妊娠してから、体の変化や症状注意点など、必要な事は大体インターネットの日本のサイトで勉強しています。
ドイツにも似たようなサイトがあり、妊娠1週目からの様子がまとめられていますが、そんなにすらすら理解できるほどのドイツ語力があるわけでもないので、ドイツ語のサイトは夫に見せて勉強してもらっています。
面白いのは日本のサイトとドイツのサイトで同じような内容が載っているにもかかわらず、ほんの少し様子が違っている事です。
日本のサイトは妊婦さんの不安を消すような、寄り添った感じの優しい感じがします。「もう少しです、頑張りましょう」とかそういった言葉が載っているのも特徴だと思います。
ドイツのサイトはそういった事はなく、淡々と症状や状態、理由の解明などちょっと堅苦しい感じというのか医学的に正しいことを書こうとしているのか、とにかく冷静な口調が特徴のように思えます。
妊娠中期からホルモンの関係で物忘れが激しくなることもあるなど、日本のサイトではあまり見ない記述があるようで、夫から聞くたびに面白いなぁと思っています。
日本のサイトには産院探し(分娩予約)についても載っていて、場所によっては胎嚢が確認された段階で分娩予約を取った方が良い、既にかかっている人を優先に予約を取る産院があるから、妊娠前から通ってコンタクトをとっておいた方が良いなど、色々と書いてありました。
その時期にいっぱいだと予約が取れない、別の病院を探さなければならないなど、かなり厳しい様子が見て取れます。
なにせ初めての妊娠、出産なのでドイツでの情報がありませんし、一応の流れは国が違えど大体同じだろうと思って日本のサイトで勉強しているので、こちらでもそろそろ病院を探さないといけないと焦り始めました。
一応、かかりつけの産婦人科の先生は妊娠20週を過ぎたころから始めれば良いと言っていたような気もしますが、早いに越したことはないだろうと思い、夫に頼んで先生に薦められた病院のサイトを見て貰いました。
先生が言うには、「どこの病院でも産めるなら構わないけれども、新生児を見られる科がある病院の方が何かあった時にすぐに対処してもらえるメリットがある」との事で、そういった科がある病院はうちの近くには大学病院しかありません。
毎月第1、第3木曜日の18時から説明会を開いているというのを見つけ、昨日がたまたま開催されている日だったので急遽行くことに。
小さめの部屋に椅子が並べられ、黒板には「♡lich Willk♡men!」(ようこそ!)と書かれていました。
時間になると続々と人が入ってきて、並べてある椅子だけでは足りないくらいの盛況ぶり。ビックリしました。
先生が一人入ってきて、色々な説明をしてくれます。
病院内の説明、システムの説明、緊急時にはどうするのか、その時の対応はどういった事をするのか、帝王切開はどのくらいの頻度で起こるか等々、必要な説明を盛り込んだ内容です。一つのテーマが終わるたびに質問の時間を設けてくれるのも親切です。
痛みがあったら電話をしてください、でも電話だけで判断ができないので大抵はすぐに来てもらいます、
破水してもそれが羊水なのが尿なのかも電話では判断できないので、自己判断をして夜を家で過ごしたりせず、まずは病院に来てください
など、かなり妊婦に対応している病院のようです。24時間365日産婦人科の先生、アシスタント、助産師が常駐しているというのも安心です。
緊急の入り口の入り方も説明され、車を近くに置いておいても撤去される心配はないなど、かなり具体的な説明を受けました。
一通りの説明が終わった後、出産後に泊まる部屋を見学し、その後分娩室の見学に移りました。
ぞろぞろと連れ立って移動するのですが、その時ふと何か不思議な思いがありました。説明を受ける時にいた部屋でも感じたのですが、その時の感覚が何だったのかようやく思い当たりました。
みんなお腹が大きいんです。
多分、一番小さいのは私。ほとんど出ていないので妊娠しているのか判断するのが難しいくらいですが、私以外の女性はみな出っ張ったお腹をしていました。人によってその大きさはまちまちですが、「この人小さいな」と思った人でも26週目だそうで、一番大きな人ではほぼ臨月じゃないのかと思うほどです。
そんな人が今、説明を受けに来ている…。
今、この病院に来て説明を聞いているという事は、まだ分娩の予約をしていないという事です。
どうなってるんだろう???
ちなみに産後に泊まる日数は、普通分娩で3日、帝王切開でも4日だそうです。
分娩室はベッドと浴槽が置いてある部屋、ベッドだけの部屋とあるようで、水中で出産したい人は選べるそうです。
ただどの部屋にも生まれた子供用の台があり、その上には保温のためのランプが設置されており、産んだ直後にお母さんの胸に抱くことを強く勧めています。子供との最初のコンタクトの時間を無駄にしないように、すぐに処置できるようにしてあるそうです。
帝王切開で生まれた場合は、母親ではなく父親の胸に抱かせるみたいで、とにかく一番最初の肌の触れ合いをとても大切に考えているそうです。
分娩室にあるのはベッドだけなので、付き添いの人の椅子さえない状態で、さすがに参加者からどこにいれば良いのか質問が上がりました。
大抵は妊婦の頭側に立っているそうです。「女性だけじゃなく男性にも過酷なのよ、出産は」とその先生は笑います。
男性もずっとそこにいるわけにはいかないので、荷物を取りに帰ったり、自宅で休息をとる事もできるそうです。何かあれば電話で呼び出すからとの事。
最後に、届け出というか予約ができると言うので私たちもする事にしました。
順番が来て、助産師さんと話をしたのは、名前、連絡先、仕事、最初のスクリーニングを受けたかどうか、またその結果。
これだけです。
助産師さんが出ようとするので、「予約は?」と聞くと「何の予約?」と…。
いや、分娩の…
「あぁ、大体出産予定日の3週間前くらいから予定してるから大丈夫。何かあったら来てくれれば良いし、破水したらその時に来てくれれば」
そんなもんなの??
混みあっちゃってとかだったらどうするんだろう?と思いつつも、予約ができないんじゃぁ他に何もしようがありません。
何というか、計画性がないと言うのか、臨機応変に対応ができるのというのか、とにかくすっごく簡単みたいです。
その病院に登録をしなくても、何かあったらすぐに受け入れて貰えるし、出産も直前になったらという感じで、私の焦りは無駄だったようです。
まぁ、予約が取れなくて別の病院を探さなければならないという事態は避けられたので、良い事なんでしょうけど。
なんか、拍子抜けです。
話を聞いてみない事には、分からない事ですよね。話を聞いても本当にそうなのかにわかに信じられないのですが…
でも、だからこそ、私以外の妊婦さんは大きなお腹を抱えて今頃説明会に来ているんですね。
とはいえ、本当に予約なしで良いのか、いまだに不安な私です。