日曜日、朝から激しい雨。南岸低気圧が通過中。気温の下がり方によっては大雪に注意と言われていたが、温かいほどの高温。雪の気配は微塵もない。この気圧配置に、シベリア寒気団の南下が重なった時には、十年に一度の大雪になり、実際2014年には富士山周辺の小山町や須走、富士五湖辺りで除雪が追いつかず孤立集落が出たりした。

 どうにもならない天気、温泉に湯治にでも行くか、と思っていたら肝心の「ツレテケ」は体調が思わしくない・・・と。記録を整理したり、古いログを読み返したり、たまった本やHDDにたまった録画を見たり。

 音楽番組を、番組表で拾っては録画してある。主にはクラシック系の番組。よく見るのは「クラシックTV」という番組。現在はMCをピアニストの清塚信也氏とアイドルの鈴木愛理さんが勤めている。
 前身の番組は「らららクラシック」といって、初代MCの石田衣良さんとピアニストの加羽沢美濃さんの頃からよく見ていた。クラシックを「素人目線」で紹介したり、解説したり、加羽沢さんの即興演奏による解説はわかりやすく、聴いていて美しかった。その後、MCが交代し、NHKのアナウンサーと俳優の高橋克典さんの二人になった。MCがどちらもクラシック初心者、さらにはゲストを呼んで「素人目線での疑問」に専門家が答えるという形式。面白かったけれど、やってきたゲストが、「〇〇については?」と振られて、「いやあ、初めて聴きますね(笑)」というパターン、もちろん演出上の話で、仕込みだろうが、じゃあ呼ぶなよ!それでいいのか。とツッコミながら見ていた。

 そして現在の「クラシックTV」になると、完全に「清塚劇場」である。毎回のテーマにあった専門家と清塚氏の掛け合いによる解説と、演奏を楽しむ、という形に。これはこれで面白いし、まあ、清塚信也すげーな。という番組。
 ある作曲家やテーマをとりあげ、ゲストは今勢いのある歌手やタレント、芸能人、というパターンが多い。一見、どういうつながり?というところからの番組構成はお見事。

 録画の中で一番面白かったのは「華麗なる吹奏楽の世界」という番組。東京佼成ウインドオーケストラの演奏会をマルチカメラでとらえ編集したもの。吹奏楽のド定番曲の最高の演奏が、ここぞというところで活躍する楽器の演奏者をとらえ、これは生で聞くよりも面白いに違いない。


※画像は拾い物です。

 指揮者は2014年から常任となっている大井剛士氏。コロナ隠居生活時代によく見ていた吹奏楽のyoutubeで、仙台のプロ楽団を振っていた。その中の一曲「七夕」は日本の作曲家、酒井格氏の若き日の代表曲だが、吹奏楽をやる者が一度は通る曲と言われ、「なつかしい・・」と言いながら、7月7日には全国の吹奏楽ファンが聴きにくるというお手本のような演奏。9年で500万回再生という数字。

 


 酒井格さんといえば、前述の「クラシックTV」でゲストが緑黄色社会だった時に、ボーカルの長屋晴子さんが影響を受けたと言っていた。中学時代に吹奏楽部でトロンボーンを演奏していたという。

 で、佼成ウインドの演奏。最初は「アルヴァマー序曲」ジェームズ・バーンズの吹奏楽の名曲中の名曲。さらにアルフレッド・リード作曲の「アルメニアンダンス」と続く。横で聴いていた娘(やはり中学校でトロンボーン経験)が、「私は、『アルセナール』がいいな。」と呟く。そうだね。ヤン・ヴァン・デル・ローストのこれまた名曲。残念ながらプログラムにはなかったが。
 後半はポップス系、ジブリメドレーや、ルパン三世のテーマなど。ルパン三世は大野雄二氏の作曲。ジャンルで言ったら大編成ジャズバンド曲になるのかな。途中にはソロのインプロヴィゼーションも入る。まあ、プロですからクラシック演奏家といってもその辺も完璧。そして、オーメンズ・オブ・ラブ。もともとはThe squareの曲だったが、吹奏楽用に編曲され、これも定番曲になっている。The squareの曲としてはもう一曲、吹奏楽の定番になっている「宝島」というのがあるが、どっちかというとこっちが好き。宝島は阿部寛の主演の映画「異動辞令は音楽隊」の中でも演奏されていた。

 

宝島の演奏はこれはベストか。新進気鋭のドラマー石若駿の表情が最高。


 ディズニーの曲も入って最後は「アフリカン・シンフォニー」そしてアンコールに「星条旗よ永遠なれ」最後まであっという間。
 いやあ、面白かった。なにがって、客席からでは絶対に見えない、パーカッション奏者の手元なんかがアップで映される、しかも、曲の中のここぞという見せ場に。これはマルチカメラの編集映像でなければできない技だ。バスドラムやシンバルが、実に繊細な演奏をしていたり、ティンパニ奏者が音の響きに合わせてマレットを巧みに交換していたり。スネアドラムのバチさばきの見事さ。

 もう一つ、クラシックTVの初の公開録画、という番組があり、こちらはオーケストラについて同様に、様々な楽器にスポットを当てながら、演奏、そしておなじみ清塚氏の軽妙洒脱なトーク。これまた面白かったが詳細はまた。