ドラマと漫画
■無題
そう言うオファーが来ると、原作者の意向というのは、どのくらい反映されるものですか?くじらいさんは何か、注文とかお願いをしたのでしょうか?
いつかブログの記事に書こうかな、な~んて思っているテーマを
いつも質問していただいてありがとうございます!
いつか、いつか、と思いながら忘れたりしているもので(笑)。
漫画がドラマや映画になる時、原作者である漫画家と映像制作との間で
どのようなことが起こっているのか。
きっといろんなケースがあるので断言は出来ないのですが、
わたしが経験したことを書きますね。
まず出版社に企画書が持ちこまれます。
それを間に入った出版社が漫画家の所に持って来て、
検討します。
おおまかな内容が書いてあり、配役も同時に書いてあります。
ドラマの場合はほとんどが実現する企画書に書いてある配役で行くのですが、
映画の場合はまず原作者のOKが出てから実際に配役を決めるので
企画書に書いてある配役と変わることもあるのです。
ここで漫画家がNOといえば映像化は無くなります。
それと漫画家よりも編集部がNOという場合があります。
それはタイトルを変えられること、内容があまりにも原作と違うこと、
などで協議になります。
(だいたいここの原作のタイトルを変えたいという企画が持ち込まれた場合、
フザケンナ!的な感じになって、編集部がヘソを曲げます)
漫画家があの俳優さんがいい!というのは制作者側は、
うんうん、と聞いてくれますが、実際に事務所にオファーをするのは
制作側なので、スケジュールが合いませんでした。と言われてしまう場合も
あるんですよね。
それとこの俳優さんがいいけれど、そうするとこの人は使えないとか、
共演がNGな俳優さんがいるので、なかなかすべて思い通りになることは
少ないです。
そのスタッフによって脚本を読んでチェックしてほしいというのもあれば、
まったく原作者は蚊帳の外で、出来たものを見て
「へええ~」ということもあります。
わたしの場合はきっとものすごく恵まれていたのだと思いますが、
制作側と何度もお会い出来る機会があったり、
脚本家の方と直接お会いしてこの作品に対する自分のキモチを
話せたり出来ました。
それはとっても嬉しかったです。
制作側は普通は、原作者と脚本家を会わせないそうです。
お互いクリエーターなのでぶつかってしまうからなんですね。
ここでぶつかるとドラマはおじゃんになってしまうので、
プロデューサーは慎重になるわけですね。
「原作者なんだから、意見が通るのはあたりまえでしょ」
とよく言われますが、OKを出した後は、
基本的に口は出さない。
これが大事なんだと思います。
漫画家は紙の上で世界を作り、
それを元にして映像化する人は、
そこに出来る限りの力を出して作りだしてくれるわけで、
そこを愉しむ、それがイチバンなのだと思うのです。
出来上がった映像を観る時、自分の作品でもあり、
でも自分のものじゃない、なんだかそんなキモチで観ているんですよね。
なんだか不思議な感じです。
よく原作者が映像化されたものを観て怒っている、
というのがありますが、
あえだけ大変な作業をして、どうでもいいつまらないものでも
作っちゃおう、なんていうスタッフはいないと思うのです。
だから、物作りをする人に対していつも尊敬をして向き合いたいと
思うのです。
う~ん、こうやって書いていたら本当に出会った人達に
恵まれていたことに気が付きました(=⌒▽⌒=)
おおっ、こんなに長くなっちゃいました~