近鉄 吉野駅。ここからスタート。

七曲り坂を上っていくと、絶景が開けてくる。

下千本は見ごろになってきている。

メインストリートに出て、休憩所から下千本を望む。

道端の桜は満開。

仁王門は修復工事中。残念。

門の下の道を回り込んで、北側から、今度はこちらが蔵王堂の正面。

巨大な蔵王堂。吉野の中心地。


JR様のポスター、お借りしました!

南朝妙法殿は桜に包まれている。

これぞひと目千本

だいぶ人が増えてきました。吉水神社。

大塔宮仰徳碑のある広場。

上千本はまだこれから

上千本から金峯山寺を見下ろす。

花矢倉展望台もすばらしい。

水分神社。右側の不思議な構造の建物が本堂だった。

高城山の山頂。

金峰神社の門。ここまでシャトルバスで来られるなんて・・・

遥か熊野まで大峯奥駈道が続いている。

金峰神社へお参りして、奥の千本へ。

鬱蒼とした杉林を過ぎて

西行庵へ

その前にはこんな光景。裸の山には桜の若木が植えられている。

庵の前には馬酔木が満開。

玉のような塊の花がつく桜。



豆腐料理をいただきました。

最後に立ち寄る如意輪寺。

ねこみくじをいただいて。

日が落ちるころたどり着いた、大宇陀の又兵衛桜、薄暗い中でも見事です。

 

 まとまった休みが取れた妻と合わせて、春を巡る旅へ。ずっと行きたいと機を狙っていた、吉野山へ。千本桜は山裾から次第に上に開花が進み、2週間くらいの間、どこかが見ごろだというが、下の方から開花が始まった様子。天気もどうにか落ち着いて、休日は大混雑必至だが、平日なら多少は落ち着いて歩けるか、と期待する。
 早朝深夜の高速道路を西へ。平日の夜間はトラック街道だ。東名阪に入ったころやっと明るくなってきた。朝日に照らされ始める御在所岳を望み、鈴鹿の山もいつかは歩きたいと思いつつ、なかなか遠いなあ、と進む。亀山ICで高速を降り、そのまま高速国道の25号線、名阪国道へ。かつてのバイクツーリング時代には西へ向かう時には必ずお世話になった道だが、最近は新名神もできて、全く走ることが無くなってしまった。すっかり明るくなるころ懐かしい「針」の道の駅。ここで25号から分かれ、南へ。沿道には桜の木が点々と満開。期待が高まる。大宇陀の道の駅で大休止、朝食。8時前に吉野口へ到着。案内板に従って進むが、同じ方向に走る車が多い。近鉄吉野線の吉野駅に着くと駐車場を案内される。下千本の駐車場に置くつもりだったが、もう一杯だ、この先においてくれ、と言われる。駅の先100mほどの駐車場に停めるがあとからあとから車がやってきて、あっという間にいっぱい。さすが、シーズンの行楽地。今日はここから、歩いて奥千本まで。往復すると15キロほどになるだろうか。たっぷり桜を堪能するつもり。
 駅に戻り、下千本へ続くメインルートをめざす。近鉄から乗り継いでルートに上がるロープウェイもあるが、桜を眺めながら、七曲りという道をのんびり上がっても15分ほど。次第に開けてくる一面の桜の景色を愛でつつ、登っていくとメインルートに合流。さすがに人が多いが、混雑、というほどではなく、歩きやすい。茶店や土産物店の間を歩いていくと、やがて金峯山寺の仁王門が見えてくるが、残念ながら修復工事中。巨大な足場に覆われている。下の道を進み、回り込んで石段を上がっていくと蔵王堂の正面に出た。普通の寺なら、門を抜けてその先に本堂があれば、正面になるはずだが、ここでは、仁王門と蔵王堂が背を向けるような形で建っているのだ。不思議だなあ、と思っていたら頂いたパンフレットには、「ここは修験道の道であり、南(熊野)から来る巡礼者にも、北(吉野)から来る巡礼者のどちらにも配慮して、正面となるようになっているのだとか。拝観料は1600円とびっくりな高額。だが秘仏、蔵王権現を見ないわけにはいかない、いざ、蔵王堂へ。入っていくと靴を脱いで、この袋に入れて、と言われて「金峯山寺」とプリントされた立派なナイロン製の黒い袋を頂いた。ずいぶん立派な靴袋、と思ったら、袋はそのままお持ち帰りください。とのこと。それはいいアイデアだ。このご時世、袋の使いまわしは避けたいし、廃棄するのもどうかというところ。袋がお土産になるなんて。そのままエコバッグとして使える。感心している間もなく、目の前には巨大な蔵王権現が襲い掛かってきそうな迫力で立ちはだかる。三体の青い鬼の形相の蔵王権現は、菩薩と如来が人々を救済するために悪魔を降参させるための憤怒の姿だという。堂の奥には、本来のお姿、という像もありこちらはよく見る、優美な穏やかなお姿。なるほど。本尊の前にはどこぞのラーメン屋のような衝立で仕切られた個室が用意してあり、お願いすれば、しばし静かに御本尊と対峙することができるらしい。信心深くはないので、そこまではしなかったけれど。本堂の奥には仮の堂があり、その中には工事中の仁王堂に安置されている金剛力士像が展示されていた。お守りのお札もいただき、最初は高い、と文句を言っていたのに大満足で堂を出た。境内をしばらく歩き、再びメインルートへ戻る。だいぶ人が増えてきたぞ。小旗に導かれた団体も多い。それも外国人の姿が圧倒的に目立つ。ひところどこでも聞こえた中国語ではなく、聞こえてくるのは英語、フランス語、イタリア語、などなど。国際色豊か。その団体がぞろぞろと曲がっていく先にあるのは吉水神社。周囲から聞こえる日本語の中には、ここだけは見ないと、という声も。ツアーガイドも、こちらです、行ってきてください、と先へ促す。その先には神社の前にある展望地。「ひと目千本」と呼ばれる中千本の絶景。五分咲きから七分咲きというところか。景色を堪能し、戻る途中でくず餅の出店で食べ歩き用のカップ入りくず餅と串こんにゃくをいただき、小休止。上千本をめざしてさらに歩く。中千本の如意輪寺方面へ向かう道に分かれ、飲食店の店の間を抜けていくと、次第に道の斜度がきつくなってくる。上千本の標示があるヘアピンカーブを抜け、吉野水分神社へ。門を入ると、右側に人だかり。左側には古い堂が連なっている。一番奥まで進み、お参りして戻ってくると、人だかりは朱印を求める列。右側に連なった古い堂が本堂だった。不思議な構造。ここまで5キロほどだが、もう3時間も歩いている。見どころが多く、寄り道ばかりでなかなか進まない。だいぶ山の中になってきた感のある道を進むと、車道と山道の分岐。山道を辿ると高城山の山頂。展望台があり、多くの人がお弁当を食べていた。絶好の休憩ポイント。昼食は中千本あたりへ戻って取る予定だったので、がんばって先へ進む。反対からぞろぞろと人がやってくるので、なんでだろうと思って先へ進むとその先に、金峰神社の参道と、バス停が待っていた。下の車道を通るシャトルバスがここまで来ているのだ。金峰神社に参拝し、奥千本をめざす。小ピークをぐるりとひとまわりするように歩道がつけられている。尾根を越えると視界が開け、その先に絶景の西行堂がある。こんな庵で暮らしていたとは。目の前には荒涼とした伐採地。櫻の若木が植えられているが、さすがにここはまだ完全につぼみ。以前テレビで、この山全ての桜を管理する「桜守」の仕事ぶりを見たが、それはすごい仕事だった。種類が違うのか満開の小さな花の桜がぽつり。尾根に戻るとそこは大峯奧馳道だ。遥か熊野まで山脈の中を道が続いている。さて、食事めがけて下ろう。中千本の吉水神社近くまで下り、豆腐料理の店へ。もう14時を過ぎているが、朝よりもさらに人は増えている。すっかりいい天気になり、出かけてきた人が多くなったようだ。すっかり暑くなり日差しは夏のよう。順番待ちをする間、通りの反対側のカフェでアイスコーヒーや、豆腐料理店のテイクアウトで、豆乳ソフトクリームいただきながら待つ。席に通される頃には、「本日は終了しました。」の表示。よかったなあ、ぞろぞろと通る人を窓越しに見ながら、ゆっくり食事をいただいた。それから、少し道を戻って、谷を挟んで反対側の如意輪寺へ。こちらはまさに中千本の真ん中。見事な桜に囲まれた中、静かなたたずまい。西に傾きかけた日の中、谷沿いをのんびり歩いて駐車場に戻ってきたが、まだまだこれからという感じで人がやってくる。これから上がって夜桜見物という人もいるのだろう。駐車場に戻るとほぼ5時。
 行動時間は休憩、食事を含めて8時間22分。歩いた距離は17.4㎞ 累積登高は973mでした。行きたかった吉野に見頃の桜と絶景を堪能。気持ちよく歩けた。