再再送

我が家にDVDレコーダーがやってきた

のは、遡ること3ヶ月ほど前のことだ。

ふらっと立ち寄った閉店間際のYAMADA電気で目にした大特価の文字。我が家のテレビはSHARPさんの亀山モデル。大特価の文字の下にはSHARPDVDレコーダーと。

おっ、おお。。
思わず感嘆の声を漏らしてしまった。
我が家にDVDレコーダーはない。録画機能が無いのだ。プレイヤーならある。それにより数多の作品を上映してきた、だが、レコーダーは無いのだ。これさえあれば、録画ができる。言わばテレビの中のゴールデンタイムは、我々のソワレ公演の時間。家路に着く頃にはその時間は終わっている。稽古もしかりだ。それ故私は、リアルタイムでドラマを見ることも叶わず、観るとしてももっぱら深夜番組かニュースなど。
とんねるずのみなさんのおかげでしたを見逃し涙を飲んだ夜がどれだけあったか。

だがしかし、これさえあれば。
大特価の文字を背負ったSHARPさんのなんだか容量まで大きそうなこいつさえ我が家にいたら。

そしてその時はbareの本番終わり。
気持ちが大きくなっていたのだろう。

気付いた頃には
店員さんより

お買い上げありがとうございます

との言葉を頂いていた。

足早に自宅に帰る私。
早く繋げたい。今手にしているこいつを、我が家の亀山モデルに繋げたい。

私は家に帰るや否や、梱包を剥がし、先代のプレイヤーくんの引退セレモニーは一旦省略しつつ配線の準備に取り掛かった。さぁ、行くぞ。快適な録画テレビっ子ライフの始まりだ。
配線を終え、いざ録画だ！なんでもいいから録画だっ！！！とリモコンを手にした。電源ボタンにかかる指先に力が込められる。番組を選び、ボタンを押す。押したのだか、、、



ここからは事実だけを申し上げることにする。

出来なかったのだ。録画が。
出来ていなかったのだ。

録画したと思った番組はどこにも無く、ただ、容量の空きだけが表示をされていた。
翌る日も録画を試すも失敗。
人とは、いや、私という人間は如何に弱いものか。度重なる連戦、そして連敗に、ついには立ち上がる気力を失ったのだ。

これが3ヶ月ほど前の出来事である。
以来我が家には、宝の持ち腐れという汚名を着せられたDVDレコーダーが、ひっそりと部屋の片隅に置かれていた。一度は引退したプレイヤーはまた現役となり、ひたすらにDVDを回している。
正直、その後の忙しさから、レコーダーの存在を、主人である私は忘れてしまっていた。




「配線が違うんじゃない？」


え？

私は、耳を疑った。
は、配線が違う？そんなことはないさ。ちゃんと確認した。

「あと、HDMIで繋いでるから、今までの入力切り替えとかと違うよ？」

は？
えいちでぃーえむあ、は？よくわからんぞそれ。が、しかし我が家はファミリンク的なあれだ。リモコンは一つだし、わかりやすい文字だらけだ。番組表も表示されていた。よくわからんが大丈夫なはずだ！


このDVD話を何気なく楽屋でした時のことだ。
共演者から、機械オンチめ。このクズが。阿保たれ。男のくせに情けない。といったような酷い言葉を浴びせる人たちではないが、なんとなくそれらしいニュアンスの侮蔑の目て見られていた。

そしてその後、今思い返しても身の毛のよだつ、まるで悪魔の囁きのような末恐ろしい一言が。



「レコーダーの電源入ってる？」



こうして、私は快適な録画ライフを手に入れたのである。早速とんねるずのみなさんのおかげでした。やべっちFC、ワールドプロレスリングなど、毎週録画予約をしている。


久しぶりのブログ更新で、このような駄文失礼。
こんな一面もあります。鯨井です。


では、また。