眠るまでの心地良さ=「快眠」ではない

 

 

長編小説の「序章」だけ目を通し、その物語を評価し、わかった気になる人はまずいないと思いますが、眠りでは「眠るまでの心地よさ=快眠」と誤解されることが多いです。

 

 

眠るまではほんの「序章」、朝目覚めるまでが眠りの「本編」となります。

 

 

良質な物語を読み終えると、清々しい気持ちになるように、優れた寝具は目覚めたときに鋭気を養い、後味までいいもの。

眠りは、眠るまでの時間より、むしろ、眠った後の方が長く、長丁場です。

 

 

眠っている間に起こる発汗や体温低下、寝返りなどの生理現象を妨げない寝具が本当に心とカラダが休まる良質な寝具。

 

 

しかし、電気毛布・アクリル毛布・アクリルファーの敷パッドなど、世の中、「眠るまで」心地良さを追求した寝具に溢れています。

 

 

これらは寝床に入った途端あたたかく、心地よく、寝付きも良くなりますが、眠りに入って低下するはずの心拍数が下がらなかったり、一晩にコップ一杯かくという汗の行き場がなくなったり、肝心かなめの眠りの「本編」をおろそかにしてしまいます。

 

良質な眠りが得られたかどうかは、朝目覚めた後わかるもの(いわば、最終章「エピローグ」ですね)。

 

「眠るまでの心地良さ=快眠」ではありません。

 

本当に大切なことは眠った後、起こっているのですから…。