「春が来た」
向田邦子作品が大好きで、
毎年お正月になると、
ドラマ化された番組を楽しみにしていました。
探してみたらDVDでありました。
「春が来た」
何本もドラマ化された短編集の中で特に好きです。
桃井かおりさん演じる結婚にあこがれる女性は、
恋人に家族のことを質問されて
”良い所のお嬢さん”を演じてしまう。
失業中の父親を広告会社を経営しているとか、
穴の開いた靴下を履いて、
お化粧もしていない母親も美化して言ってしまう。
ボロボロの借家も、持ち家だと嘘をつく。
これから恋人になりそうな彼は興味津々。
その恋人を演じるのは松田優作さん。
今見ても魅惑のある俳優さんですね~。
すごいオーラです。
物語はその後、
彼女の家に偶然行くことになり、
玄関ドアは開けると外れ、
家の屋根には洗濯物が落ちていて、
家の中は貧しくて暗い。
話とは真逆の家でした。
それでも、この松田優作さんがこの家を訪れるたびに
家族は元気になり、
母もお化粧をするようになり、
家の中は見違えたように息を吹き返す。
恋人の出現はまさに「春」そのもの。
タクシーで送られた時に家まで行くと言った恋人に
「ここでいい」と言って、
素敵な家の前で降ろしてもらうシーンに、
『あ~、わかる~』
思わずうなずきました(*v.v)。
昔の作品をもう一度観ると、
その時の自分はどうだったっけ、
なんて思い返すことが多くて、
「作品+思い出」の盛りだくさんのキモチで
観ることが出来て、心地良いです。
この後さらに
「向田邦子作品」を観て行こうと思います。
秋の鑑賞会は向田ワールド。
さて次は
「男どき女どき」かなぁ、
なににしよう~:*:・( ̄∀ ̄)・:*: