しあわせ未満
作詞:松本隆
作曲:筒美京平
20才まえ ぼくに逢わなきゃ
君だって違った人生
白い夏 裸足の君に
声かけて名前きかなきゃ良かったよ
ついている奴 いない奴
男はいつもふた通り
はにかみやさん ぼくの心の
あばら屋に住む君が哀しい
しあわせ未満 しあわせ未満
あー君は連いて来るんだね
あどけない君の背中が
部屋代のノックに怯える
水仕事 指にしもやけ
アパートも見つからなけりゃ良かったよ
刺のあるバラ れんげ草
女もそんなふた通り
はにかみやさん 家柄のいい
もっと利巧な男さがせよ
しあわせ未満 しあわせ未満
あーぼくの肩で泣くんだね
陽のあたる人 かげる人
人間なんてふた通り
はにかみやさん 面喰いなのに
もてないぼくを何故選んだの
しあわせ未満 しあわせ未満
あー二人 春を探すんだね

太田裕美さん最大のヒット曲「木綿のハンカチーフ」の翌春にヒットした曲で、オリコン最高位4位、31万枚を売り上げました。
四畳半フォーク的な、貧乏くさい詞に、曲の感じはメジャー調なのに、マイナーコードが盛り込まれているため、太田裕美さんの舌っ足らずな歌い方が、何とも言えない愛らしさと哀愁?を醸し出していました。
昭和52年と言えば、もう「かぐや姫」に代表される「四畳半フォーク」は、すっかり廃れていましたが、まさか太田裕美さんが歌うとは思ってもいませんでしたね。
ただ、当時「アイドル」に分類されていた太田裕美さんが歌ったこの曲は、貧乏くさい詞ではありますが、妙に新鮮な感じがしたものです。
太田裕美ファンでもあった私は、里子先のN,Kちゃんが大好きな曲であったことから、よくギターを弾いて歌っていました。
Nちゃんはと言えば「男が女の子を誘ったんだから、最後まで責任持て!」
イヤイヤ、この歌はそんな歌じゃないしね。
ただ、この曲が出てから10月と11日後、N,Kちゃんがこの世を去りました。
しあわせ未満って、N,Kちゃんの事を歌った歌ではないのに…