「若い女性事務員さんの年収くらいとお考えください…」

 

 

昨今、大騒ぎになっている小林製薬の紅麹問題…。

 

消費者庁に届出だけで「機能性表示食品」の認可が下りる規制の緩さが問題視されていますが、この話で思い出した出来事があります。

 

───それは今から15年くらい前の話、得意先の寝具店のMさんのところに行くと、お客さんから回収した敷寝具が構造がわかるよう剥き出しにされ、店頭に飾られていました。

 

中味は化繊のクッション材と緩衝材のプチプチを丸めてロール状にしたもの

 

「これなんですか?」と、Mさんに訊ねると…。

 

お客さんが訪問販売に騙されて30万くらい(このへんの金額はうる覚えですが…)で買ったものを回収したもので、悪い見本として飾っているのだと言います。

 

気になったので、後日、調べるてみるとこの敷寝具、「日本成人〇予防協会」という怪しげな団体の推奨品に認定されているではありませんか。

 

本当にそんな協会があるのかと疑い、調べると実在し、連絡先もわかったので問い合わせてみると、同協会の推奨商品として認定されていることは紛れもない事実だとわかりました。

 

それで、対応した職員に興味本位で色々訊ねてみることにしました。

 

 

「おたくの認定を受けるにはどうしたらいいんですか?」

 

それなりの費用が掛かりますが、申請書類を提出してもらえば認証されます」

 

「それなりの費用とは、どのくらいですか?」

 

「そうですね~、若い女性事務員さんの年収くらいだとお考えください

 

 

と、受け答えする職員。

 

裏を返せば、申請書類を提出し、費用さえ払えば本当に効果があることを検証することなく、簡単に認可が下りるような口ぶりでした。

 

 

「あぁ、その程度ですか、うちでも検討してみます」

 

 

そう、うそぶいて電話を切りましたが、同協会、1987年に設立された特定非営利活動法人(NPO)で厚生労働省かどこかの天下り団体臭い…。

 

こんなホームセンターで手に入るような材料を組み合わせたものが、成人病予防に効果があるわけないやろ…と、Mさんとあきれ果ててしまいました。

 

 

こういういかがわしい寝具を何十万もの価格で売り付ける輩がいるから、寝具店のイメージが悪くなり、我々、真っ当に商売する寝具店にとってはいい迷惑です。

 

そもそもこの敷寝具、素材は、化繊のクッション材とプチプチなので、寝心地はともかく、汗を吸収する要素は微塵もありません。こんなものを数十万円もの値段で「健康にいい」と勧めるなんてほぼ詐欺

 

そこに「日本成人〇予防協会」というNPO法人が、詐欺の片棒を担いでいるようなもの…。

 

いったい何を根拠に成人病の予防に効果があると認可しているのやら……。

 

利権を貪るとはこのことです。

 

「日本成人〇要望協会」、「機能性表示食品」とか、消費者を混乱させるだけのお墨付きって本当に必要なの?…考えさせられてしまう今日この頃です。

 

 

最近は悪質な訪問販売に騙されてふとんを買わされた、なんて話はあまり聞かないようになりましたが、皆様もどうかお気を付けください。