作詞:寺山修司
作曲:田中未知
時には母のない子のように
だまって海を みつめていたい
時には母のない子のように
ひとりで旅に 出てみたいだけど心は すぐかわる
母のない子に なったならだれにも愛を 話せない
時には母のない子のように
長い手紙を 書いてみたい時には母のない子のように
大きな声で 叫んでみたいだけど心は すぐかわる
母のない子に なったならだれにも愛を 話せない

波の音とハーモニカのイントロ。
歌い方は、ひと言ひと言噛み締める様な感じ。
当時小学校2年生だった私にも、涙を流させる曲でした。
その二年前に、京都から北海道に、養子として移って来た身でしたから、尚更だったのでしょう。
時代は、70年安保闘争で騒がしい時代でした。
ゲバ棒
ノンポリ
代々木派と反代々木派
全学連に全共闘
赤旗とインターナショナル
こんな言葉が、7才児の耳にも、否応なしに入ってきました。
大人達にとって暗い時代に流れた暗い歌。
そして何時までも消えず、心に刻まれた歌…
子供達と言うと、翌年に開催される「大阪万博」を楽しみに、「世界の国からこんにちは」を、未だ見ぬ大都会を想像しながら歌っていました。
1968年から1970年の3年間は、なんとも奇妙な時代だったような気がします。