ソーシャルワーカーがパーカーを着ている理由ー2
医療ソーシャルワーカーの主人公
タンバリンがこの世に生まれる時
どんな服装で仕事をしてもらおうか
悩みました。
当時初めて取材でお会いしたSWの方が
白衣を着ていたので
世の中の医療ソーシャルワーカーは
皆白衣なのかと・・・。
でもそこは漫画
エンターテイメントがとても必要なので
一番ありえない服装はなんだ?
と考えたところそれが
「パーカーを着ているソーシャルワーカー」でした。
「パーカーのキモチ」 (←以前書いた記事)
背中には大きくありえないほど
「MSW」の文字を入れました。
「CIA」みたいに背中に文字が入っていて
仕事をしている人ってカッコいいなと思って
バーンと入れました。
実際に着たらこんな感じになります。
目立ちますねぇ~。
ま 色はともかくとして
病院の中でこれを着ている人を見かけたら
「おや?!」と思うかもしれませんね。
しかも病院のどこか目立つところに
「MSWは医療ソーシャルワーカーのことです」
そう書かれていたら認知されやすいですね。
でもこれは漫画としてキャラが立つようにと
考案したものだけではないんです。
病院の中で
「なぜMSWは白衣を着ているのか」
それがずっと不思議でした。
いくら
「私は病院と患者さんの間に居る人です」と
SWに言われても
『いやいや
白衣を着ていたら
それはやっぱり病院側に味方をする人じゃないの』
そう思ってしまいます。
それだけ「白衣」が非日常である一般人には
強烈な制服なんです。
(「白衣高血圧」という言葉もあるように・・・)
おーいたの大将(MSW)が
「昔はまだまだ認知度が低くて
やっと白衣を病院からもらえるようになったこと」
今までの闘いの歴史を語ってくれました。
昔はカルテを見ていると同じ病院の人から
「なんでカルテを見ているんですか?!」と
怒られたこともあるそうです。
だけど「白衣」を着られるようになってから
改善されたこと
納得の言葉でした。
それを聞いて更に思ったのは
MSWは次のステージに
向かっているのではないかなということ。
病院側から与えられた
「白衣」という鎧を着なくても
病院の中で堂々と
「病院と患者(その家族)の間にいてくれる人」
そう認知される時代に入って来ても
よい頃ではないのかなと。
退院した後が心配・・・
転院先が見つからない・・・
お金のこと・・・
看取りのこと・・・
IDは付けていても
自分たちと同じような服装をしていて
耳を傾けてくれる人に
心を開いて相談したい。
わたしがずっと医療ソーシャルワーカーの制服に
こだわっている訳はここのところです。
多分大事なことは
『自分たちは外からどう見えるのか』を
想像してもらうことなのかなと。
知識も経験も志もあっても
病院の中ですれ違った時に
その人の中身までは見えなくて
わたしたちは
目から入る情報だけが頼りになること。
優秀なSWがいても
外からは一体誰なのかわからないこと。
もっともっとわたしたちの身近になってほしいと
願うキモチが
作品の中ではパーカーという形になりました。
「トークセッション」では
既に薄いラベンダー色のポロシャツを制服にされている
SWの方もいて
直ぐにその姿が頭に浮かび
とっても感じが良いなぁ~と思いました。
それもその病院の中での
SW達の実績の結果なのですね。
作業療法士の方が
リハビリの仕事で白衣を着ていたけど
その後病院を辞めて現在違う場所でのリハビリの仕事で
「パーカーを着ている」と聞きました。
パーカーが一番しっくりいくそうです。
お話を聞きながら
リハビリを受ける人達も
とても柔らかなキモチになるのではないかなぁ~と
嬉しくなりながら聞かせていただきました。
しかもTさん
パーカー絶対似合いますよねっ
つづく