作詞:鹿島鳴秋
作曲:弘田龍太郎
青い月夜の 浜辺には
親を探して 鳴く鳥が
波の国から 生まれでる
濡れたつばさの 銀の色
夜鳴く鳥の 悲しさは
親を尋ねて 海こえて
月夜の国へ 消えてゆく
銀のつばさの 浜千鳥
1919(大正8)年に発表された「童謡」で、大正ロマンが漂よう曲調に、歌詞も曲調に合わすかのように、物悲しい感じがします。 この曲の歌詞は、鹿島鳴秋が、友人の桑山太一を柏崎に訪ね、2人で浦浜から番神海岸を散歩しているときに、鳴秋が手帳に書き記したと言います。
柏崎市は、言うまでもなく、日本海に面した街で、鯨波海水浴場、番神・西番神海水浴所、石地海水浴場等々、海水浴場が沢山ありますが、番神海水浴所は、番神岬に建つ「番神堂」の近くにあり、日蓮が「立正安国論」を著し、鎌倉幕府に献上しましたが、幕府の怒りをかい佐渡へ流され赦免された折り、寺泊に上陸する予定でしたが嵐にあい、ここに流れ着いたと言います。
当時の番神堂は真言宗のお堂でしたが、住職が日蓮に帰依し、日蓮宗に改宗しました。
日蓮は八幡大菩薩の力によって無事上陸することができたと感謝し、八幡大菩薩を中心に29神を勧請して三十番神堂とし、この時からこのお堂は番神堂と呼ばれるようになったと言うことです。
私やNちゃんの親戚がいる下越から柏崎市までは、車で90分位ですが、好き好んでわざわざ行きません。
一度Nちゃんと二人で行ったことがありますが、彼女は、鯨波の民宿に泊まった事以外、何一つ覚えていないと言う凄まじさ……
それでもこの曲を口ずさむと、微かに思い出す事はあるみたいですが、あの時のNちゃん、生理が重くて、ヘバっていましたからね。
私がこの曲を知ったのは、京都の母に教えて貰ったからですが、児相でC,Kちゃんに教えた所、えらく気に入ったみたいで、彼女の愛唱歌の一つになりました。
「親を探して泣いて(鳴いて)親を尋ねて 海こえてなんて、私達には考えられないよね」
この曲を歌ったあと、C,Kちゃんは必ずこう言いました。
施設っ子って、本当は寂しがり屋さんなんですが、現実があまりにも酷くて、こんなセリフになってしまうんです。
今日の釧路は雨。
夫婦でC,Kちゃんの遺影に向かって、この曲を口ずさんでみました。
C,Kちゃんは「相変わらず下手だね」って笑っている様に見えました。