ぼくを探しに
この絵本をご存知でしょうか。
もう20以上前にこの絵本に出会った時、
なぜか涙がポロリと流れました。
まだ可能性をたくさん秘めた
20代の終わりくらいだったでしょうか、
自分がまだ出来ていなくて、
でもこの先どうしていいのか答えは見つからず、
絵本のページをめくっていっては、
結末にたどり着きたくなくて、
また最初から何度も読み返しました。
答えを知りたいのに、
答えに出会いたくない年頃のことでした。
つい最近、
ヨガの先生が動きを始める前にこの本を紹介しました。
心の中で『あーっ!!!』と叫ぶ。
サントーシャというヨガ用語の
「足ることを知る」
このことをいつも冒頭に話してくれます。
先生はいつも
「今の自分に感謝すること」を伝えます。
な~る程、先生も大好きだったんだわ、
あの絵本。
だからなのか、わたしはこの先生が大好きで、
他に沢山のインストラクターがいるのに、
いつもこの先生のクラスだけ行きたくて、
行って帰ってくると幸せなキモチになっています。
「ぼくを探しに」を、過去にプレゼントした方がいました。
この本をあげたくなる人は、
多分自分と感性が同じ人だと勝手に思っています。
差し上げた方は目の前でページをめくりながら、
鼓動が聞こえました。
ジワジワと身体中に染み込んでいっているのが
わかります。
読み終えたその顔は静かに太陽に当たっているような
なんとも言えない答えを見つけた表情をしていました。
『やっぱりあげて良かった!』
想像以上の読後の表情にそう思いました。
なかなかこの本をプレゼントしたくなるような人は、
そう多くはいません。
感性が近くて、
その感性を裏切らない人。
その人は現在、
日本テレビで福本伸行氏原作のドラマ
「ゼロ一攫千金ゲーム」の脚本を書かれています。
未だに「ぼくを探して」いるかもしれない。
もう答えは見つかったかもしれない。
いつもそんなふうに思わせてくれる、
面白い方です。
絵本の思い出は、
いつも人との思い出に繋がっているのが
面白いです。