寝具は「皮膚の代用」をする大切なもの

 

 

ふとん屋クガでは、アクリル毛布、低反発枕や敷布団、ウレタンマットレス、ポリエステルなどの化繊生地の羽毛布団やカバーなどは扱っておりません。

 

また、健康寝具と称する「家庭用電位治療器」の類の商品も販売しておりません。

 

 

その理由は、化繊で作られた寝具は吸湿性が乏しく、寝床内の温度や湿度を最適な状態に保てないため、良質な睡眠が得られないと考えているからです。

 

体に近い部分で使う寝具は、できる限り「自然素材」のものを…。

 

 

それが当店のポリシーです。

 

 

自然素材の優れたところは、「吸水性」ではなく「吸湿性」に富んでいることです。

 

 

「えっ、吸水性と吸湿性って何が違うの?」

 

 

そう疑問に思うかもしれません。

 

 

綿や羊毛、キャメル毛、羽毛から絹や麻に至るまで、これらの繊維に水を垂らすと、油脂分が水を弾いてしまいます。

 

しかし、水蒸気状の水分だけは見事に吸ってくれるところが自然素材のすごいところです。

 

 

そして、寝ているときにかくのは「不感蒸泄」(ふかんじょうせつ)と呼ばれる水蒸気状の汗…。

 

 

そうです、寝具に求められるのは「吸水性」ではなく「吸湿性」なのです。

 

 

吸湿性が乏しいと、寝床の中が蒸れ、一晩を通じて快適な状態で眠ることができなくなります。

 

 

当店が体の近い部分で使う寝具が「自然素材」でなければならないとこだわる理由はここにあります。

 

 

羊毛やキャメル毛、羽毛などの動物性繊維にせよ、綿や麻などの植物性繊維にせよ、雨などから水分をそのまま取り込んでしまっては、生命の危機に関わります。体毛が水分をそのまま吸ってしまったら体温が奪われてしまいますし、植物だって根腐れしてしまうかもしれません。

 

自然素材は、水だけを弾き、水蒸気状の水分だけを取り込んでいくような仕組みを、長い時間をかけて作り出してきた卓越した繊維なのです。

 

 

ポリエステルやアクリル、ウレタンなどの化繊素材すべてを全否定するつもりはありません。

 

 

しかし、少なくとも寝床の中の温度と湿度を快適な状態に保つ機能としては、自然素材に勝るものはない、それが当店の考えです。

 

そもそも、衣服も寝具も、大袈裟に言えば家の外壁材に至るまで、「皮膚の代用」として生まれてきたもの。

 

その大切な皮膚の代用たる寝具が、汗を吸わない化繊素材でつくられたものであってはならない

 

それが、当店の考えです。