”トラ”という名の猫のこと | くじらいいく子 オフィシャルブログ 「クジラのキモチ」 Powered by Ameba

”トラ”という名の猫のこと

今日もご訪問ありがとうございます。

 

初夏を感じさせる日です晴れ

 

 

 

チューリップオレンジ

 

 

 

なぜか急に子供の頃に出会った

「トラ」という名の猫のことを思い出しました。

 

 

 

冬の寒い日

ある日突然我が家にやって来た

野良でトラ柄の猫。

 

 

 

煮干しをあげたら家の中にそぉ~っと

入って来たので少しそのままにしておきました。

 

 

しばらくして焼き焦げた臭いがして見ると

電気ストーブの前に座っていて

横腹が焦げ始めていました。

 

 

プウ~ンと焦げた臭いとほのかな煙。

 

 

 

あわててトラをどかしてみると

お腹は焦げて毛が無くなっていました。

 

 

 

 

でも本人は全く平気な顔をしていて

また翌日も来ました。

 

 

そしてまた同じように電気ストーブの前に座り

焦げていました。

 

 

『熱くないのかなぁ…』

 

 

子供心に心配でしたが

どかしてもどかしても同じ場所に座るので

トラの横腹の毛はもう生えて来なくなって

丸く地肌が見えてしまいました。

 

 

 

 

友達が出来て

「病気の猫」と言われ

家には遊びに来てくれなくなったけど

トラは毎日来ました。

 

 

 

夜になると我が家にやってきて

ストーブの前で焦げながら居眠りをする

 

そんな冬を3.4年続けたある日

トラは春の訪れとともに姿を消しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーブも片付けて

夏の香りがし始めた頃

縁側に座っているトラを見つけました。

 

 

空を見上げているトラの横腹には

新しい毛が生えて来ていました。

 

 

その毛は汚れた色ではなくて

綺麗なフワフワとした新しくて薄い

トラ柄の綿毛でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「世界は元には戻らない」

 

 

先日WHOテドロス事務局長が発言していました。

 

 

 

 

 

 

 

一度だけ綺麗な毛並みになって戻って来たトラは

わたしに頭を撫ぜられながら

またゆっくりとどこかへ出かけて行きました。

 

 

 

 

 

それがトラと会った最後でしたが

あの美しくて新しい毛並みが

今でも忘れらないでいます。

 

 

 

 

「治って 再び生き替わる」

 

 

 

 

同じ毛は生えては来ないけど

トラ柄は他の場所よりは薄い色になっていたけど

 

トラは「治って 再び生き替わる」を

見せてくれました。

 

 

 

 

 

多分それからまだ子供だったけれど

形のない未来を感じることが

出来たのだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

「世界は元には戻らない」

 

 

 

 

 

 

 

同じ毛は生えては来なかったけれど

それでも新しい毛が生えて来る

トラが教えてくれたちょっとしたこと

今頃なぜか思い出したのです照れ