海岸通
作詞・作曲:伊勢正三
あなたが船を選んだのは
私への思いやりだったのでしょうか
別れのテープは切れるものだとなぜ
気づかなかったのでしょうか
港に沈む夕陽がとてもきれいですね
あなたを乗せた船が小さくなってゆく
夜明けの海が悲しいことを
あなたから教えられた海岸通
あなたの言う通り妹のままで
いたほうがよかったかもしれない
あなたがいつかこの街離れてしまうことを
やさしい腕の中で聞きたくはなかった
まるで昨日と同じ海に波を残して
あなたを乗せた船が小さくなってゆく

この曲は、1975(昭和50)年6月5日にリリースされた「 風ファーストアルバム」に収録されていた曲でした。
私達北海道のガキ共にとって「船」とは、即座に「青函連絡船」を思い浮かべた時代、釧路港からは東京行のフェリーが出ていました。
フェリーは釧路港を12時30分に出航し、東京有明埠頭には、正味31時間かけて到着しました。
国鉄だと、14時25分の特急おおぞらに乗り、連絡船、はつかりと乗り継ぐと、上野には翌日の13時過ぎには到着しますが、フェリーはお風呂もあるし、売店もある。手足も伸ばせるメリットがありました。
里子に入ってからの事ですが、私とN,Kちゃんが中学2年の夏休み。家族でこのフェリーを利用した時にみた、夕陽が沈む光景は忘れられません。
あれは丁度、襟裳岬沖を航行中でした。
夕陽をバックに、N,Kちゃんと二人で撮った写真は、今でもアルバムに貼ってあります。
私とN,Kちゃんは、確かに「兄妹」の様な関係でした。
もっとも、この曲みたいな洒落た関係ではなかったのは確かですが…
昨日Nちゃんが来て、アルバムを見ていましたが、帰り際にN,Kちゃんの遺影をジッと見つめていたのが印象的でした。