優しい嘘 | くじらいいく子 オフィシャルブログ 「クジラのキモチ」 Powered by Ameba

優しい嘘

多分、病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)が、


嘘をついてくれたのだと思う。





1か月前、母の退院支援の面接で、


病院のMSWが伝えてくれたメッセージ。


「退院してから本当に”なにもしない”を選択されたご家族は、


いません」



それを聞いて、そうか・・・良かった、と


胸をなで下ろしたのでした。




その前に主治医からいくつかの選択を出されて、


その答えを迫られたとき、


”なにもしない”


という項目に私はかなりのショックを受けていて、


MSWとの面接でそのことにこだわって話していたと思う。




その時、介護ホームの職員が沢山駆けつけてくれて、


大勢の面接になり、


元からホームに戻したいという私の願いを受け取って、


MSWがついてくれた嘘は優しい嘘だった。





母がホームに戻って1か月。


ホームのナースが本当のことを話してくれました。


「その病院からここへ戻ってこられた方で


本当に”何もしない”そういう方は、いましたよ」



それは生前の本人の意思だったそうです。


家族もその意志を尊重して、なにもしなかったそうです。




「命の線引き」について、ここ1か月ずっと疑問に思っていて、


そのことをナースに相談した時に


話してくれました。







あの時、


MSWがついた嘘は優しい嘘でした。



だって、その言葉に支えられながら退院を目指せたので。





このことの議論は沢山あるだろうけど、


自分で答えを出した後に、


MSWにエールを送ってもらえて、


看取りの場所に向かうことが出来たのですから。








『あなたの決断は良かった!』







あのMSWの嘘は、



エールだったのだと、



今頃になって気づきました。