作詞:岡田冨美子
作曲:高橋五郎
幸福行きを二枚ください
今度の汽車で出発します
別々に生まれて育った二人が
不思議な出会いで結ばれた
愛の荷物は分けて持ちましょう
各駅停車の旅だから
幸福行きを二枚ください
切符に二人でハサミを入れる
つまらないケンカも
たまにはするでしょう
それでも心は離れない
愛の涙をもう隠さない
各駅停車の旅だから
ルルルレ………
1974(昭和49)年11月にリリースされた、芹洋子さんの曲です。 芹洋子さんと言えば昭和50年にリリースされた「四季の歌」があまりにも有名ですが、沢山の素敵な曲を発表しています。
この「愛の国から幸福へ」とは、かつて帯広から広尾まで84kmを走る、国鉄広尾線にあった、メルヘンチックな名前の駅の事です。
広尾線は、北海道の何処でもあるような、赤字ローカル線で、1987年昭和62年2月1日の営業を最後に廃止されましたが、帯広駅から広尾駅まで、1日6往復の、キハ22やキハ40の普通列車が走る路線でしたが、かつては臨時ながらも、急行列車も走っていました。
この路線が有名になったのは、1973(昭和48)年3月、NHK「新日本紀行」において「幸福への旅~帯広~」が放送されたのがきっかけで「幸福駅」の駅名が全国的に知れ渡ったのです。
前の年には、7枚しか売れなかった「愛国→幸福」の切符が、昭和48年には300万枚も売れたそうです。
しかし、広尾線が黒字に転じることはありませんでしたが、釧路鉄道管理局の「ドル箱」であったことには、間違いありません。
ちなみに「愛国」とは、近隣にある「愛国神社」からで、素敵な駅名である「幸福」は、1956年(昭和31)年8月26日に、国有鉄道広尾線の幸福仮乗降場(局設定)として開業した新しい駅で、幸震(こうしん)と言う集落に出来た駅で、ここには福井県の入植者が多かった事から「幸震」と「福井」の頭を組み合わせて「幸福」としたと言うことです。
それにしても、一時期の幸福駅は、観光バスがやって来るほどの人気スポットで、多くのカップルが写真を撮っていました。
高校の時に「愛国から幸福行」の切符を、Nちゃんにプレゼントしましたが、何と、38年前の切符を持っていたのです。
何か嬉しかった。
見ると、かなり黄ばんでいました。