
主人公が何故愛猫ナナを手離そうとしているかも含め
予告編を見るだけで物語の流れは大体見当がつくこの作品
そして猫や犬など、人と密接な繋がりのある動物をフィーチャーした作品の場合
ストーリーはおざなりなクセに、演出が過剰なものになりがち
そもそも猫の声をわざわざ人があてているということ自体、過剰といえば過剰
そんなわけで、結構覚悟して観たのですが…
コレ、とても良いです!
有川浩氏原作の映画化としては『植物図鑑』以来、2度目のチャレンジとなる三木康一郎監督の演出が
非常に抑制が利いています
ホント微妙な匙加減なんですけどね
クライマックス
ここでナナ(声:高畑充希さん)がしゃべらなきゃいいけど、きっとしゃべっちゃう…
観客の涙を煽るようなセリフを言っちゃうんだろうなと思いながら観ていたら
本当にしゃべらなかったので、ビックリしました
さすが三木監督、わかっていらっしゃる!
たぶんTVドラマも映画も両方撮るようなTV局の社員監督じゃ、こうはいかなかったと思います
むしろその手のベッタベタな演出がお好みの方は、物足りなく感じるかもしれませんね
絵に描いたようなイケメン好青年の主人公・悟
そんな彼が
「世の中には親になっちゃいけない人間もいるんだ」と突然ドキリとするようなセリフを言ったり
愛猫ナナにベッタリなのはどうしてなのか?
予告編からは窺い知れない、意外にハードな物語が展開します
フツーの犬猫映画なら、サラッと流すと思われる根幹の部分を
本作は説得力ある形で描いていると思います
さすが有川浩さん!という感じです
原作の持つ温かさと三木監督の演出に見事に応えた役者陣も素晴らしいです!
福士蒼汰さんはもはや安定感抜群、文句無し!
主人公・悟を支える叔母役の竹内結子さんは
今回のような脇役と主役を演じる時のギアの切り替えがホントに上手い女優さんだなと思います
オーラをダダ漏れさせず絶妙にコントロール出来るというか
脇にまわった時にちゃんとメインを引き立てることが出来る方なんですよねえ
そして、悟の高校時代の親友で、今はペット同伴可のペンションを経営している夫婦役の
大野拓朗さんと広瀬アリスさんも良かったなあ
大野さんの役はこれまた本当に匙加減の難しい役だったと思います
何も考えずに演ると、可哀想過ぎたり、逆に嫌味な役になってしまったり…
そこをとても繊細に演じていらっしゃいました
そして、ここ最近の広瀬アリスさんは何らかの呪縛から解き放たれた感があって、とても良いです
プライベートの充実も良い影響を及ぼしているのかもしれませんが
周りからどう心無い言葉を言われようと「私は私!」という強さを今の彼女からは感じます
今後メジャー作品はこうあって欲しいというお手本のような一本

