出産のための入院生活 | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

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ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

前回、3月に入院した時には出産の為ではなく胎盤の剥離を疑われたためなので、一応病気と言うかそんな感じでしたが、今回は出産の為なので全く違う感じでした。

 

前回から2か月近く経っているのに、中には私の名前と顔を覚えてくれていた看護師さんも数人いてびっくりしました。

そんなに印象に残る患者だったんでしょうかね?

そりゃぁ、同室の女の子と談笑して、和気藹々と入院生活をしていましたし、時には看護師さんも交えて楽しい会話をしたんですが、そんな人はいくらでもいるでしょうし、印象に残るようなことは特にはしていないんですけどねぇ。

まぁでも、覚えていてくれて声をかけてくれたり、前回の事をちらっとでも話したりできるというのは嬉しいものですね。それだけ気にかけてくれてたのかな?と思います。

 

前回は婦人科の先生が大慌てで、大事を取って大学病院に送るということで入院生活になってしまい、結果は何ともなかったという話でした。

胎盤の剥離が見られる“かもしれない”と言った感じでしたし、私には陣痛の自覚はなかったのに陣痛が来ているとか何とか、病院で言われてしまいました。

おまけに、出血なんて一滴たりともしていないのに、「出血が止まったら退院できます」とか言われて、「は?私、出血もしてないし羊水も出てきてないし、一滴も水分を失ってないんですけど」と言うと、「じゃぁ、何でここにいるの?」と逆に聞かれてしまったり。

それは私が一番知りたいです!と声を大にして言いたいと思いました。

 

今回、出産に当たって陣痛誘発剤を使って出産という流れになったんですが、それだけでなく、今まで何ともなかったのにいきなり「糖尿病です」って言われて驚きました。

確かに婦人科で血糖値の検査をしましたが、それは「尿から糖が検出された」って言われたからです。それだって驚きで、しかもその一回だけ糖が出ただけだったんですよ。

それでも婦人科の先生は大事を取ってということで、本格的な検査をしたわけですが、その後の検査結果を聞いた時には「大丈夫。何も問題なかった」という答えを貰っていたわけですから、出産間際まで何もしていませんでしたし、出産のために入院した時に初めて「あなたは糖尿病です」と断言されたようなものでした。

 

出産前に指先を刺して血を取る検査を、食前・食後と就寝前の1日7回やると言われ、出産までやるなんて言うもんですから、抗議したんですね。

それでも検査する。あなたは糖尿病です!的な態度は改まらず、困った私は婦人科に電話をかけて助けを求めました。

 

「今、誘発剤を使った出産に向けて大学病院に来てるんですが、糖尿病じゃないですよね?」

 

「糖尿病じゃないですよ」

 

「でも、大学病院の人たちが糖尿病だって言い張って、聞く耳を持ってくれないんです」

 

「え?でも検査の結果は大丈夫だったでしょう?」

 

「そう言ってるのにダメなんです。違うって言ってもらえませんか?」

 

「数値は悪いものじゃなかったし、説明すれば分かってもらえるわよ」

 

と、婦人科の人もこちらの状況が呑み込めずに、説明すれば良いの一点張り。

 

もう、有無を言わさず看護師さんに私の携帯電話を差し出して、直接対決をしてもらいました。

軍配は…。

 

どちらにも上がらず、両者引き分け。

結局出産までずっとやる検査を1日だけで良いという事になりましたが、一体このやり取りは何なんでしょうね。

 

結局、産後1日目にも同じ検査をやる羽目になってしまいました。

産前も産後も数値は問題なし。

88が正常値だったかの範囲ギリギリで、それが私の場合89だったとか。

婦人科の先生はそれくらい誤差の範囲だろうと思って特に何もしなかったみたいですし、こちらにも知らされていませんでした。なので大学病院での出来事は青天の霹靂。

糖が出たのも一度きりで、それ以降は出ていませんでしたから糖尿病のわけがありません。

 

自分で検査したのはいつ?

なんて聞かれても、一度もやったことありませんよ!と答えれば、だってあなた糖尿病でしょう!?違うなら何でここにそう書いてあるの?

 

とこっちに聞いてきます。

間違いだと言っても聞かないくせに。

 

 

陣痛誘発剤を使ってもなかなか陣痛が起こらない日々。

日本のサイトを見ると、歩いたり階段を上ったりするように言われると書いてあります。

分娩室で検査をしてくれた助産師さんも、歩いたり階段を上ったりすると良いというので、検査後病室まで歩いて帰ることにしました。

分娩室、地下2階。病室、地上9階。

 

速足ではありませんでしたが、階段を上るというのはかなり疲れますね。

息も切れ切れになり、途中で休んでいると、すれ違う人すれ違う人皆、「大丈夫ですか?歩けますか?看護師さんを呼びましょうか?」とものすごい心配した様子で声をかけてくれます。

大丈夫です。ちょっと休めば治まりますからと言うと、ものすごく怪訝そうな顔をされます。

陣痛が来ないもんですから、焦りがあったんでしょうかね。とにかく何かできることをしなくてはと必死でした。

そんな状態で休みつつ9階まで来て、自分の部屋のあるセクションの扉を開けると、そこにいた見舞客の男性が私を見てびっくり!!

大丈夫ですか!?と凄まじい勢いで聞いてきます。

それはちょうどナースステーションの目の前。

その声を聞いた看護師さんたちがわらわらと出て来るではありませんか。

口々に大丈夫?と聞いてきますので、

「地下2階からここまで歩いてきただけだから大丈夫ですよ。ただ息が切れてるだけで」

と言うと、そこにいた全員が一瞬ポカンと口を開けてから

「地下からここまで!?」

「歩いてきたの!?」

と叱責するような、大笑いするような、何とも複雑な感じになってしまいました。

 

「いや、だって助産師さんが階段を上れって言うから」

と言うと、ベテラン看護師さんは

「階段を上れってのはせいぜい1階分くらいなの。そんなに歩く人はいませんよ!」

と言うではありませんか。

そのほかの人たちは、生まれそうなかと思ったとか、痛みがあるのか、具合が悪いのかとか心配したようで、ちょっとしたパニックを引き起こしてしまいました。

 

「しかも、階段を使うというのは、降りる時だけ。上るのはダメ!いい?」

と念を押される始末。

 

次の日には看護師さん全員にそのことが伝わっていたようで、その場にいた看護師さんも含めて、検査に行く私の顔を見るや「ここまで歩いて帰ってきちゃだめよ」と笑います。

いやぁ、だったらどのくらいか限度を言ってもらいたいもんですね。

 

 

出産間際まで苦しんでいた胃酸の逆流。

横になっていれば胃酸で喉が焼ける感じがして、とても苦しい思いをしていました。

夜中にどうしても我慢ができなくなった私は、ナースステーションまで行き、薬を貰う事にしました。

すると看護師さんの一人が

「“胃酸の逆流が激しいと、髪の毛が多い”って言われてるのよ」。

 

「えー、そうなの?」

と思っていましたが、実際生まれたばかりの子を見て

 

「確かに髪の毛が多いかも」

 

と思ったのでありました。

 

実際にはどうかは分かりませんけどね。

 

そんなこんなの出産までの入院生活でした。