4月も中旬、あともう少しでゴールデンウィーク
頭のなかでは時間の許す限り「クエ釣り」を予定
ただ仕事の都合やその他用事で予定の半分も行けないのが現実
まあ土地柄、行こうと思えばいつでも釣りに行けるからいいや
いつでも行ける環境、すなわち行こうと思えば平日の仕事終わりからでも4~5時間の夜釣りなんかは可能
ただし嫁様の許可が必要ですが
ただ体力的にも仕事で疲れて夜釣りは無理ということもありますし・・・
しかし20代、30代の頃は平気で夜な夜な夜釣りへ通っておりました。
そんな夜釣りのターゲットはシブダイ
「シブダイ」標準和名「フエダイ」
地元では「アブライオ」近隣ではアカイサギ、紋付、ナベワリ、など様々な呼び名が有りますが近年は九州地方のシブダイと言う名前が釣り人のなかでは定着していてシブダイで通す方が解りやすいのかな、と思います。
九州地方では以前より磯釣りのターゲットとして確立されていたみたいですが高知県西南部ではここ数年にかけて注目されている魚種です。
ただ注目されていなかっただけでシブダイは昔からよく釣れておりまして
自分がこのシブダイを専門に狙い始めたのも20年以上前になります。
20代の頃、石鯛釣りに没頭しておりまして毎日のように磯へ通っておりました。
ただ真夏になると厳しい暑さで何ともならず石鯛通いにややブレーキが
そんなときは仕事終わりからの夜釣りへ
ただターゲットはその頃はシブダイではなく「タマメ」九州地方でタマン、標準和名ハマフエフキ
なんと言っても「磯のダンプ」と言われるくらいの暴力的な曳き
石鯛タックルをそのまま流用してのぶっこみ釣りでのガチンコ勝負。
冗談じゃなく大型(8kg越えくらい)になると身体持ってかれそうになるくらいのパワー
釣りのターゲットとしても地元ではメジャーな存在でしたのでもっぱらタマメ狙いで夜釣りに通っておりました。
そのタマメ狙いに外道で釣れるのがウツボやトウヘイ(クロアナゴ)の長物に加えてシブダイ、クロホシフエダイなど。
当時はシブダイの価値を知らずタマメ以外はリリースしたり人にあげたりしておりました。
余談では有りますが当時、自分は水産会社に勤めていまして日々魚市場にて多種多様な魚を観ながらの環境でしたがシブダイはほとんど観たことが有りませんでした。
いや水揚げされていたかも知れませんが自分の目には入っておりませんでした
なので夜釣りでシブダイが釣れても「またシブダイかよ~」て感じでした。
ただ食べていたのでシブダイの旨さには気付いていてたまに持って帰って食べるくらいでした。
そんな頃本命のタマメは釣れなかったのですがシブダイが一時入れ食いになり二桁釣果となり持って帰り知り合いに分けていたらそのなかの漁師のおんちゃんが「こんな高級魚貰うってええの」と言われ、ん!高級魚?・・・
そのときはピンと来なかったのですが翌日くらいにまた二桁のシブダイ釣果!
親父に「もう大概人には分けたからこれ全部、魚市場に出せ!」と言われ、まあ当時吸ってたタバコ代くらいにはなるかなくらいの感じで魚市場へ水揚げ。
入札の金額を聞いてビックリ
え~この魚こんなに値段高いの
キロ単価うん千円・・・
マジか、こんな高級魚を自分は知らずに何年間かリリースしていたのか・・・
知らないとは恐ろしい。
入札して買ってくれた方にシブダイの相場について聞くと「お前も何年も水産業界に居ってこの魚の値打ち知らんかったのか!」と言われました
この日から夜釣りのターゲットがタマメからシブダイに変わったのは言うまでもなく
また当時(20年前)はこんな釣り地元でやってるのほとんど居ない状態で大袈裟に言えば自分くらいしか居ないんじゃないかなといっても過言ではなかったです。
なので磯に堤防にとポイントの開拓、釣れる時期、タイミング、使用するエサなど自分のなかでシブダイ釣りについて早いタイミングで確率されることとなったのは良かったですね。
それからは友達にこの釣りをオススメしたりして仲間と一緒に楽しんでおりました。
特に我が「九絵七武海」のメンバーの「足摺の主」はこのシブダイをマスターしたと言ってもいいくらいの手練れに
各地にシブダイ釣りの弟子が居るみたいです
二人で小遣いを稼ぐことが出来ました。
この一般の釣り人が釣った魚を魚市場に出すっていうことには賛否が有るとは思われるでしょうが自分も地元漁協の組合員(株主)で漁協の方々にも理解してもらったうえでのことです。
前置き(シブダイ武勇伝?)が長くなりましたがこのシブダイ釣りにつきましての内容を投稿したいと思います。
まずこのシブダイの生息地域ですが伊豆~九州にかけての沿岸には生息しているのでは?と思いますが釣れた!という実績で言えば和歌山県南部、高知県、九州地方といったところでしょうか。
ただまだ専門に狙う方が全国的には少ないと思われますのでこれから各地で釣果の話や情報が出てくると思われます。
生態につきましてはあくまで丘っぱりから釣る魚としての見解なのですが海水温の高くなる初夏から秋にかけて産卵のため沿岸(磯場近く)まで入ってくる。
そして冬から春の寒い時期は沖の深みに落ちると思われます。
実際にとある漁師さんは冬に沖の水深100m以上の場所でメダイやムツといった魚と一緒にシブダイを釣ってきます。
恐らく冬の時期に夜釣りで全くといっていいくらいにシブダイが釣れないのは浅場には居ないものと思われます。
従って釣期として狙えるのは大雑把に6月~9月といったところです。
地域によってはもっと長い期間狙えたりすると思います。
高知県西南部でも早いときは5月から釣れ始め11月に釣れたことも有ります。
ただ最盛期は7月、8月と思われます。
この時期はシブダイの大釣りに会うことも有りますので集中して通いたい時期ですね。
釣り方ですがおおまかにぶっこみ釣りかウキ釣りの2種類になりエサを使用した釣りとなります。
自分はほとんどぶっこみ釣りで狙います。
ウキ釣りでやっていたときも有りますが性分なのかぶっこみ釣りで狙う方が自分には向いてます。
先ずはウキ釣りから。
ウキでエサを浮かして釣るのにもフカセ釣り、カゴ釣りの2種類が有ります。
フカセ釣りもカゴ釣りも使用するタックルは磯竿の4号以上、もしくは最近流行りの「スルルー釣り」で使用する上物最強竿。
リールはスピニングリールの中型~大型で道糸はナイロンの10号でもしくはPEラインの8号以上。
ハリスはフロロの20号くらいをオススメします。
針はヒラマサ針や石鯛針でいいですがカゴ釣りの場合、使用するエサがオキアミとなる場合がほとんどなので使用するオキアミのサイズにある程度会わせた方が良いと思われます。
フカセ釣りの場合は使用するエサはキビナゴやイワシ、魚の切り身といったものを使うことが多いのでやや大きめの針でも構わないと思います。
釣り方は特に特別な方法が有るわけでは無くオーソドックスなフカセ釣り、カゴ釣りでいいと思います。
特別な釣り方は無いと言いましたがフカセ釣りは柄杓で撒き餌を撒きながら、カゴ釣りはカゴの中にオキアミを入れて刺し餌と同調させながらの釣り。
両者共に常に餌を浮かせ、流していく釣り方。
シブダイが回遊してきたときに海面から中層に餌が漂っていたらそこにシブダイは着きます。
餌の量が多いほど有利になります
例えばぶっこみ釣りが1人、ウキ釣りが4人くらいで同じ磯でシブダイを狙うと餌の量があきらかに多く中層に溜まるのでウキ釣りに軍配があがることが多いです。
あと潮が早いときや海水温が極端に高くなるときはぶっこみ釣りよりもウキ釣りの方が数釣れるといったことも有ります。
シブダイの曳きはトルクが有り強烈ですので少しでもシブダイを浮かせることに気を付けてください。
特に上物タックルで3kgクラスのシブダイを掛けるとかなりの曳きですのでくれぐれも油断されぬよう
続いてぶっこみ釣り
自分はこちらが主流の釣り方です。
ウキで釣れるシブダイよりも良型が釣れるイメージが有り大型のシブダイを狙うならこちらをオススメします。
何よりほとんどの場合、前アタリ無くいきなり竿が舞い込んでいくシーンを観たら病み付きになります。
使用するタックルは石鯛タックルをそのまま流用。
竿もリールも仕掛けも全て石鯛用でOK
ちなみに自分のタックルは下記のような感じです。
竿:石鯛竿HH
リール:両軸リール
道糸:ナイロン30号
瀬ズレ:ワイヤー7本撚り#37 2m
●根が荒い場所やウツボの猛攻の場合は捨て糸を使用した捨てオモリ仕掛けにして餌を海底から1~2m上げるようにします。
●通常は真空オモリやルーパーを使用した這わせ仕掛けを使用してます。
●オモリは水深や潮流の早さで20号から50号を使い分けしてます。
ハリス:ワイヤー7本撚り#37 30cm
針:石鯛針16号~20号
シブダイにこんなオーバースペック要らんでしょ!と思われますが以前投稿しました「クエライトタックルにつきまして」で書きましたように夜釣り、特に磯での夜釣りでは何が喰ってくるか解りません
本命はシブダイですがときにはクエやスジアラ、タマメといった嬉しいゲストも来ます。
もちろん全くどうにもならないような化け物も来ます
掛けたら捕るいや自分の体力で勝負できる限界値までは魚と勝負したいといったことからこういったタックルを使用しております。
ハリスはナイロンやフロロの20号あたりでもいいですが石鯛用のワイヤーハリスでもなんら構いません。
ワイヤーにしたからといって喰いが悪くなるイメージが有るかと思われますが何ら変わること無く喰ってきます。
逆にウツボが喰ってきてハリスを傷付けることが有りますのでワイヤーのハリスの方がキンクしない限りそのまま使い続けることができます。
ただ7本撚りのワイヤーはキンクされやすいので柔らかい19本撚りのワイヤーを使うのもオススメです。
針は頑丈なので石鯛針を推奨します。
タマン針はシブダイのみに対応するのであれば問題有りませんが軸が細く弱い為、クエなんかが喰ってきた場合やや不安です。
実際タマン針で何度か針を伸ばされたことも有りましたので自分は使用しておりません。
そうそう、本当に何が喰ってくるか解らないので竿に尻手ロープは必ず取っておいてくださいね!
その他必要なものが竿受け、ハーケン、竿先に付けるケミホタルなんかが無いと釣りにならないのでご用意を。
釣り方も基本、ぶっこんで竿を竿受けに置きアタリを待つといったオーソドックスな釣り方です。
ポイントは海底の溝や棚に仕掛けを置くといったこともしますが餌が効いてる範囲であれば仕掛けの届く場所のどこでも喰ってきます。
ただ海水温が30℃近くなるような高温になってくると磯際の浅い棚で喰ってくることも有ります。
アタリが無いときは石鯛釣りのようにいろんな棚を探っていくのもいいかも知れませんね。
そして何より重要なのが餌
餌といっても撒き餌が最重要となります。
撒き餌が大事といっても何をどれだけ撒けば良いのか
ぶっこみ釣りは海底もしくは海底付近を狙う釣り方
なので海底に沈む(海底に残る)餌を撒くことが重要で、オキアミやイワシのぶつ切りなんかは比重が軽く潮や波に流されやすく自分の仕掛けが入っているポイントに留まることが難しいのであまりオススメはしません。
ただし潮に流してシブダイをおびき寄せる効果は有りますので使い方次第でもあります。
自分はサバやメジカのぶつ切りといった比重の重いエサを撒きます。
撒く量は釣りを行う時間でも変わってきますが朝までやるような長時間であれば10kgは撒きます。
半夜での釣行でも最低5kgは撒きます。
撒き方も釣り始め、もしくは潮流の緩い、止まったタイミングで持参した撒き餌の7割を撒きます。
残りは釣りながらパラパラと入れていくといった感じです。
撒き餌を一度に多く入れるのには理由があって、当然シブダイを寄せる為でありますが何よりシブダイの足止めをするのが目的です。
シブダイは日によってムラは有りますが特に最盛期に入ると大きな群れで移動をしてます。
この群れに当たったときに爆釣になります。
撒き餌無しでやってる場合や少量の撒き餌でやってる場合はこの群れが来ても群れの足止めをすることが難しく5枚、6枚、多いときは1時間で二桁の釣果を釣ることが出来るのに1~2枚しか釣れないことも
海底に多くの餌を入れることはウツボや来てほしくない外道達も寄せてしまいますが本命のシブダイにも絶大な効果がありますので是非試してください。
また大きめの撒き餌を入れるとその撒き餌を喰ったらもう刺し餌には食ってこないとか言われますがそんなことは有りません。
魚は餌を喰うときはとことん喰います。
確かに活性が低い場合はそんなときも有るでしょうが群れで回遊してきたシブダイの活性を上げるため、遠くに要るシブダイに餌の在りかを知らせるためには必要なものです。
次に刺し餌についてですが撒き餌の重要性に対して刺し餌はそれほどこだわりは有りません。
確かに喰いが良い餌は有りますがそこまで、この餌じゃ無いと!っていうことも無く撒き餌にサバを使用してるならサバ子やサバのぶつ切りでも構いません。
ちなみに自分のなかでの喰いの良い餌順位は大まかに、子イカ>イワシ>サンマ>メジカ切り身>サバ子>ムロアジ>アジといった感じです。
ちなみにキビナゴはぶっこみ釣りにはサイズが小さいので刺し餌には使用しません。
1位の子イカにつきましては特別な餌でして注意が必要で、最盛期で高活性であれば構いませんが活性が低いときや群れが小さい場合なんかでは子イカを使用していると子イカ以外の餌には極端に反応が無くなることが有ります。
例えば数人でシブダイ釣りに行ってるときに一人だけ子イカを使用してると先ず子イカを使用している竿にだけアタリが出ることが有ります。
やや反則的な餌といっても良いです。
まあそれだけ子イカは喰いが良いといったことですので釣果を上げたい場合や釣れないときのここいちばんでの餌では有った方が良いですね。
ただ子イカを使用して餌が無くなり次にサバを使用した場合いきなりアタリが全く無くなったなんてことも有りますのでご注意を!
けど他の餌でも問題なく釣れますのでご心配無く
逆に餌取りの活性が高く餌が持たないといった場合はアジやムロアジといった餌が活躍します。
ポイントの選択ですが外洋に面した磯、堤防が良く特に沖磯がオススメです。
渡船であれば日々の情報も聞くことができますし何と言っても潮通しの良い沖磯は釣れる確率も高いです。
水深は深くても浅くても喰ってきます。
自分はあまり水深の深い場所よりも水深10mまでの場所を好みます。
撒き餌も効きやすいし特に夏場は本当に浅い場所にまでシブダイが来ますので!
海底は岩礁、ゴロタ、砂利いずれも釣れます。
磯場での釣りが多いので基本、岩礁やゴロタ場が多くなると思いますが
要は餌を効かせばそれなりの場所であれば十分狙うことは可能と思われます。
最後に釣れるタイミングですがさすがにこれだけは絶対に!とは言うことができませんがこんなときによく釣れたということは有ります。
これは某釣りYouTuberも同じことを申し上げておりましたが自分も同感することが多く、先ずは真夏のうだるような蒸し暑い夜によく釣れます。
そして波がザワザワしてるときよりも凪ぎのときが良いとも思います。
月は出てるよりも出てないほうが良い。
月夜でも実績は有りますので大丈夫ですよ
時間帯は日付が変わるまでに釣れたことが多いです。
潮は満潮の止まり、下げ潮の五分までといったときに多く釣れた実績が有ります。
これは地域や場所によって異なると思いますのであまり参考にならないかも・・・
あまり情報や確立された釣り方などが発信されていない魚種ですが夏の夜に上記のような狙い方でやっていただくと釣果に近づくのではと
ただ暖かい季節でのしかも夜釣り
台風の発生しやすい季節でもありますので気象情報にはくれぐれも注意してください。
北緯20度から北上している台風が有れば太平洋沿岸にはウネリが着き始めますのでひとつの目安にしてください。
さあここ数年はクエ一本と言っていいくらいの釣行でしたが今年はシブダイ狙いの釣行も増やしていこうかなと思っております。
クエ同様にいい釣果が有ったときにはまた投稿したいと思っております。
安全第一でシブダイ釣りを楽しみましょうね
それではまた