「眠る努力」と「起きる努力」

 

 

 

「頑張って眠る」

 

そんな言葉を聞くと、何か違和感を感じるかと思います。

 

違和感を感じる要因は、 眠くないのに「眠る努力」をしても、絶対、眠れないことが誰しも経験上、わかっているから。

 

寝床で意気込めば意気込むほど、人は眠れなくなってしまう…

 

 

そう、「眠る」ことを「頑張って」はいけないのです。

 

 

眠れないときは、私たちにできるのは「起きている努力」だけ(その方が逆に眠気がやってきます)。

 

これが睡眠における唯一の正しい努力の方向性で、眠くないのに寝床に入って「頑張る」のは、一番やってはいけないこととなります。

 

眠くもないのに、寝床に入ってから「頑張って」眠ろうとすると、寝床に入ってから悶々と眠れない時間を過ごしてしまうことに…。

 

 

実際に寝ている時間から寝床に入っている時間(床上タイム)を割ったものを「睡眠効率」といい、これは85%前後が一番理想と言われています。

 

しかし、寝床で過ごす時間だけ長くなると、これが60%とか50%とか、睡眠効率がどんどん低下していきます。

 

 

こうなってくると、寝室に入ること自体がストレスになってきます。

 

 

特に高齢者の場合、必要な睡眠時間は加齢と共に低下しますが、若い頃もっと眠れていたという思いから、眠れないと、夜11時に寝ていた人が夜10時に床に就いたり、それでも眠れないとさらに9時に…と床に就く時間を早めていき、寝床で「眠れない時間」が増えていき、本当の不眠に陥ってしまうことがよくあります

 

 

高齢者の方こそ、特に7時間以上は床に入らないでください

 

 

夜、ぐっすり眠りたければ、「頑張る」のは夜ではなく日中です。

 

日中の活動量を増やせば、ピーンと張り詰めたゴムが緩んでいくように、落差が生じ、夜、心も体もリラックスし眠りに落ちやすくなります。

 

 

それでも眠れないときは「眠るまい」と頑張ってみてください

 

 

眠りは現実世界とはアベコベの世界…。

 

 

眠ろうとすれば眠れなくなり、眠るまいと「起きる努力」をすれば、自然に今、感じている眠気が浮き彫りになってきます

 

 

人ってほんと不思議な動物ですね…。