急転直下 | エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

エルコのブログ ~ドイツはライン川のほとりで~

ドイツはライン川の近くに住むエルコが、日常の風景をお届けします

いやはや、ジェットコースターに乗っているような気分でした。

 

何がって、先週の金曜日の午前中、洗濯をして掃除をして買い物に行ってとやっていたら、スーパーで何やらお腹が痛くなってしまったんですね。

おへその右側指4本分のところがキューっと硬くなってしまって。

内側からガシッと掴まれてギューッと下に体重をかけながら力いっぱい引っ張られているような、そんな感じの痛みでした。

ずっとあるわけではなく、痛みもほんの1,2秒程度のもので、車で帰ってきてから親に電話をかけて相談。

何があるか分からないから、とりあえず産婦人科に行った方が良いと言われたので行ってきました。

 

歩いて行っても10分程度のクリニックですが、歩いている最中に痛くなって動けなくなっても困るので、車で行きました。

いつも笑顔で挨拶をしている私ですが、さすがにキューキュー絞られるような痛みがあったので笑顔は引きつり、呼吸も荒くなってしまい、そんな私を見た受付の女性は「そんなに痛いの!?」と言ってすぐさま胎児の心音を聞く装置のある部屋へ私を通してくれたんです。

 

のたうち回るほどではないし、昔しょっちゅうなっていた腎盂腎炎の痛みに比べれば蚊に刺された程度の痛みでしかないんですが、ギューッとやられるとさすがに「うっ」と声が漏れてしまうんです。

最初に胎児の心音を聞くか先に先生の診察を受けるか聞いてくると言って、看護師さんは去っていったんですが、すぐに先生が来てすぐに診察。

お腹のどの辺りが痛いのかまずは触診。続いてお腹の上と、経膣のエコーを取りました。

 

すると先生、私が痛いと訴えるところのエコーを見るや「胎盤が一部剥がれているかもしれない…」と一言。

それでも出血もありませんでしたし、破水もしていませんでしたし、痛みもさほどではありませんので、私は目を白黒させるしかありません。

 

「自分のところでは詳しい検査はできないので、今すぐ救急車を呼ぶから大学病院に行ってください」と言われビックリ。

 

ちょっとしたお腹の張り程度のもんだと思っていたので、張り止めか何かを貰って終わりと思っていたら、何やらとんでもない事になってしまいました。

 

救急車って…。

いや、私自分の車でここまで来てるし、そこまでお腹痛いわけじゃないから自分で行かれるか、もしくは夫が来るまでまって連れて行ってもらえば良いんじゃ??????

 

でも先生は渋滞に嵌まったりしたら大変だから、救急車で行った方が良いと譲りません。

 

看護師さんに救急車の手配をお願いすると、私に状況の説明を始め、大学病院には小児科もあるのでもし最悪今すぐに生まれてしまっても対処してくれるから安心してと言います。

先生の見立てでは子宮頚管もまだまだ3cm以上あるし、子供も下がってきていない。陣痛もないし子供も元気。でも何かあっては大変だということで、最善を尽くしてくれたわけです。

 

先生の説明も終わっていない段階で救急隊員登場!

 

その前に私は夫に電話をして状況を伝えなければなりません。

「お腹痛くて産婦人科に来てるんだけど、これから大学病院に行かなきゃいけないんだ」とまで言ったところで先生が変わってくれというので、先生に説明をしてもらいました。

 

その後すぐにズボンを履いて準備に取り掛かるんですが、看護師さんがなんと私にズボンを履かせてくれようとするではありませんか!!

 

いや、本当に大丈夫ですって。

一人でズボンを上げることくらいできますし。おまけに靴まで履かせてくれようとするんです。

 

もう、何が何やら、本人はケロッとしているのに周りがあたふたしちゃってるもんですから、もう、不謹慎なのはわかってるんですが、笑うしかありませんでした。

 

自分で歩いて救急車のストレッチャーまで行かれるのに、乗せてくれようとするし。

 

ストレッチャーに横になった途端にベルトで固定されて身動きが取れません。

看護師さんはもう、ほとんど泣きそうな顔で私の手を握り「大丈夫だから、大丈夫だから」と言ってくれます。

 

あの、泣きそうな顔しないでください。

私は笑ってます。

人間、予期せぬ事態に直面すると笑うしかないんでしょうか?

大勢の人が私のために一生懸命になってくれてるのに、当の本人はもうその状況がおかしくて仕方ないんです。俯瞰的に見てしまっているというのか実感が湧かないというのか…。

 

痛みが来れば「うっ」となって顔は多少歪みますが、それ以外は何ともないので頭の中は別の事を考えています。

 

「しまった!!すぐに帰る予定だったから、洗濯物出しっぱなしだ…。雨、降らないと良いなぁ」とか、「あぁ、もうすぐお昼だからお昼何食べようかなぁ」とか、「救急車に乗る経験なんて滅多にないよなぁ」とか。

 

救急車はサイレンを鳴らして突っ走ります。

10分ちょっとくらいでしょうか、大学病院に到着し、すぐさま処置室というのか分娩室の一室に運ばれて検査、検査、検査です。

 

到着後、比較的早く夫が来てくれて、一緒に検査の説明を聞いてくれました。

痛いところを指さして、血液検査にエコー検査に心音の検査。

機械が多少良いくらいの差があるだけで、あとは産婦人科でやった検査と変わりません。

胎児の心音が170と異常に早く、助産師さんの一人が「水分いっぱい取った?」と聞きます。

「いや、今日はあまりとってないです。コーヒー一杯だけ」と言うと、おしりをペチペチされてしまいました。

すかさず夫も「いつも言ってるのに飲まないから、自分の分もお願いします」と言い、ペチッともう一回追加…。

「だって、今日は買い物に行ったり病院からここに直行とかで、飲む時間なかったじゃん。

あ、紅茶をもう1杯飲んだ」と言って自分で褒めるために頭をなでなでしたら、その紅茶一杯分頭を撫でてくれました。ははは、なんじゃこりゃ。

 

薬を貰って飲み、その15分後くらいにまた次の薬を飲み、途中で注射をされ、さらにまた薬を飲みます。

心音の検査はその日1日延々と繰り返され、2時間くらい器具を付けたまま横になっているだけ。トイレに行きたくなっても助産師さんが来てくれないので行かれません。

夫も仕事の途中で駆けつけてくれたので、2時間くらいはいてくれましたが仕事に戻らなければなりません。

 

今後の展開、今日何時くらいに帰れるのか聞いたら

「これからまだ心音の検査が続くし、注射も打たなきゃいけないし」云々との事。

 

えーっ、また明日注射の為だけに来るのかぁなんて思っていたら、助産師さんから意外な一言が。

「週末は様子見のためにここにいてもらって」

 

えーーーーーーー???????

 

入院?????????????

 

「さっきの注射を24時間後にまた打たなきゃいけないし、その後は1日3回心音の検査で」って。

どのくらいか聞いたら1週間くらいじゃない?って…。

 

何てことでしょう…。

 

私はその日の晩ごはんをおでん風のものにすると決めていたんです。

そのために大根を買いに行ったんです。

週末は、もう1か月前からとあるケーキを焼くことを楽しみにしていて、そのための材料も買いました。

次の週の木曜日には産婦人科での定期検診があるので、先生たちのためにチョコケーキを焼こうと、これまた1か月くらい前から楽しみにしていたんです。

 

それを1週間も入院してしまったら、何もできないじゃないですかぁぁぁぁぁぁ。

 

でもまぁ、仕方ないですね。

自分一人の体じゃないし…。

 

張り止め程度のものだと思っていたのが、急に入院になってしまったのでありました。