作詞・作曲:HIROKO TANIYAMA
誰も信じちゃ
くれないが
お天道さまは
くわせ者
誰も信じちゃ
くれないが アア
あたしゃあいつに
金貸した
雲にかくれて
出て来ない
雨を降らせて
追い返す
雲雀風情に
返すかと アア
知らぬ 存ぜぬ
ふみたおす
春はぽかぽか
お天道さまだって
かくれてばかりは
いられまい ンー
だから ひゅるひゅる
空に昇っては
雲雀 わめくよ
金返せ 金返せ
ぴよろろりろい
ひやららりろい
ぴよろろりろい
ひやららりろい
よおりろい
春は楽しい
季節だってのに
あたしひとりが
馬鹿をみる ンー
だから ひゅるひゅる
空に昇っては
雲雀さわぐよ
金返せ 金返せ
ぴよろろりろい
ひやららりろい
ぴよろろりろい
ひやららりろい
よおりろい

このアルバムは13曲で構成されていますが、A面アリス(プロローグ)からアリス(エピローグ)までは、西洋の昔話、B面「北風南風」から「やまわろ」までは日本の昔話をモチーフとしており、この「雲雀」は、岩手県の民話「雲雀金貸し」が基になっています。
むかし、むかしの、大昔。
あるところにヒバリがおって、金貸しを商売にしておったと。
お日さまにお金を貸して、だいぶん日が経ったので、催促に行ったと。
いつかの銭コ、よこせ」
そしたら、お日さまは、「そんなにせかすな、今にやるから」
って、雲の中にかくれてしまったと。
秋になって、ヒバリは、また、お日さまのところへ行って、
「いつかの銭コ、よこせ」
って言ったら、お日さまは
「あとでやる、あとでやる」
って、黒雲ひきよせて、雨をザアザアふらせた。
寒雪がふる、寒風が吹く。ヒバリは、ぶるぶるふるえて、野っ原の巣の中でちぢこまって、催促にも行けないでおった。
間もなく正月がきて、ヒバリは、正月じたくにお金を使って、一文なしになったと。
なんとも雲雀には酷い話です。
雲雀は「日晴り」とも言われ、春の訪れを告げる鳥で金貸しとは遠い存在に思えます。
釧路も湿原や牧場では、雲雀の鳴き声が聞こえる様になりました。
初夏と言うには早く、晩春と言うには首を傾げたくなる毎日ですが、とりあえず雪が降ることもなく、雲雀はピーチクパーチクと歌っています。