入院生活 | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

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ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

急に大学病院に入院することになってしまった私。

 

その日の晩は分娩室の1室に泊まることになりました。

2時間おきに30分の心電図の検査。

眠れるはずもありません。

 

しかし眠れない理由は心電図の検査だけではありません。

私がいた大学病院の分娩室というのは10部屋くらいが一つの場所に集まっているので、時折うめき声が聞こえてくるんです。

あーーーーっっとか、うーーーーっっとか。

それはもう、他人事ながらとてもとても辛そうで、ハラハラしてしまいます。

そうかと思えばいきむ声が聞こえて来て、「あぁ、頑張ってくれ。早く生まれてくれ」と願ってみたり。

 

出産に関してはまったく初めてなので、どんな風に進んでいくのかとても気になっていました。

日本のテレビなんかで出産シーンを見たりすると、激痛にうめきながら何時間も汗だくになって耐えていたりしますし、いざ産む段になっていきんでも出てこないとかありました。

なのでそんな状態で激しく叫んだり、助産師さんが励ましたりする声がすごいんだろうなぁなんて思っていたのですが、うめき声だけで叫び声は殆ど聞こえてこず、聞こえて来ても2,3回ふぁぁぁぁぁぁぁぁっと叫んだと思ったら、今度は赤ちゃんの泣き声が聞こえてくるので、その早さにものすごく驚きました。

早い人でほんの数十秒。長い人でも1,2分といったところでした。

 

私の印象は、「え?そんなに早く生まれるもんなの????」という感じです。

その日の晩は5人の赤ちゃんが誕生していました。

 

生まれるにあたって助産師さんたちが走り回って忙しそうになるとかそんなのもありませんでしたし、誰かが大声で励ますというのもありませんでした。

一度男性の声が大きく聞こえて来たことはありましたが、案外淡々としているんだなぁって思いましたね。

 

一晩明けてようやく普通の病室に移れることになり、10時過ぎくらいに部屋に連れて行ってもらう事に。

そこは以前、事前登録をする時に説明を聞いたところでもあり、準備コースの見学でも見て回ったところでした。

妊婦さんや出産を終えた人たちがいるところ。というより、そういう人しかいないところです。

 

今までに何度か入院したことはありましたが、今回は何となく不思議な感じがしました。

今までは色々な病気の人が混ざっていたので年齢も様々。

でも妊婦さんしかいないという事で比較的若い人ばかりが集まっていますし、みんなお腹が大きかったりします。

何というのか、一体感があるというのか、本当に不思議な気持ちになりました。

 

何より看護師さんたちがみんな優しくてものすごくフレンドリー。

一般病棟ではありえないほど和気藹々とした雰囲気です。

みんなが同じ状況にあるからか、お互いがお互いを気遣う雰囲気もありました。

 

2名1室の病室は、子供が生まれた人も使うため、子供用のベッドを置くスペースがあるためにちょっと広めになっています。

先にいた女の子のところには週末という事もあり既にお見舞いのお客さんが来ていました。

 

日本で入院したことが15年くらい前にありますが、病室にあるのは殆どお花ばかりでしたが、その女の子のところは大量の飲み物とお菓子、果物などです。

私が入院したのは腎盂炎でだったというのもあるのか分かりませんが、飲み物の差し入れやお菓子などの食べ物もダメでした。

しかしドイツでは何でもOK。

病院食もカロリー制限や塩分調整のされた味気のない食べ物でしたが、ドイツでは極々普通の味付け。というかちょっとしょっぱい…。

 

こんなのや

 

こんなのがお昼ごはんとして出されます。

おやつに焼き菓子も付いてきます。

 

朝食はこんな感じで

 

夕食はこんな感じです

 

入院するとメニューリストが渡されます。

そこから自分で好きに選べます。

朝食、夕食はパンの種類、バターやマーガリン、ジャムなどパンに塗るものやハム、チーズなど上に載せるものを選びます。

朝食と夕食の違いは小さいバゲットのようなパンがあるかないかだけです。

夕食は何故かスライスされたパンしかありません。

昼食は普通の食事、軽い食事、ベジタリアン食から選べますので、3種類の中から食べたいものを選べばOK.

もし食べたいものがなくても、病院の中にカフェテリアや軽食を扱っているお店が入っているので元気で動けるのであればそこまで行って食べる事もできますし、なんならお見舞い客にファストフードとか持ってきてもらう事もできますので、食べるものがなくて飢えることはありません。差し入れに大量のお菓子とかありますしね。

飲み物は紅茶やコーヒーを持ってきてもらう事もできますし、廊下にポットが置いてあるので自分で好きな時に好きなだけ飲むこともできます。お水もガス入り、ガスなしの両方の瓶が置いてあるので、それも好きなだけ病室に持ってくることができます。

 

インターネットもテレビも専用のカードを買えば使えますし、快適に過ごせます。

 

ちなみに隣の女の子はドイツ生まれのトルコ人だったので、やっぱりドイツの食事は口に合わないと嘆いていました。ドイツで生まれ育っても家庭でトルコの料理ばかり食べていればそうなりますよね。気持ちが痛いほど分かります。

さすがに4日の入院でご飯が食べたくなることはありませんでしたが、食欲はあまり湧きませんでした。朝ごはんのパンなどはおいしく食べられましたが、自分で選んだにもかかわらずどうしても昼ご飯に食指が動かないんですよねぇ。

一日だけ晩ごはんにマクドナルドを買ってきてもらった時は、おいしいと思いました。

やっぱり食べなれた味だからかなぁ。

その女の子はご飯をあまり食べず、スナックばっかりポリポリずっと食べていたのが印象的でした。

 

金曜と土曜に打たれた注射は、胎児の肺の成長を促進させるんだとかで、その注射を打った後は48時間動き回ってはいけないと言われていたので、トイレに行く以外は部屋から出ることも許されず、ずっとベッドの上。

そうすると食べることぐらいしかできないので、私も結構甘いものを食べてました。

太らず逆にちょっと痩せてしまいましたが…。

 

私はもともと高血圧でしたが、病院では何故か今までに見た事がないくらい血圧が下がってしまっていたので、食べ物の管理などはされませんでしたが、糖尿病とか高血圧で入院している妊婦さんは、厳しいコントロール下に置かれるんでしょうか?

ちょっと謎です。