2011年 紅葉の盛りにバイクで旅した記録。


朝靄のかかる信楽の町なみ

滋賀県立陶芸の森 陶芸館の企画展にやってきました。

明るい丘の上の広場には野外作品が立ち並ぶ。

どう見ても胴体は鉄人28号。イタリア人作家の「炎の人」

作品いろいろ。

メインの展示は撮影不可。ここからは撮影可。アートな植木鉢らしい。

ここからがメイン。

恐るべきリアリティ。顔の大きさは10センチくらいです。

胸像というパーツモデル。モチーフは大日如来

こちらは聖観音

そして中央は弥勒菩薩座像。超有名な広隆寺のものは国宝。その表情から「魅力菩薩」なんて言われるが、これもなかなか吸い込まれるような魅力。


画像はお借りした物です。弥勒菩薩といえば、これこれ。

見る人によって、「〇〇さんに似てない?」なんて思わせるのも魅力のうちだとか。金箔の禿げた様子や、肩にのったほこりっぽいところまで、見事な再現力。

 

2Dを3D化するには、方法論があるのだとか。このあたりはいかにも「フィギュア」という世界。世界観が違いすぎる。

ふむふむ。リアルです。

表情がかわいい。美少女フィギュア、ってこういう感じ?

体長20㎝ほどの象。生きているようです。

おいしいランチもいただいて、良い所でした。

信楽駅前のたぬきサンタ。

通りを歩けばタヌキに当たる。

湖南三山巡り、最初は常楽寺。紅葉はすっかり終わり、散ってしまって残念。本堂見学は防犯カメラと張り紙がうるさくて、こちらも残念。

三重塔。見事です。

燃えるような紅葉に包まれて・・・・いたらすばらしい。

二番目、長寿寺の参道。ちりもみじの絨毯。真っ赤だったら圧巻だっただろう。

本堂前、まだ残っていた紅葉の木。

最後に善水寺。堂内で御本尊などの説明を丁寧にしてくださいました。

元三大師様のお堂の横、きれいな紅葉がありました。

湖南三山、国宝だらけです。

 

 先週、行き損ねた美術展、会期が17日までということだが、来週は予定が厳しい。となると今週行くしかない、と日曜日がんばって滋賀県をめざす。5時出発。毎度毎度おなじみの岡崎SA「パンのとら」で朝ごパン。帰りの時間がわからないので御在所SAでお土産を先に買ってしまい、新名神を信楽まで。

 向かったのは滋賀県立陶芸の森「陶芸館」で開催中の「岡本太郎 アートの夢」展。実際には「芸術は爆発だ!」の岡本作品が見たかったわけではなく、企画展の「フィギュア造形の世界」SNS情報で魅せられ、ぜひ実物を見たかった、フィギュアの技法で造られた現代的な仏像の展示。

 9時30分開館。9時過ぎに到着。まだ人はほとんどおらず、丘の上に展示されたオブジェなどを眺める。信楽の谷には薄く靄がかかり、なんだかいい田舎、という感じ。岡本太郎といえば、昭和の万博のシンボルとなっていた太陽の塔の作者。釉薬の赤に魅せられ、岡本作品の多くを信楽の陶芸工場が手掛けたそうだ。皇室ゆかりの品や、近代建築の装飾など、興味深い展示を見る。大塚製薬の本社にも陶芸の作品があるとのこと、そういえば大塚と言えば、徳島の大塚美術館は、陶板による名画のレプリカで有名だが・・・と思ってみていたら、やっぱり、大塚美術館の展示物は信楽の陶芸工場が作ったものだという。

 さて、企画展の「21世紀のフィギュア造形」の展示。見たかったのはその中の九千房政光氏による、現代風の仏像。写真だけでも圧巻だったが、実物は息をのんで見入ってしまった。理想像としての女性の姿をベースとしているので、見方によってはちょっとエロチックなのかもしれないが、塗装などの仕上げは運慶の作品のような、経年劣化をも再現し、金箔がはがれかけた様子やほこりが溜まっている様子さえも見て取れる。写真では等身大近いような迫力を感じたが、実際には立像でも70cmほど。穏やかな表情と、どこかを見つめている視線。眼球は仏像と同じ玉眼という手法で、微妙な視線を再現しているという。本職は中学校の美術教諭というから驚きだが、古の仏像、仏師の技を学び、模倣しながら全く新しいものを生み出しているのがわかる。

 これを仏像とよぶのか、それともフィギュアと呼ぶものなのか。作者の九千房氏は特にカテゴライズされることは考えていないそうだが、目標としては現代の仏師と言っているので、やはり仏教美術になっていくのだろうか。この作品を「ほとけ」と呼ぶのも冒涜だとか意見はありそうだが、そもそも現代まで残っている仏像も作られた当時は最先端の芸術作品であったはずで、今とは違う評価を受けていたものもあっただろう。100年後、1000年後にたとえばこれが残っていたとして、どう評価されているかはわからない。

 まあ、ほかの超一流のフィギュア造形作家の作品が霞んでしまう・・・というよりも最初からあまり興味はなかった・・・ほど、魅了されたのは間違いない。

 施設内の自然食カフェで、なんだか体にとっても良さそうなランチをいただき、信楽の街中をぶらり。どこに行ってもタヌキばかり・・・

 午後からは湖南三山巡り。紅葉のシーズンはすでに終わり、どこも静か。まずは常楽寺。すでにすっかり紅葉は落ちてしまって残念。仏像の盗難があったそうで、警備の物々しいこと。「お約束」の張り紙が夥しい。しかたないけれどちょっと落ち着かない。続いて長寿寺。山門からの参道は紅葉の落ち葉に埋め尽くされていた。これが真っ赤だったらすごかっただろうなあ。それでもわずかにきれいな紅葉も見られた。最後に善水寺。秘仏の御本尊の説明などを丁寧にしていただいた。本堂の屋根の修復に寄付を募っているという。檀家がいないので修復費用は公的な資金と寄付のみだというので、なかなか大変だ。堂内の仏様も痛みが激しい。修復には相当な費用がかかるだろう。

 現代の仏と、平安時代からの仏像、いろいろと味わい深い一日でした。

 善水寺から鈴鹿スカイラインを越えて湯の山温泉へ。菰野ICから新名神に乗り帰宅。