「我が人生に一片の悔いなし」
なんて冗談でも言えない。
私は、悔やんで死にきれない人生を歩んできた。
こんにちは。2025年度関西大学体育会サッカー部主務の千田陽介です。
選手ブログの大トリを務めさせていただきます。自身初のエッセイとして売り出そうかというくらい書く予定ですので、ご容赦ください。
「主務」
入部当初は天の上のような存在で、同時に憧れでもあった。想像以上に広く名が通っている関西大学体育会サッカー部の、学生におけるいわば最高責任者。
責任感だけが売りな自分にもできるかな。なんて軽い考えを持っていた。ただ蓋を開けてみれば、その考えとは裏腹に面倒をひたすら見てもらわなければいけない部員になっていた。
そんなやつが、主務をなんとか1年間やり遂げた。正直、どうなるかわからなかった。当てつけの自信で突っ走ってきた。素直に、よくやった。
区切りがついたこの時期に、自分というものを振り返ろうと思う。
みなさんは、これまでの人生を振り返ったとき、どのような言葉で表せるでしょうか。
私の人生は、「後悔」。
小学生の時、県大会であのミスをしなければ、ベスト8へ進めたのに、、
後悔。
中学生の時、謙虚な姿勢で練習に取り組んでいれば、もっと成長できたのに、、
後悔。
高校生の時、自分に実力があれば、チームを引っ張れていれば、全国で長く戦えたのに、、
後悔。
大学生、やらかすことなく、もっとチームに貢献できていれば、、
後悔。
後悔だらけの人生。気づいた時には後悔していて、思い返す度しんどくなるし、その時気付けないことに対して自己嫌悪に陥ることもあった。
そして大学サッカーラストシーズンの終盤。
チームは苦しい状況に立たされ、状況を変えられない自分に主務としての無力さを突きつけられている。
自分にもっと影響力があれば、嫌われる勇気があれば、チームの雰囲気を引っ張り、導くことができれば。そんな思いで押し潰されそうになる。
また後悔してしまうのか自分は。自分では精一杯やってるつもりだ。
でもそれはつもりなだけで、結果はついてきていない。
もしも後悔がなかったら・・・。気楽な人生だったかも知れない。後悔ってなんなんだろう。
ここで余談ですが、私は悩み事ができた時には本を読むようにしています。
人間の悩みは「仕事、人間関係、お金」などいつの時代も変わらない。本とは、これまで生きてきた何十億といった人の悩みを解決するために作られてきた。本を読むと大体のことは解決できる。
これも本に書いてました。水野敬也という作家オススメです。
さて、本題に戻ります。
「後悔の正体」。
自分がたどり着いた結論を述べます。
後悔とは、私が後悔ばかりする理由は、
「いつも何かを夢見ていたから」
なりたい姿を持っている人に、後悔は付き纏うことがわかった。
小学生の時、県大会で自分がヒーローになって優勝したかった。
中学生の時、実力者揃いの県トレセンでスタメンを取りたかった。
高校生の時、母校10年ぶりの高校選手権出場で、ベスト8になりたかった。
大学生、どんな形でもいい、チームのために動き、日本一に貢献したかった。
何者かになりたかったから、思い通りにいかないことに後悔ばかりしていた。
そして後悔は、人を苦しめるだけの存在ではないことも知った。
自分自身、後悔があったからこそ成長できた。
後悔が苦しいものであるから、人はそこから抜け出そうと努力を始める。
風邪をひいて熱が出るのは、ウイルスと闘い、乗り越えようとしているから。
筋トレして筋肉痛がくるのは、より強い筋肉をつくろうとしているから。
信じていることに裏切られる時もある。
だから、自分に嘘はつかないように生きる。
後悔ばかりの人生ですが、
一つ、後悔がないと言い切れるのは
「後悔をいっぱいした」こと。
いろんな後悔があったから、関西大学体育会サッカー部に入部して、みんなと出会えた。
副務に挑戦した。主務になろうと思えた。たくさん成長させてもらえた。
いつも後悔ばかりしている自分が嫌いだったけど、スタッフの方々、同期、先輩後輩、いろんな人に出会えたのは、間違いなく後悔を乗り越えようとしたから。
後悔のない人生だったらとか考えたけど、そんなのちっとも面白くない。
でっかい夢持って、ひたすらやってみて、失敗して、悩み、乗り越える。
結果、最高の経験や仲間というものを知ることができる。
スタッフの方々、頼りない主務ではあったかと思いますが、4年間指導していただきありがとうございました。時に厳しく、温かい指導をしてくださったから、入部当初では想像ができないほど成長することができたかと思います。
先輩方。お元気でしょうか。迷惑ばかりかけましたが、やらかしてばかりの自分を見放さず、向き合ってくださったから今の自分がいます。大変お世話になりました。
同期のみんな。みんながおったから、ここまでやってこれた。やらかして本気で辞めようか考えたこともあったけど、みんなで日本一の景色を見たくて、一緒に戦いたくて、続ける覚悟決めた。そんな自分に主務を任せてくれて、感謝してもしきれない、宝物。
後輩たち。夢見てばっかりで、後悔しか残さんような主務やったけど、みんなにはどう映ったかな。
でっかい夢持って、いっぱい挑戦して、自分たちが残した結果や関大らしさをさらに越えていって欲しい。実力派揃いのみんなやから、絶対できる。
関大サッカー部、酸いも甘いも全てが財産になる。
「日本一」
長年、関西大学体育会サッカー部が手にできていない称号。今年度も掲げた目標。
本気でこの目標を口に出して言える環境にいることのありがたさを、残り時間が少なくなった今痛感している。自分は最高な夢を持つことができる環境に恵まれていた。
社会に出て、何かで日本一になることは、想像することすら難しい。後輩たちは、後悔を残さないように「今」を大切に過ごしてほしい。
私は、この組織で過ごした4年間が短かったとは感じていない。過ごした時間全てが色濃く、鮮明に思い出される。
それは辛い時間を多く過ごしたからだろう。
ミスをしてしまったり、自分の思い通りにいかないことが多かったり。
その中で、今後の人生においても活きる学びを得た。
「足元を見失わない」
普段グラウンドでボールばっかり追いかけて、足元に落ちてるゴミに気付けないようであれば、
「日本一」やプロになるという大きな目標を持った時、必ず何かを見逃してしまう。
自分が後悔ばかりで理想を叶えられなかった理由も、理想ばかり追いかけて現実に目を向けられない、細かいことを追求できなかったからだ。
「周りの人のために」
自分の夢のためばかりじゃなく、周りの人のために行動することも大事だ。
人間皆小さい頃は、誰かに夢を見せられていた。そして時が経ち、夢を与える側になろうとしている。
自分のためばかりを考えてしまうと、夢を与える側には到底なれない。
「周りから吸収する」
プロになりたい、スタメンを取りたいなどの欲求を持っているならば、自分の形に固執するのではなく、他人の意見にも耳を傾けてみればいい。
自分に足りないものばかりに目を向けるのではなく、他人に足りていないものを与えてみてほしい。
なぜなら「評価」は、自分で手に入れるものではなく、他人から認められるということだから。
他人が与えてくれるものという視点を持って初めて、評価とは何かについて気づくことができる。
「夢に追われない」
夢が大きくなればなるほど、プレッシャーや積み重ねなければいけないことが大きくなる。その過程は辛く長いものになるだろう。
そんな時こそ夢を見始めた時のワクワクする感覚、小さな成長で喜んでいた頃を思い出してほしい。
そして、同じ夢を目指す仲間たちとの時間を最高に楽しんでいこう。
ここで得た学びは測り知れない。この組織が持っている可能性と同じように。
関西大学体育会サッカー部で過ごす限られた時間の中でしか得られないものが必ずある。
そんな組織を、OBとして応援できることを誇りに思う。
また会おう。関西大学体育会サッカー部。
最後になりましたが、関係者の皆様、本シーズン多大なご支援、ご声援をいただきありがとうございました。
ご期待に添えないことが多くあったかと思いますが、皆様の応援を真摯に受け止め、サッカー部一同尽力して参りました。
「日本一」の目標には届きませんでしたが、全国3位を2度、各リーグでも昇格や残留、上位といった結果を収めることができました。
結果以外でも関西学生サッカーリーグ第6節甲南大学戦において多大なるご協力、ご声援を賜り、800人を超える方々に観戦していただきました。
関西大学のホーム開催で最高の環境を実現していただき、今シーズンの中でも印象に残る一戦となりました。
今後とも関西大学体育会サッカー部にご支援、ご声援のほどよろしくお願い申し上げます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
またどこかで!