かわいいバスがやってきた、静かな朝の三雲駅

草津線の踏切を渡る

立派な道標と案内板

お休み処の奥には天井川のトンネル

トンネルのすぐ上に立つ、みごとな弘法杉。大師様が祀られた小堂がある。

往時はこの堤を上って、下りて、と大変だったらしい。

弘法杉の説明がすごい。大師様が食事をされて、箸を地面に刺したらそれが根付いたって・・・

奥には三雲城蹟と八丈岩がよく見える。

道端にぽつんと一里塚の案内。

その向かいに愛宕岩。

診療所の前に一里塚の説明板があった。

二本目の天井川トンネル。由良谷川隧道

針の公民館も休憩所になっている。

三本目のトンネルは、河川改修で無くなり、普通の川に。扁額だけ残されていた。

陣屋跡を見る。長屋門は市内のレストランに移築されたというがどこだろう。

(

これなんて読むの???上葦穂神社(かしほじんじゃ)だそうだ。

石部宿の案内板を見て、おおっ!

京三条大橋まで39.2㎞。もうそんなところまで来ましたか。あと二日行程ですね。

由緒ありそうな、吉姫神社

飛び出し坊や とび太くんがたくさん。

高札場跡には説明板が多数。

本陣跡は見るからに空き家。

相変らず飲食店はおろか、商店さえもない街道を歩き疲れ、やっと出会った田楽茶屋。


味噌田楽
芋つぶし

一里塚跡は民家の庭先にポツン。

ここから上道と下道に分かれていたそうだが、下道をゆく。ガードは国道一号線。

手前の畑では梅が満開。草津線の向こうに近江富士。

伊勢落という地名を通過。

地名が六地蔵。その由来になった六地蔵のうちの一体だそう。地蔵堂に安置された地蔵菩薩。

きれいに整地されて歩くのが申し訳ないほどの境内。

出てきてふと見て、国宝だったのか。実際は重要文化財指定だそうだが。

「ぜざい」と呼ばれる薬の本家、和中散本舗

 

六地蔵の一里塚跡

肩かえの松と言われる松の木。旅人がここでひと休み、荷物を担ぐ肩をかえ、担ぎなおしたという。

手原稲荷神社の奥にある里中大明神。

さらにその奥にはD51が保存されていた。きれいに磨かれている。有志の保存会があるらしい。

歩いて歩いて、金勝川の堤に到着。小休止しよう。

ひょうたんが飾られた目川地内。

目川の一里塚跡

田楽発祥の地

目の前を東海道新幹線が通っていく。京都まであと何分?

河川改修により役割を終えた堤沿いを歩く。

国道一号線を渡る。かつてはトンネルが川の下をくぐっていたそうだ。扁額だけが名残を伝える。

国道一号線を渡ります。

かつての川床はスポーツ広場。川を渡っていた橋も残っているが使われていない。

マンホールにデザインされた、追分道標。ここが今日のゴール。

そして到着。すぐ脇はやはり川をくぐるトンネル。

東海道と中山道の合流地点。追分道標

草津宿の中心街

本陣を見学

きれいに保存されています。

草津駅にゴール。

駅前の風景は、ちょっと残念。

 

 東海道16日目。夜はさほど気温が低くならずありがたかった。竜王の道の駅から、途中で朝食をとって昨日の終了地点、三雲駅へ。駅の南口に回ると民家の前の空き地が月極駐車場兼日貸しの駐車場。封筒にナンバーを書いて投函して置くタイプ。ちょうどオーナーらしき人がポストの中身を回収に来ていたので渡す。一日300円。やっと日が当たり始めた駅に送迎車やバスがやってくる。黄色い縞々のローカルコミュニティバスは顔もリアルでなかなかカワイイ?トラなのか、ネコなのか。8時スタート。あまり街道っぽくはない、普通の田舎道を歩いていくと、草津線の踏切。ちょうど上り列車がやってきた。そして間もなく三雲駅で交換した下り列車も通過。単線だから駅にはたいてい上下線が同時に到着し入れ替わる。踏切を渡ると道標と周辺の案内板。周辺には史跡や古刹も多い。秋に訪れた湖南三山はまさにこのあたり。進んでいくとおもてなし処という休憩所があり周辺の史跡のパンフなども置かれている。そのすぐ先には石造りのトンネル。大沙川隧道だ。天井川となっている大沙川の下に街道を通すため明治期に作られた近代土木の遺跡だそうで。その昔は川を渡るために堤を登って、渡って、下りて、を繰り返したそうで、いやいや、頭の上を川が流れていく、天井川とはいったい・・・すぐ上には巨木が立っている。トンネルをくぐると登り口があったので杉の木の下まで行ってみる。弘法杉。よくある弘法大師伝説のひとつ、樹齢750年の杉は、弘法大師が飯を食ったときに使った箸が根付いたものだという。それはすごい・・・木の根元には小堂がしつらえてあり、大師像が安置されていた。座布団や木魚などもきれいに置かれ、毎日念仏を唱える人がいるのだろう。三雲城への登山口もあった。しばらく歩くと夏見の一里塚跡。道路端にプレートが埋め込まれ、民家の前に案内板が立っている。その正面には愛宕碑。岩のくぼみにお札を貼って祈願したんだそうな。ちょっと先に診療所前に、一里塚の説明板が立っていた。その先に、二本目のトンネル。由良谷川隧道。北島酒造が現れ、「幻の酒、御代栄」ののぼり旗に「ツレテケ」が反応。残念日曜日は定休日。頑固な主人が納得する酒しか出荷しないため流通が極端に少ないんだとか。その先には家棟川橋。橋のたもとにトンネルの扁額が置かれていた。ここも天井川でかつては隧道があったが、河川改修により、普通の川となってトンネルは廃止されたそうだ。
 石部宿に入り、陣屋跡などを通っていくと立派な常夜灯のある参道入り口。上葦穂神社の入り口。「かしほじんじゃ」石柱の字はとてもそうは読めない。石部宿の中心街に入り、ふと看板に目をやると「京三条大橋まで39.2㎞」の標示。おお、もうそんな距離になったか。今日の行程を終えると、あと二日で上洛だ。見附跡、由緒ありそうな吉姫神社を見ながら行くと目の前の道路には「飛び出し坊やのとび太くん」がたくさん。理髪店の前にいるのは、鋏と櫛を持ったまま飛び出そうとしている。道路にずいぶん張り出した「とび太くん」は誰かぶつかったのか足が折れていて、裏からあて木で補強されている(笑)高札場跡には説明標示が多数。石部駅という休憩所、さらには本陣跡は見るからに空き家の前。
 10時30分、今日も日が薄く、体が温まらない。おまけにもう2時間半歩き続け、休憩するところも何もない・・・と思っていたところに現れた、田楽茶屋。渡りに船、と暖簾をくぐる。昼食には少し早いので、田楽茶屋というからには、田楽を食べなければ。「みそ田楽」と「芋つぶし」、そしてコーヒーをいただく。芋つぶしは木曽地方の五平餅みたいなハンゴロシのごはんを固めてあるが、この地方ではそれに里いもを入れるそうだ。郷土の味ということらしい。「休憩するところが全然なくって。」というと女将さんが、「そうなのよ、ここ以外には全然なくてね。」ほぼ並行して走っている国道沿いに、商業施設はすべて移ってしまい、旧街道には民家が並ぶだけ。昨日にも増して今日は。やっとひと息ついて、先に進もう。石部の一里塚を過ぎると五軒茶屋橋で上道と下道に分かれる。もともとは下道だったが、野洲川の氾濫により度々道が荒れたため、山周りの上道が開かれたが、遠回りなため荒れていても下道を通ることが多かったとか。下道は現在は草津線の線路と並行している。R1のガードをくぐると採石場のような荒れた道になるが、道端にはゴミが散乱。貼り紙も多数。「ポイ捨てする輩へ、必ずその身に降りかかる。一つは善行を。」などと呼びかけられている。その先の法面のコンクリートに消えかけのペンキの文字が。「みすてないで・・・・ 老人・・・・」身につまされるような言葉だなあ。ここは姥捨て山か(笑) どうやら正しくは「ごみすてないでね 老人クラブ」のようだが、何文字か消えているだけでえらいことに。ツボにはまって二人で笑いながら歩く。目の前に近江富士と呼ばれる三上山が近づいてきた。名神のガードをくぐると、目の前に近江富士。すぐ前を草津線が走る。薬師如来堂、新善行寺参道を過ぎ、六地蔵に入る。その地名の由来となった地蔵堂には、かつては六体だった内の一体とされる地蔵菩薩が安置されている。境内はきれいに掃き清められ、大切にされているのがわかる。旧家を見ながら進むと六地蔵の一里塚跡。やがて栗東の市街地に入ってきた。幟につられて立ち寄る手原稲荷神社。神社の裏にはD51がきれいに磨かれて保存されていた。かつてはあちこちの公園などでよく見かけたSLもさすがに手入れしないとどんどん鉄くずになっていってしまうのだろう。
 13時。残り4㎞ほど。がんばれば1時間。ラストスパートとはいってもスピードは上がらない。道標が立つ、坊袋バス停前から金勝川の堤に上がって小休止。目の前にはもう草津の町なみが広がっている。草津宿に着いたら「近江牛」でも食べようか、と気合を入れて歩き出す。目川の一里塚跡を過ぎ、田楽発祥の地、なんていう看板を見て、道は堤に沿って北西に向きを変える。目の前に新幹線の高架。新幹線ならもう京都まで10分かからないくらいか。乗客は下車の支度を始めるあたり。やがてR1を越える陸橋。ここもまた、かつてはトンネルだった天井川の河川敷跡。河川改修により川はなくなり、トンネルは切り通しとなり、かつての川床は公園や駐車場に様変わりしている。トンネルの扁額だけが往時を物語る。14時28分、ついに追分に到着。すぐ脇は天井川のガード。ここで中山道と合流し京に向かう。次回はここからだが、スタートは早朝のことが多いので、本陣を見学していこう。きれいに保存されている室内を見て回り、展示された資料を眺め、往時を偲ぶ。さて、駅に向かいながら「近江牛」を探そう。しかし、毎度のことながら、時間が悪い。15時になろうかというところ。ランチ営業は終わって、休憩中やカフェタイムの店が多い。百貨店のレストラン街で何とか営業中の「牛」看板を見つけたが、「近江牛」とは謳っていない。まあ仕方ない。ローストビーフの丼をひつまぶしのように出汁をかけて味わえるセットをいただいた。可もなく不可もなく。まあ、ちゃんとした「近江牛」の数分の一で食べられたとは思うけれど。駅のコンコースで「姥が餅」をお土産に買い、草津線に乗る。なかなかの混雑。30分ほどで三雲駅に戻ってきた。

 今日の記録 三雲駅~石部宿~栗東~草津宿 20.5㎞ 行動時間は7時間12分
 16日間の累積 311.9㎞ ついに300㎞超え
 七里の渡し区間の陸路を含めると 353㎞