天皇皇后両陛下の英国ご訪問が終わり、間もなく帰国される。

 

数年前にエリザベス女王から受けたご招待がコロナなど諸事情で叶わず、女王亡き後、やっと叶ったということだが、このご訪問がいつになく気になった理由がいくつかあるが、その一つがこれがチャールズ国王が代替わりして、真っ先に実現したということ。母君の遺志を継いでということか。ご自身の重病を押して行われたということが、義理堅く、心を打つ。日本語で祝辞を述べるなどサービス精神も満点だ。

もう一つは天皇陛下がご自分のお言葉で、インタヴューに応じられたということ。これは初めてのことではないだろうか。いつもは宮内庁が用意したお仕着せの文言を読み上げるだけで、おもしろくもなんともない。まるで操り人形のようだった。ご自分のお言葉で述べられた陛下は、いたってフツーの人だ。親近感を感じる。

また、至る所で雅子皇后への気遣い(愛と尊敬)を感じられたのも良かった。

また、雅子さまも強度の馬アレルギーにもかかわらず、せっかく準備してくれた馬車でのパレードをお断りにならず、マスクをして臨まれたということだった。

 

その昔、ご婚約の一報が流れた時には、小学校低学年だったチビガキどもが、一斉に「もったいな~い」(彼女は彼にはの意)と叫んでいたのを思い出す。あんな子供に何が分かるのかと可笑しくなったが、私も正直同感だった。

今回彼女が学んだオックスフォードの教授も、婚約の話を聞いて「彼女のキャリアもこれで終わってしまうのか」と落胆したという話を聞いた。

確かに雅子さまはその後、愛子さまのご誕生を除いてはイバラの道を歩かれたようだ。

 

私が今、心より望むのは今回の英国ご訪問が突破口となって、新しい世界が開けることだ。陰湿ないじめなどなく、もっと開かれた、それぞれの持ち味を発揮できる人間らしい愛に満ちた世界が開かれますように。