7月21日 3時に目が覚める。東の空は明るくなり始めているが、頭の上には満天の星。準備をしていると小屋のほうから話し声。どうやら昨日の中学生がご来光を見に出発するようだ。朝食を簡単に済ませ、サブザックに一日の荷物を詰め込み、3時30分、出発。爺ヶ岳の登りの途中で、休んでいる中学生を追い越した。昨日登っているので、爺ヶ岳のピークは巻き道でパス。冷池への道を進む。爺ヶ岳北峰を巻いたあたりで、空が真っ赤に染まり始める。
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大谷原に下る道のぶんきまでくると朝日の中に鹿島槍が美しく浮かび上がった。立山、剣にも日が差し始めた。
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冷池山荘を過ぎ、幕営地を通る。種池とは違って、山の斜面そのままの天場。展望は抜群で素晴らしいロケーションだが、雨風の日にはつらいだろうなあ。何より、思いっきり斜面で、フラットな場所がない。
いくつかの雪田を超えて布引山までくると、鹿島槍の双耳が手に取るように望める。
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ひと頑張りで山頂。ついに女王様を征服!冷池から出発したらしい人たちが数人、大展望に歓声を上げている。間もなくキレット小屋から登ってきたというパーティも加わり、山頂は賑やかになった。360度見渡す限りの大展望。北にはキレットから五竜、白馬に続く稜線がはるかに続く。その右手には雨飾山や、頚城の山々。雲海に浮かぶのは北信の山々だろうか。南東にははるかに八ヶ岳。南には爺ヶ岳から針ノ木に続く稜線。その向こうに槍ヶ岳、穂高連峰。さらに鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳、薬師岳。西側正面は立山と剣岳。
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さて、一休みしてから、北峰を目指す。急なガレ場を下り、吊尾根を歩いて、また昇る。吊尾根には大きな雪田。北峰に登ると、真下にキレット小屋の屋根が見える。東側の真下にはカクネ里の大雪渓。五竜に続くダイナミックな稜線も一段と凄みを見せる。
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風景を堪能し、また南峰へ戻る。たくさんいた人たちもそれぞれの方向に出発したようで、静かな山頂。ガスがどんどん上がってきて、槍や穂高は隠れてしまった。まだ8時過ぎ。あとは帰るだけだからとのんびりしていると、昨日爺ヶ岳で別れた男性が登ってきた。「やあ、お疲れ様。またお会いできましたね。」「いやあ、早いですねえ。まさか山頂でお会いできるとは。」「種池を3時半に出てきましたから。」また写真を撮りあう。今日はキレット小屋までだからのんびり昼寝でもします。急いで行ったらもったいない・・・という男性と別れ、下山開始。東側からどんどんガスが湧き上がり、北峰はすでに見えなくなってしまった。花々を愛でながら、のんびりと稜線散歩。それにしても暑い。雪田の雪で顔を洗いながら、冷池山荘まで戻ってきた。小屋でアクエリアス550円を買って一気飲み。生き返るなあ。水も500ml買ってボトルに入れてもらう。むせかえるような暑さの中、見上げるように高くなってしまった爺ヶ岳に向かって一歩一歩登っていく。南峰に着くころにはすっかりガスにまかれ、立山も剣も鹿島槍も見えなくなってしまっていた。吹きわたる風が心地よい。のんびり昼寝して、種池に向かって下り始める。道端でバタバタと動くものが。おや、ライチョウが砂浴びをしている。今回初のライチョウだ。この時期は子連れを見かけるけれどこいつはまだ若いようだな。昨年生まれの個体だろうか。
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 2時近くに、やっと小屋に戻ってくると小屋の周りはすっかり真っ白。小屋番のお姉さんに「お帰りなさい。」と迎え入れられて、二泊目の幕営手続き。今日は一番乗りだそうだ。へえ、二泊目は300円なんですか。連泊割引があるとは知らなかった。水2リットルを300円で買って、テントに戻る。そして、また寝たり起きたり、食べたり。歩いたり。昨日とは違う中学生がまた登ってきている。昨日より大きな団体で、今日は小屋は100人だそうだ。