何年も前に他界したおじさんが夢に出てきた。
ある神社に連れて行ってくれる、というのだ。
バスで田舎道をゆく。
前方に山が見えてきた
その神社は山の頂上付近にあるという
やがてバスは林の中の砂利道に入る
薄暗い道をしばらく走ると
右手上に頂上に向けた階段が見えた
バスは山を一回りするように坂を登っていく
すると昭和レトロな町並みが見えてきた
バスはそこの停留所に止まった
乗客は全員ココで降りた
私もおじさんと降りた
おじさんは町を案内してくれた
そして一軒の古い豆腐やさんに私を連れていった
「さとう豆腐店」
すすけた看板は、やっと文字が読めるほどに汚かった
「ココの豆腐店の水は どんな病も治るんだよ。」
「帰りに少し譲ってもらうといい。」
と教えてくれた
なぜそんなことを言うのか聞こうと振り返ると
おじさんはいなかった。
それだけでなく、
さっきまで一緒に乗ってきた客も店の人も
誰もいなかった
神社に向かったのかと
少し歩くと
まぶしいほど白い砂利の道に
赤い大きな鳥居がいくつも並ぶ場所に出た
鳥居と鳥居の間には
白い狐が1対ずつずっと並んでいた
鳥肌が立った
「ここは 今のままで通ってはいけない」
なぜかそう思ってしまった
「体と一緒でないと連れて行かれる」
やばいと思って引き返そうとした時
目が覚めた
体が重かった