知ってる人も多いと思うけど、当時、新橋、神田、秋葉原なんかに軒を連ねていたよ。
システムはお客さんが好きなDVDを持って個室に入る、そして退出10分前頃になると基本キャミソール姿のおねぇちゃんが登場してハンドサービスでフィニッシュさせてくれるという感じ。“基本キャミソール”って書いたのは、コスプレが売りの店で50種類ぐらいの衣服を選べたんだな。
そのコスチュームの洗濯や部屋のティッシュ掃除、嬢の弁当の買出しなんかが俺の主な仕事だった。最初アルバイトで入ったから、気は楽だったよ。しかし、そこに来るお客さんは曲者が多かった。
★曲者1
おかしな性癖の人も結構来店していた。中でも多かったのはいわゆるM男君。
まぁ人の性癖をどうこういうつもりは無いが、ある人……仮にAさんとしよう。この人の癖はちょっと「??」だった。
真面目そうなサラリーマン風の人だが、やってきて、会計を済ませ部屋に入る。ここまでは普通。 配置された嬢が部屋に到着。ドアを開けた瞬間、嬢は軽く悲鳴を上げた。
なんとそのお客さんは、全裸でリクライニングソファーに深く腰掛け、ほぼ仰向けの状態で顔にこんなお札を貼っていたんだ「僕はどうしようもないM男です。どうか好きにしてください」。
このときアソコはビンビン状態。アダ名をつけるとしたら『ビンビンキョンシー』かな。キョンシー、分かる若い人、いるかな? その後はちょっとSッ気のある嬢にいいようにあしらわれていたよ。
★曲者2
もう一つコスプレ話だけど、その中に「体操着」なんていうのもあった。
コイツを発注したのは、いかにもアキバ系な頭髪ペットリ男子。嬢は体操着に着替え、ペットリの居る部屋に向かう。
ノック。返事が返ってこない。「おかしいな?」と思い、もう一回ノックをしようとしたとき、なかから甲高い声で返事が返ってきた。
「どーぞー」その甲高い声の主はぺっとり。なぜ甲高い声だったかというと、彼には
体操着女装癖があったんだ。五十歩譲ってもそこは体育教師だろ。
他にも沢山の変なヤツを見た。でも、楽しいことばかりじゃ無かったんだよな。
だって、俺はこの店で逮捕される事になるんだ。
(文 ジョー龍知)