限界② | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

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ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

夏休み前は8時に出勤していたトーマシュですが、戻ってきてからは出勤時間がバラバラ。

11時近くに来ることが多かったんですが、「今日は早く来てみた」とか言って9時頃に来たり、10時過ぎに来たり。
取り敢えず契約の5時間(6時間?)働きさえすれば時間はどうでも良いとでも思っている感じ。
事務仕事などのオフィスワークならいざ知らず、洗い場の仕事にフレキシブルな出勤が許されるんでしょうか????
 
歯医者に行くという大義名分をかざせば、どれだけ遅れても許されると思っている節がありそう。
でも、さすがに1週間毎日歯医者に行くという理由が使えないと分かっているのか、午後出勤はなくなりましたが、バラバラなのは相変わらず。
 
そうして見えてきたことがありました。
 
前日の午後に残った量が多いと出勤時間が遅く、殆ど残っていないと出勤時間が10時前と早い。
調理場から出る洗い物なども含めて大体終わった頃に出勤してくる感じです。
 
大体のルーティンとして、朝出勤したら既に戻ってきてる食器類と調理場の洗い物を洗い、10時半頃にまた戻ってくる食器類を洗い、11時過ぎまでなんやかんやし、ちょっとした休憩をしたら洗濯物を干し、12時頃に一気に戻ってくる食器類を片付ける。
こんな感じで5時間が終わります。
この12時からの洗い物の量が多いのでヘルプが来ることになっているんですが、ヘルプの力量によって次の日に持ち越される量が決まります。
(というか、本来ならトーマシュがちゃんとやればヘルプはいらないんですよね)
 
怒鳴った次の週は比較的我慢強く仕事をしましたが、28日の月曜日は幼稚園が12時半までなので休みを取りました。
火曜日、出勤すると思った通り、大量の食器がワゴンいっぱいに積まれていました。
見ると食器に水が溜まっていたので、「あぁ、浸け置きはやってくれたのね」と思いましたが、いざ洗おうと一番上から食器を取り上げると、2枚目からはカラッカラ。
 
一番上に水が掛かっていると、見た目はすべて浸け置きがなされているようになります。
 
沸々と殺意が湧いてきます。
 
何でそういう手を抜くことを考えるのに時間を費やして、その時間で水を掛けるくらいできないのか。
 
「休んだお前が悪い。自業自得だ。苦しめ」
 
そう言われてるようにしか感じられません。
 
取り敢えずどれだけあっても午前中に片付けなければ、どんどん持ち越されるだけですから必死に片付けました。
トーマシュが来ても食洗機に入れて出すくらいしかしませんので、戦力として考えることは許されません。
おまけに「昨日は、自分とヘルプの2人だけだったから」と、これだけ残ったのは仕方ないという口ぶり。
お昼前にヘルプが来たので少し話したのですが、その子曰く
 
「あのじーさん、何なの?昨日何もしないで、全部私一人でやらなきゃいけなかったのよ」と。
これですべての説明が着きました。
 
もう、やっぱりなぁ…という感想しか出てきません。
 
そのヘルプの子は物凄く仕事が早いし、色々なことに目を配ってくれる素晴らしい子です。
それでもこれだけ残ったということは、奴は本当に何もしなかったということですよねぇ。
 
「なんか、ごめん。半分しか終わらせられなくて。じーさん、“明日やるから大丈夫だよ”とか言ってて」
 
と謝られてしまいました。
 
“明日やる”ということは、“私が”ですよねぇ。
 
午後の仕事が始まって、私は水を掛ける+手洗い、ヘルプの彼女は食洗器出し入れ+手洗い と、いい感じに仕事の分担ができているのですが、トーマシュはただ洗い終わった食器を調理場に戻すだけ。
本当に、極まれに水を掛けるんですけど、すごく適当で2枚重なって簡単に取れないものは上だけ水を掛けておしまい。剥がすのは私たちの仕事。勿論、2枚目には水が掛かっていないので水を掛けるのも私たち。
ガッツリついたソースとか簡単に落ちないので、スチールたわしでガシガシやらなければなりません。
あいつがやるだけで手間が増えて時間が掛かるのは何故なんでしょう?????
 
仕事終わり、上司のマルコに言いに行きました。
「もう、毎朝来るたびに罰を与えられているように感じる」
一番最初に私の口から出てきたのは、そんな言葉でした。
 
3週間前の怒鳴り合う出来事から少し経った時、「木曜日に社長とデトレフとトーマシュと4人で話し合うことになってる。その後で解雇になるから」と言っていたのに、その木曜日を過ぎてもトーマシュはいるし、全然マシになっていないし…。
 
それでもそのヘルプの子が4日連続で来てくれていたので何とかなりましたが、8月31日の木曜日までで9月1日は来ない。
木曜日は蓋を残すのみとなったので、さほど残っていないだろうと思っていたら、金曜日の朝も何故か結構洗っていないものが残っていて、トーマシュが来た時にもまだ洗い物をしているのに、「おはよう」と言ってすぐに洗い終わった食器を上に持っていくんです。
しかも、食洗機の中にはまだものが残っているし、それを待っても良いのに、待たずに直行。
そして長時間帰ってこない。
帰ってきたら調理場からの洗い物を持ってくるんですが、台車に載せたままでシンクの隣の台に載せることもせずそのまま。
食洗機が止まったのに気づいたら取り出しますが、新たに入れることはせずまた上に行きます。
台車には2,3個しか食器が載っていないのに、です。
 
そう、その日は食洗機に入れる、出すという作業さえもしなくなったのです。
 
運転手さんが戻ってきて、食器を運んできた時も台車を洗い場に入れるだけで「ほら、お前の仕事だぞ」とでも言わんばかりの態度。
頭にきて、頭を冷やすために洗い場を出ました。
シルビアを見つけたので話を聞いてもらいました。
「トーマシュと話してみた?“手伝って”って言ってみた?」と言うので、
「いや、私はもう普通に彼と話せないから、言わない。言ってもやらないし」と答えると、私が言ってあげると言ってトーマシュの元に行きました。
 
「彼女を手伝ってあげることはできな?あの子、朝からずっと一人でやってるのよ」
 
すると「自分だって仕事をしてるんだから云々」と…
 
それを聞いた私は「仕事!?何をしてるのよ!?」とすぐに大声を上げてしまいました。
シルビアは「あなたも、そうすぐに興奮しないで」と私を諭そうとしたんですけど、トーマシュが追い打ちをかけるように「同僚には親切に、優しく接するものだ」と言うので爆発!
 
「し、親切!?どうやったら親切にできるの!?仕事をしてるなら親切にもできるけど…」と怒鳴ったところでプツっと何かが切れてしまいました。
 
もう、無理…
 
帰ろう…
 
マルコの所に行って「今日は、もう、無理。仕事を続けることができません」
 
事情を説明する時に、メチャクチャ手が震えてました。物凄い興奮状態。
今までのこと、今日の彼の仕事ぶり等々、それでいて“自分に親切に丁寧に接しろ”と言われた…と。
 
マルコは「同僚に親切にと言っても、自分は上司だから、自分が彼に親切にする必要はない」と言って下に降りていきました。
 
落ち着くために、ちょっとここに座って。
と言い残して行ったんですが、シルビア、デイヴィッド、調理補助のアルネなど入れ替わり立ち替わり言葉を掛けてくれました。
デイヴィッドが「トーマシュは帰ったから」と言うので、仕事を再開しようと下に行くと、まだ声が聞こえてくるので、踵を返しご飯を食べることにしました。
大好きな甘いパンを食べようとしたのに、興奮状態でお腹がいっぱいになってしまって入らない…。
 
それから更に10分くらいして戻ると、いなくなっていたので安心しました。
その日はヘルプが来ないので、シルビアがトーマシュの代わりにいてくれたのですが、もう、本当に嫌だったので心配で「月曜日、彼に会いたくない」とこぼすと、「え?彼はもう、来ないわよ。クビ」と。
 
え!?
 
帰すのは今日だけだと思っていたので、理解が追いつきませんでした。
 
続く