久しぶりに山に出かける。よい天気。今年はできるだけ時間をうまく使って、未踏ルートを歩こうと考えていたので、手近なところから、丹沢に出かける。主脈は人が多そうなので、それでも静かそうな西丹沢。御殿場まで高速を走り、246号へ入る。途中のコンビニで食料を仕入れ、西丹沢をめざす。6時少し前に西丹沢自然教室に着いた。まだ駐車場も余裕があり、意外にすいているな、と思ったが、どうやら早かったためらしい。帰ってくるとかなり下の方の路肩まで車が停まっていた。身支度を整え、登山届を出し、6時ちょうどに歩き始める。キャンプ場も空いていてキャンパーの姿もほとんどない。といっても、このキャンプ場昨年死亡事故があった件のキャンプ場か。と思いながら横を歩く。ツツジ新道の分岐を過ぎ、用木沢出合から犬越路をめざす。出合にも車が数台置いてあり、入山者はそこそこいるようだ。出合から1時間あまりで犬越路に着いた。男性が二人休んでおり、そのうち、一人は檜洞丸方向へ、一人は私と同じ大室山方向へ出発していった。避難小屋にも誰もおらず、静か。もっと登山者がいるのかと思ったが、意外に静かで拍子抜けする。
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小休止の後、大室山へ向かって歩き始める。少し登ると木の間から富士山が望めた。丹沢からはすぐ近い富士山はよく見えるはずなのだが、意外に天気に恵まれず、きれいな富士山を見た記憶があまりない。ここから見る富士山は宝永山がきれいに段のように見え、あまり美しいシルエットとは言えない。ところどころにアカヤシオ。木々の新芽も美しい。足もとにはギボシがにょきにょきと。大室山の分岐直下では、木道のまわりがギボシに埋め尽くされていた。
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広い稜線を少し歩くと大室山の山頂。足もとに道志みちが見下ろせるが、地響きのようなエンジン音がここまで聞こえてくる。道志を通る国道413号線は関東から富士五湖へ向かう絶好のツーリングコース。かなりの台数の大型バイクが通っていったのだろう。しばらくエンジン音が聞こえていた。大室山山頂も無人。しばしのんびりする。9時前に到着したので、かなりいいペース。予定では加入道山から白石峠へ下り、そのまま下山するつもりだったが、これなら当初の予定の畦ヶ丸まで行けそうだ。分岐へ戻り稜線を進むと、木道が続く気持ちの良い道。ふと見るとギボシの間に黒い小さなドームテントみたいなネットが置いてある。液体を入れるようなボトルもついており、許可証のようなものもついていたが、何の目的のものかはわからなかった。
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日差しが強くなり、暑い。真夏のような稜線を加入道山へ向かう。急な下りの途中で高校生の集団とすれ違う。西丹沢の道を歩いていたグループもいたが、どうやら高体連の行事をやっているようだ。複数のパーティが続いていった。アップダウンを繰り返し、破風口というルンゼを抜け、前大室の分岐を過ぎ、開けた稜線の一段下に加入道の避難小屋。すぐ上に加入道山の山頂。こちらもだれもいない、と思っていたら、白石峠の方から男性二人が上がってきた。そのあと続けて二組のご夫婦。とたんににぎやかになり、山頂をあとにする。

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少し下ると白石峠。ここから2時間で下れるが、まだ10時過ぎ。畦ヶ丸まで2時間、下り2時間としても、下山は2時だ。せっかくだからもう少し歩いていこう。とはいえ、久しぶりの山、おまけに登りでがんばりすぎたせいか、ピッチは上がらない。モロクボ沢の頭までは平坦な尾根筋と思ったが意外に小さなアップダウンも多く、何よりも暑い。もっと水分を多めに持ってくればよかったと後悔。ひと登りして水晶沢の頭で休んでいると、老若男女4人のトレイルランナーが走りぬけていった。このルートは走るにはいいコースだろう。シャガグチ丸辺りから、シロヤシオも見られるようになり、赤白共演している。ブナの大木もみごと。白石峠から1時間とちょっと、11時30分にモロクボ沢の頭に着いた。畦ヶ丸まで600mと書いてあるが、これが曲者。鎖場もあったりして、なかなかの600mだ。避難小屋をのぞいて、畦ヶ丸山頂。ちょうど12時ぴったり。

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山頂には一組みの夫婦が休憩中。さらにもうひと組が上がって来てランチタイム。どうやら畦ヶ丸のみ、あるいは大滝沢コースとのラウンドをする人が多いようだ。白石峠からモロクボ沢の頭のルートは、他に比べ歩いている人が少ない感じであった。まあ、ただ長いだけであまり面白味のあるコースではなかったが。やっとここでおにぎり一つ。暑くなると水分ばかりで食べられなくなるのだが、もうこの季節になってしまったのか。ついこの前まで雪と戯れていたのに。小休止の後、下山にかかる。ここから2時間。2時には自然教室に到着するだろう。とおもったら、持病の膝痛が。バンテージを巻いてなんとかごまかしながら下る。善六のタワまではだらだらと40分ほど稜線が続き、なんとなく下っていくが、そこからは谷底に一気にすとんと落ちていく。300mほど一気に下ると沢に出て、あとは沢沿いに下っていく。堰堤まで下りてくると今度は女子の高校生パーティに追いついた。先行すると、さらに1パーティ。こちらはよいペースで歩いているので、少し離れてついていくが、いくつか堰堤を越え、そのうち西丹沢のつり橋に着いた。自然教室前のバス停には30人くらいの男子高校生。自分もこんな時代があったなあ、と懐かしくなる。予定通りちょうど2時、ゴール。なんとか最後まで足も持ちこたえた。GPSのデータロガーでは歩行距離は20キロ近くになっている。よく歩いたなあ。新緑をたっぷり味わい、もう夏の訪れを感じる山でした。そういえばもう立夏を過ぎていたんだ。

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