものすごく輝いているとも感じませんでした。

 

 

 

普通に生まれて

普通に育った街というくらいで。

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも30代前半でいよいよ東京を離れるとなると

『本当にここから出ていいの?』なんて

不思議なことにそんな問いかけが自分自身に

湧き上がりました。

 

 

 

 

 

身近だったのに行かなかった風情のある下町を

歩けるだけ歩いて回って

そんなことを何週間かして

東京を後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初はアウエイだと思った海辺の町も

今では帰ってくるとホっとします。

 

 

 

人生で一番長く暮らす場所に

そろそろなりそうです。

 

 

 

 

 

東京って不思議と「ふるさと」という感じにはならず

なんだかライバル心のある

親友みたいな存在の街です。

 

 

 

 

あの時喧嘩したね。

 

 

あそこで泣いたね。

 

 

そっちで競い合ったね。

 

 

 

 

幼馴染のライバルの親友みたいな街。

 

 

 

 

 

 

この社会情勢で東京が突出して

悪者になっているような気がすると

 

ニュースから流れる東京の街並みを見て

喧嘩した酸いも甘いも知っている悪友に向けて

『ガンバレ!!』って心のどこかで言っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり生まれたところって

アンチを装っても

 

ずっと心の中に

こっそり残るんですね照れ